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デザインの孤独に声を上げるすゝめ

こんにちは。デザイナーのよーすけ(@mustang6586)です。
以前、こんなツイートに対して多くの反応を頂きました。みなさんも同じようにちょいちょい孤独になるんだなーと、勝手につよい絆で結ばれたような思いでいます。
みんな独りじゃない。

とはいえ、孤独な状況は健やかな気持ちでデザインと向き合うにはあまり良いものとは言えず。
そこで今回のエントリーでは、デザイナーを孤独から救う方法、みたいなお話をしようと思います。
※ハウスデザイナー向けです。逆にフリーランスの方々はどうやって対処しているのか教えてくれたら嬉しいです。


多くの接点を持つことで孤独を回避する

僕はデザインに対するアプローチに大きな拘りがない。良いと感じたものは何でも試してみるタイプなので、良くも悪くもカタがない。でも1つだけ一貫して続けていることがある。それは早い段階でデザインのフィードバックを受けること。

例えば、必要な情報をざーっくり紙面に落とし、表現の方向性を伝えられる要素が1つでも完成した段階で周囲に確認を取ってしまう。

今こんな感じだけどどーすかね?」

みたいに。
こんな調子で、初校や再校といった本来のリテイクポイントとは別に、小さ目なリテイクのタイミングを作り、フィードバックを多く得られるようにしている。
感覚的にはさっさとモックアップを作り、意見を聞きながら修正を重ねてフィックスを目指すような感じ。

こうすることで、同僚やクライアントと多くの接点を持てるので、とりあえずは孤独にはならない。孤独死しない。

この行動には独り作業で生まれる寂しさ・つまらなさからの解放の他に、2つの大きな役割があると考えているのです。


認知バイアスによってゴールから遠ざからないために

なぜ接点を多く持つようにしているのか。一つは、認知バイアスによって思考が単一方向に寄り過ぎることを防止するため。
認知バイアスとは簡単に言うと以下の通り。

認知バイアス:ある対象を評価する際に、自分の利害・希望に沿った方向に考えが歪められたり、自分にとって好ましくない考えをフィルタリングしてしまう現象。

知らず知らず、自分に都合の良い思い込みによってコトが進んでしまうワケです。結果的にゴールから遠ざかってしまう。怖い。でもそれが正常。
認知バイアスは完全に振り切ることができない。でも、バイアスを考慮しないと自らの考えのみが先行する可能性がある。デザインで頭と手の活動が止まる時は、だいたいがこの手の悩みによって引き起こされることが多い。
ならば、そこに複数人の認知バイアスを加えてしまうことでバイアスの多様性を生んでしまおう、というロジックです。

その際に注意したいのは、

「バイアスに負けないぞ!他の人の言うことを聞くぞ!」

みたいに力んでしまうと上手く行かなかったりする。
あくまでも自然に「どーすかねぇ?」くらいのヤンワリとした感じで聞くのがミソ。意見を聞き入れる姿勢よりも、今作っているものと目指すゴールとの感覚値がズレていないか周囲に意見を求める程度が好ましい。
聞く側、聞かれる側が負担に感じないライトなやり取りが理想的です。何気ない一言が何かの糸口だったりしますよね。


齟齬をコミュニケーションによって埋めるために

もう一つの理由は、「確認する」というプロセスで発生するコミュニケーションによって、齟齬を埋めることができるため。

正しくブリーフィングされたとしても、人間なので必ず聞き漏れや勘違いといったことが起きます。なんなら僕は勘違いすることが多い方なので、これを解決したかった。つまり、確認作業というコミュニケーションを多く行うことでこの課題を解決できる。

コミュニケーションは本当に大事。たった一言が頭の中の暗雲を消し去ってくれたり、しんどい作業の中に笑いが生まれたりする。
同僚って本当にステキ。感謝しかない。


デザインの経過は積極的に見せていきたい

デザインの経過を見せたがらないデザイナーは多い。

「中途半端な状態でやいのやいの言われるのがイヤ!」

というのが主な理由だけど、僕は経過こそ見せてまわる派。そうしないとデザインの意図が正しく伝わらない。
初見で1から100まで説明するのと、30までは知っていて残りの70を説明するのとでは相手の理解力に差が出る。段階を踏んで説明した方がわかりやすいですよね。

また、世界的なデザインファームであるIDEOにはこんな格言が。

「いかなる個人よりも全員の方が賢い」

多くの頭をひねったアイディアやデザインが素晴らしいのは恐らくその通り。であれば、早いうちにデザインの経過を共有し、多くの意見に耳を傾けることが賢いデザインを生むための方法だと言える。


まとめ

作業に没頭していると、ふと我に返る瞬間がある。作業が全く捗らない、俗に言う「降りてこない」状況は我に返る瞬間の連続だ。
そうしたとき、僕らはとても孤独になりがちであり、思考の柔軟性を大きく欠いているケースが多い。

だからこそ躊躇せず、

「いま、孤独!助けて!」

と声をあげてしまったほうが楽。
みんな良いデザインに仕上げたいという想いは同じなので、きっと助けてくれるはずだから。

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