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一般質問を振り返る#03 〜①家庭ごみの分別回収について②住宅取得希望者に対する支援について〜

令和4年12月定例会

 実は、南房総市は、市内でゴミ収集ルールが2つあります。当市は合併市なので、旧町村時代の枠組みが残る地区とそうでない地区があるためです。とはいえ、令和9年度からゴミ処理の広域化(君津地域に安房地域が合流、館山市除く)が決まっており、富津市で建設が始まった新処理施設へ処理を移管するにあたり、市内ゴミ処理ルールの統一が図られるべきとの考え方から質問をしました。
 また、2点目として、住宅取得希望者への支援について、他自治体に比べ見劣るところがあったので、これについて市の認識を問うたものです。


①家庭ごみの分別収集に関する市内ルールの統一について

 この質問で言いたかったことは、プラスチックごみの捨て方についてでした。外房地区(和田・丸山・千倉・白浜)はプラスチックごみは分別して燃えるごみとは別の収集日に出すようになっています。一方、内房地区(富山・富浦・三芳)は鋸南地区環境衛生組合に処理を委託しています。こちらでは、プラスチックは燃えるごみとして可燃ごみの日に出すことが可能です。

 私は、プラスチックごみを可燃ごみとして処理することは、環境面、経済面の両方で合理性があり、外房地区も可燃ごみとして処理すべきだと考えています。それを踏まえ、質問しました。

  • 外房地区の可燃ごみとプラスチックごみの処理費用はそれぞれいくらか。

 令和3年度の実績で回答します。

 可燃ごみにつきましては7,690トンの処理を実施、1トン当たり約3万2,400円。
 容器包装及びその他プラスチックにつきましては490トンの処理を実施、1トン当たり8万9,300円

会議録より抜粋

 お気付きの通り、プラスチックの処理費用は可燃ごみ処理費用の3倍近いものになっています。これは容認できるものかどうか。

  • 処理単価に3倍近い開きがある。市内の一方はプラスチックを燃やしているのに、もう一方は高い単価で分別収集している状況だ。

  • 令和4年度の外房地区のプラごみ処理予算をみると、640トンの処理を見込んでいることになる。

  • もし、この量を可燃ごみとして処理するならば、その費用は約3,600万ほど浮いてくることになる。新施設稼働までの5年で1億8,000万円以上軽減されることになる。

  • この考え方で間違いないか。

 プラチックごみを可燃ごみ扱いにすることについて、単純に費用の比較で考えれば、議員指摘のとおり、削減されることとなります

会議録より抜粋

 これが実現できるならば、今は収集頻度が少ない段ボールや瓶・缶の収集を行う財源にもなるし、不法投棄や畑や海岸で燃やしちゃう人も減るでしょう。体積の大きいごみが捨てやすくなることは、とても良いことではないでしょうか。
 でも、リサイクルだから仕方がないような気がしている方もいるかもしれません。ということで、問題のプラスチックごみの処理方法についてです。

  • 当市のプラスチックごみのリサイクル方法について伺う。

  • 我が国では、主に、

  • 溶かして再製品化するマテリアルリサイクル

  • 分解油化して化学原料とするケミカルリサイクル

  • 熱エネルギーとして回収するサーマルリサイクル がある。

  • そのうち、サーマルリサイクルは国内でも主流である。

  • 外房地区のプラスチックごみは分別回収後、サーマルリサイクルされている比率はどの程度か。

 現在、外房地区で収集をしておりますプラスチックごみにつきましては、全てがサーマルリサイクルの処理を行っている。

会議録より抜粋

 さすがに面食らいました、まさか全量とは思っていなかったです。つまり、一般可燃ごみより高い単価で処理しているが、結局燃やしている。でも熱エネルギーとして回収しているからリサイクルである、という論理。

