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歳月人を待たず、毎日がおめでたい。

歳月人を待たずー

2022年も始まってはや10日。私は何をできただろうか。

年が始まって何かしたことといえば、人生でいちばんの文学作品に出会えたことが記憶に新しい。李龍徳「死にたくなったら電話して」だ。

最高に面白かった。どこにでもあるような普通の家庭でコンプレックスを抱きながら狭い視野で生きる主人公の男と”普通”というレッテルに好んで消費されるような死生観・哲学を持つ女の二人の話だ。

タイトルからも中身からも尖った作品だと思われるのか、これを読んだ人の感想を見たことがないのでよくわからないが人気があるようで、話に惹きつけられる人が多いということで魅力に感じる人が多いのだろう。

私が抱いたところで言えば、一番は「居心地の良さ」である。そういった感情を抱いた読書も少なからずいるだろうと勝手に思っているが、その理由が、人間のドロドロしたところ、言葉で表現すると陳腐化するような、ー独りで心にしまっておきたいながらも理解されたい部分のような、剥き出しの恥部のようなそんな感覚が真っ黒に輝いていると私は表記するがー そんな誰しもが持ちうるものが、登場する男女の物語に呼応・共鳴するように自身の内面を整理できるところがあるからではないか、そう考える。

そういった剥き出しの恥部のような内面、仮に「個人の普遍的情念的内面」と言うが、そのことについて他者と共有することは滅多にないだろう。だからこそドロドロに沼のように溜まる一方で他者との本質的な理解、例えば心を許していると思える人のような役割を本書が演じてくれるのだ。

演じてくれるとはいっても本当に共有することはできない。本書の内容からもそういった示唆を感じる。他者の考え、観性と言うのは決して分かり合えるものではない。それぞれの所属するコミュニティや場所と個人のタグ付けが、経験則と両輪を成して一人歩きしているに過ぎないと、理解した気になることはその人を半殺しにしているようなものだと、そういった一面を感じることができる。そのような意味で、「個人の普遍的情念的内面」への理解を示す本書の役割が演じられたと感じることに希望を感じることができないとして、現実へ還ることができるのは、本書の大切な読者へのアプローチだと私は考える。

そういった一連の流れが、居心地の良さを感じさせる要因なのではないだろうか。

新年一冊目にもってきた本としては大成功だったと、満足している。


現在1月上旬。

世間がVUCAの時代だと言われてはや7年くらい経つが、今の私のブカブカ具合はなかなかのものだ。なんせ就活・卒論・定期試験・読書・学び の5つを並行しながらも、最近引っ越した環境に慣れきっておらず、モチベーションなど皆無の中で何とかかんとか生きているからだ。

今頃になって就活をすることになるとは、3月の自分が見たらさぞ質問攻めにされることだろう。それでも私ならできると思ってリスクに挑戦する、言い換えれば、頑固で自分の意見と態度に妥協をしないところが生み出した結果であるから、全国の就活生の皆さんは早めに内定をもらって何も考えないことをお勧めする。

特に生きづらさや焦りを感じることはないが、毎度毎度自分の計画が破綻する時の決断と環境の変更の振れ幅には私自身が一番驚く。近況報告をすれば、3ヶ月前とは全く違う意見になっていることを突っ込まれるばかりだし、自分でも報告する意味がないほどに考えが変わることが楽しみだったりしている。

ところが1月ともなると就活と大学の定期考査が近づいてくるから、成長するにはちょっとしんどい時期でもある。私にとって単位取得のための試験勉強など殆つまらないと感じてはや四年が経つものでもあるし、他に意味づけをするほどの労力が湧いてこない代物が定期考査勉強というものだ。全くもってつまらない。

今読んでいる本に ウォーレン・バーガー著「Q思考」という本があるが、日本の教育システムのことを考えれば余計に試験勉強のやる気が失せるというものだ。

そういった意味で私は、大学の一番いいところは「枷を外せるところ」だと思っている。高校までの教育環境は、授業の詰め込み具合はさながら、人間関係やアイデンティティの形成など向き合うものが時間に対して多すぎる。大学生は基本的に暇なので向き合うべきものと時間が釣り合うことと思う。人間として成長できる基盤を作る思考法や本質を見る人間性など、これからの社会人人生に必要なものを身につけると共にその過程で不必要な「枷」に気づき、外す作業ができることは、とても重要だと私は考える。

もちろんそれでも枷だらけな自分自身であることに変わりはないし、枷があることに気がついていない社会人の先輩方も大勢いらっしゃるので、希望を感じるほど充実したメンタリティになれるかは別として、大学生の時間の使い方としては悪くないだろうと思っている。


最近の私の悩みとしては、コンテンツ不足と面白い人探しである。

SDGsを中心に12月は濃密に学ばせてもらったし、今年もしっかりと学ぶ予定であるが、実践する場所が欲しいというのが一番の課題かもしれない。そんなん「社会をフィールドに組織を作ってなんかしろ!」と思われるかもしれないが、なかなかそうはいかないというのが現実だ。

私の性質上、独りで学びがちになるし、どこでそんな仲間になりうる人がいるのか、周りを見れば不思議なもんである。今年はたくさん学ぶコミュニティに入ってたくさんの人と自分を磨いていきたいと思うのはちょっとした抱負だ。

話が脱線したが、学びを実践する場所として「社会人」というのはとても魅力的だ。自分の考えや仮説を職場で実践し、目の前に結果が現れる。これほど面白いものはないだろうと思うが、同年代の方々はあまりそういうようには感じていないらしい。それなのに社会人2年目のインタビューなんか見ればポジティブなことしか書いてないのが逆に怪しい。採用・就活のよりどころを大学生は求めているぞ、採用人事の方々。その辺の安心感寄り添えればエントリーには困らないんじゃないかと思う。

あと副業をしたい。せっかく想定よりもお得にSDGsの資格を二つも取れたのだから、定期試験が終わったら一度くらいは実践したい。ほんとに。集客面が一番難しいのはわかりきっているが、何とか一度ずつくらいはやりたい。あとせっかくまだ大学生なので大学にSDGsの団体を作ってもよかったなと思う。企業と何か課題解決ができるくらいの、お金ももらいながらの団体が。時期が悪いんだよなーと思いながら、もし卒業できなかった時の楽しみにしようと、こちらも密かに考えている。でも試験をしっかり落として留年ってかっこ良くはないからなあ。。。


なんだかんだで昨年は2回も引っ越しをした。ちょっとした引っ越しセミプロだ。変えた先の環境が、満足できるならいざ知らず、満足できないと苦労するなとしみじみ実感しながらも、今年は一月から「歳月人を待たず」だ。俺が歳月を置いていくくらいの頑張りを目標にする。

「毎日がおめでたい」と言ったのは松下幸之助。新年とはたくさんの事が新しくなるのだからめでたい。新しくなる事がめでたいと。新しく始まる朝も、まためでたい。だから毎日がおめでたい。らしい。わかる気がする。

そうやっておめでたい毎日の中で歳月を置き去りにする事が私の2022年の目標であります。

本年もよろしくお願いいたします。

河谷陽水。

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