脊髄損傷患者の歩行予後

脊髄損傷患者の歩行予後

https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjrm1964/38/1/38_1_29/_pdf/-char/ja

装具を作るか作らないかの判断をする際にやはり予後を知らなければ判断が難しいわけです。

そこで今日は脊髄損傷患者の歩行の予後の文献を紹介します。

フランケル分類ですが、これだと少し大雑把とのことなので、こちらの論文では改良フランケル分類というものを使用しています。

これはフランケル分類のB、C、Dをさらに細分化して比較をしています。

http://www.jscf.org/jscf/SIRYOU/rihabiri/hyoukasyakudo.htm

294例に対しての経過を出しています。

改良フランケルD以上に改善したのはB1、B2が3割程度に対して、B3では8割となっています。

また実用的な歩行が可能となるD2まで改善するのはB1では0%、B2 17%、B3 40%となっています。

このようにみていくと、歩行を考えいくには発症後早期にB3レベルであること、つまり痛覚が残存していることがひとつポイントになると思います。

そのような方であれば4割ぐらいの人が歩行可能になる可能性があります。

逆にB1レベル、つまり仙骨領域のみしか感覚が残っていない方では車椅子ベースの生活も視野にいれなければならないかと思います。

予後に関しては非常に参考になる論文だと思います。

注意してほしいのは回復期時点での評価ではなく急性期での評価での判断だと言うことです。前院からの情報を参考に予後予測を立てて下さい。

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