  • であれば、普通に可燃ごみとして処理しても良いのではないか。

  • 新施設はそれだけの処理が可能な能力を備えているはず。熱エネルギーで発電もできる。その方向でルール統一してはどうか。

  • 税金も浮くし、ごみの出し方がシンプルになれば市民の負担も軽減する。

  • 水分量の多い生ゴミの燃焼にもプラスチックの燃焼効率は寄与する。

  • 結果的に、重油やガスなどの化石燃料の投入も抑制できる。

 新処理施設は、熱エネルギー回収により発電を行う施設で、発熱量の高いプラスチックごみの焼却は発電の効率化につながるということは認識している。
 一方で、プラスチックに係る資源循環の促進等に関する法律、いわゆるプラスチック新法が本年(筆者注:令和4年)の4月に施行されている。その中で、市町村はプラスチックごみの分別収集や再商品化が求められており、社会的な流れとして、排出抑制であるとか素材としてのリサイクルをしようという機運も高まりつつあり、そんな中で、今後の国・県、また関係市町村の動向を踏まえながら、慎重に検討をしてまいりたい。

会議録より抜粋

 社会の環境保護に関する意識の高まりそのものは良いことでしょう。ただ。必要以上に、理想ばかりを追い求めすぎてはいないでしょうか。皆さんはどう思われますか。

 このたびの広域処理については、通称プラスチック新法の施行よりも以前から、当地域の懸案としておよそ四半世紀ものあいだ検討されてきたものです。昨日、今日の事業計画ではありません。法律施行のタイミングが本年4月であったということで、何とも悩ましい時期になってしまいましたが、ぜひ、こちらについては、「地方自治法第2条第14項、地方公共団体はその事務を処理するに当たっては住民の福祉の増進に努めるとともに、最少の経費で最大の効果を上げるようにしなければならない」の観点でもって、国・県に対して、当市や安房地域の実情を踏まえた法律解釈と運用ができるよう、関係自治体とも協議してほしいと要望して、この質問は終えました。


②住宅取得希望者への支援について

 住宅取得の主な手段としてフラット35という融資があります。この融資制度について、住宅金融支援機構と地方公共団体が連携して金利引下げなどの支援を行う地域連携型というメニューがあるのですが、これに南房総市が対応していないため、今後の意向について市に確認しました。

  • 本年7月現在で、千葉県内54市町村のうち21の市町村が連携しているが、安房地域ではまだ導入実績がない。

  • 移住定住の促進に関する施策は従来より様々取り組まれているが、そのような支援サービスこそ都市部と遜色ないものを整備すべきではないか。

  • 住宅取得希望者の負担軽減のためにも、当該メニューの導入について、市の考えを伺う。

 以下は市長答弁です。移住定住は市の取組みとして疑う余地がない分野です。前向きな回答が当初からあったことは良かったです。

 固定金利型住宅ローンフラット35地域連携型は、子育て世帯や地方移住者等に対する積極的な取組を行う地方公共団体と住宅金融支援機構が連携し、住宅取得に対する地方公共団体からの補助金交付などの財政的支援と併せて借入金利を一定期間引き下げる制度であり、当市の住宅取得奨励金も対象となると考えられますので、住宅金融支援機構との連携に向けて協議・検討してまいります。

会議録より抜粋

 そして、その後、無事に制度が導入されました!安房地域では初導入!住宅ローンの金利が下がるのはありがたいことです。たまたま市の方向性と合致していたのかもしれませんが、前回の消防団の待遇改善同様、やりがいがあって嬉しいです。

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 質問時間の最後、少し自分の考えを以下のように述べました。

 「昨日と本日と多くの議員の皆さんから、少子高齢化、人口減少に伴う税収の将来的な減少、一方で社会保障費関連の増大は不可避であること等に対して、様々な問題の提起や問いかけが行われました。また、これらに係る趣旨の答弁も執行部から出ております。もはやこれは行政と議会のコンセンサスであります。私は、房総半島南部のこの地域、これから何を我慢して何に集中していくのか、向き合う時期に来ているんだと考えます。今後も行政、議会が真摯に議論し、次世代につなげていく地域をつくることができるよう、私も頑張ってまいりますし、皆さんと協力してやっていきたいと思います。」

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 以上のやりとりは、議会中継を編集した私のyoutubeチャンネルでご覧いただけます。まだまだ下手くそな編集ですが、良かったら御覧ください。

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本定例会の議会だよりは以下の通りです。

議会だより

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