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JFFC2022予選を終えて

ここ集中!横田陽介です。
JFFC2022 supported by OUTLIERの全予選を終えました。
決勝大会が今から楽しみなメンバーが揃いましたね!
決勝大会は7/10 新宿のWARPにて開催です。今年はついに有観客でできそうです。
大会の詳細はオフィシャルホームページを参照してください。

私は今年も大会実行委員長として、4カ所の地域予選とオンライン予選の全てに関わらせてもらいました。
運営の都合上、予選全100試合以上のバトルの全てを見る事はできませんでしたが、誰よりも多く見たと思いますし、オンライン予選についてはジャッジとして誰よりも真剣に全ての動画をじっくりと審査させて頂きましたので、今回のnoteで感じた事を書いていきます。
※今回のnoteは主に、競技者向けの内容です。

地域予選

東京都国分寺市の協賛により開催された国分寺予選を皮切りに、2週間ごとに静岡のスポーツショップアラジン特設会場にて東海予選、埼玉県新座市のBMXパークTYLERにて関東予選、大阪のストリートバスケコートPARK DAYにて関西予選と、全4回の予選を回りました。
延べ人数で100人弱の選手に参加して頂き、コロナ禍においてフリースタイラー達と会う機会が少なくなっている中で、多くの再会があり、初対面もあり、充実した日々でした。
その中で、感じたことを簡単に書いていきます。

地域差について

やはり、関東のレベルの高さは際立っていました。
要因としては、プロとして活動するのに首都圏が有利なので地方の有力プレイヤーの流入があることと、単純に人口が多いので人と切磋琢磨してモチベーションを切らさずに練習できる環境が他の地域より恵まれていることだと思います。
逆に、東海と関西の地方予選に関しては、人口やイベントが少ない分、今回の予選をただの競技会としてではなく、仲間が集まる場としても楽しんでくれた印象があります。
関東は人口やイベントが増えた分、コミュニティが細分化されて、より趣味嗜好が近い人が集まっているグループが増えている印象があります。
そのためかはわかりませんが、バトルに興味がある層とない層の差も開いてきている印象です。
これは、カルチャーが大きくなっていく中で良い事だと思っています。
ただ、何でも二分化していくと軋轢が生まれて論争が起きますが、その論争をポジティブなものにするためにも、お互いにリスペクトは忘れないように早い段階からシーンを引っ張る人たちが警鐘を鳴らしておくことは必要かなと思います。

パフォーマンス内容について

レベルが上がり続けている云々の定型文は置いておいて、今回はこうしたらもっと良くなるのではという指摘だけをさせてもらいます。
まずは、Executionについて。日本語だと完成度といったところでしょうか。
WFFAが定める5つの評価基準の中で、全体的に見て日本人プレイヤーが劣っていることはVarietyとExecutionの部分だと感じています。(もちろん、日本人でもその2つを強みとしているフリースタイラーもいますが、あくまで全体的に見て、の話です。)
この2つは実は繋がっていて、何が繋がっていてどう解決して世界大会基準で評価されていくようになれるかは、書くと長くなるのでリクエストがあればまた別の機会に書きます。
Executionの話に戻りますが、今回の通過者の中でも余裕で勝ち残った数人を除くと、とにかくミスが多いと感じました。
レベル自体は上がっているのにミスの数は3年前の予選より増えたと感じました。もちろん、難易度を下げてミスの確率を下げた構成を考えて繰り返し練習することも必要だと思いますが、もうひとつ薦めたい練習方法があります。
「30秒だったら30秒の演技をミスしても続けること」です。ここ数年は活躍の場は、リアルで見せるより動画に収める機会が圧倒的に多かったと思います。動画ではほとんどの人は1回ミスったらその時点でやめて最初からやり直すと思います。その弊害だったかは定かではありませんが、今回のミスの中で一番目立ったのが、ミスの後に連続してミスしてしまう事でした。
それを防ぐために前述した練習方法を試してみてください。自分がどこでミスりやすいのかはいつでも考える事だと思いますが、どの程度のミスをするのか、どういった種類のミスをするのか、ミスしたあとに立て直すにはどうすれば良いのか、そこら辺はこの練習方法で意識付けることができると思います。

次に、見せ方についてです。
技術レベルが高いことに関しては承知の部分なので、その技術をどう効果的に見せていくかで、間を上手く使うことと、サプライズを起こすことを意識したらもっと伝わっていくのではと感じました。

緩急も含めて間を上手く使うことは、何となくわかると思うので多くは書きません。個人的にはちょっとした仕草の部分を練習するのはお薦めです。止まっている時間、何もやらない時間を作る事も必要ですが、これは後述するサプライズの話と重複するので後ほど。
ちょっとした仕草が良くなると技が良く見えます。何十時間もかけて難易度が高い技を習得したり今の技のフォームを改良したりするよりも、たった30分で様になる仕草を改善した方がコスパ良いと思いませんか?
誤解のないように書きますが、もちろん前者を否定するわけではなく、前者はむしろ大前提として。

サプライズを起こす事に関しては、色々な手法があり、それを考えるのも自分にとっては楽しい事の一つですが、今すぐできる方法としては、引き算をすることです。
今回の予選で散見されたのが、簡単な技や流れを乱用し過ぎて難しいことが目立ちにくくなり完成度は高いのに全体的にのっぺりとした印象になってしまうムーブでした。
例えばの話ですが、難易度が20→40→30→30→100となるよりも、100の技を際立たせるためにも20→40→0→0→100とした方が100が際立ちます。0というのは前述した止まったり何もやらなかったりただのリフティングをしてる時間です。

細かい指摘は他にもありますが、特に気になったのはこれらの点が改善されれば、加速度的に良くなるのではないかなと思った部分です。

オンライン予選

オンライン予選については、ジャッジとして全てのプレイヤーの全ムーブをじっくり見させてもらいました。事前に確保していた時間より大幅に時間が掛かってしまい、その分大変でしたが、色々と感じたこともあったので書きたいと思います。

まず大前提

ルールを読み込むこと、きっちりと理解すること、わからなかったら質問することまで含めて、そこら辺のマネージメント能力も大会で勝つには必要になっていきます。
大会に出るということは全員がゲームに勝つこと、つまり至上命題をクリアすることを目指します。
至上命題が「優勝」の人もいるし、「ベスト〇〇に残る」かもしれないし、「自分のスタイルを見せる」や「とにかく楽しむ」「経験を積む」の人もいると思います。その自分が課した目標を達成するために、必要なことをしっかりと整理することが重要です。

自分をどう見せるか

目標の話から繋がってきますが、今回のオンライン予選は多くの人が「予選突破」を目標に頑張って動画を撮ったと思います。
その頑張る方向を明確にした人の方が強いな、と感じました。
具体的には、予選突破をしたい→ジャッジに評価してもらいたい→どういう点が評価されるか想像しようということです。
今回のジャッジは私ですが、基本的には世界大会(WFFA)の審査基準に沿って審査しました。その中で本当は決勝大会で見たいけど落選させてしまった選手がいて、ジャッジの心苦しさも久しぶりに感じています。
具体的には下記の2点が一番気になったところです。

①3ムーブの見せ方
3ムーブ全て似たような見え方になってしまい、勿体ないなと感じることが多かったです。せっかく3ムーブの時間が違う分、バトルの3ムーブに比べたら差別化が容易だった分、工夫してくることを期待していましたが、多くは見られませんでした。

②他の選手との差別化
これは直接的にはWFFAの基準とは関係ありませんが、根本は繋がっていると思います。
それは、フリースタイルフットボールをはじめ、ジャッジ競技の多くは常に相対評価で見られざるを得ないということです。
例えば体操のようにどの技が何点でどういうミスは何点減点と、今後絶対にブレない基準がある競技と違い、フリースタイルフットボールのものさしはジャッジの中にある主観的なものです。
具体的には、めちゃくちゃ綺麗に基本技をする事と、粗削りでも難易度が高い技をメイクする事を、比べた時にどちらが難しいか、またどちらを評価するかはジャッジがどう感じるか次第です。
同じ技の同じ完成度でも前後の繋がりや周りの環境、もっというと誰がやるかによっても評価は変わってくると思います。そこも含めてスタイルの形成や見せ方、セルフプロデュース能力まで必要となってくると思います。
そういう意味で、自分自身を際立たせる最も簡単な方法は、周りとの違いを強調することだと思っています。

とはいえ、なかなか難しい事だと思いますし、永遠の課題であり、フリースタイルフットボールの最も面白いことの一つだと思っています。

最後に

ここまで読んでくれてありがとうございます。
もっと聞きたいことがあれば、どんな方法でも質問ください。会える距離にいる人は是非会いに来てください。自分の経験を言葉にして、今後のフリースタイルフットボールカルチャーにとっての糧にしていく機会がもっと欲しいです。

オンライン予選については、ジャッジをしたので全選手のGoodポイントとBadポイントをまとめたので、気軽に聞いてください。

それでは、最後になりましたがJFFC2022 supported by OUTLIERの予選に関わった全ての方々、ありがとうございました。引き続き、みんなで決勝大会も盛り上げていきましょう!
ここ集中!

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