見出し画像

パリ旅行

2022年4月。4泊のパリ旅行に行ってきた。僕が住んでいるのはベルリンなのでそんなに遠くはなく、飛行機なら2時間程度だがチケットを買うのが遅くなり、しかもイースター(キリストの復活祭)の時期だったので値段が高く僕達は電車で行くことにした。片道10時間程度かかったけれど飛行機で行くよりも実際の距離感が実感できてよかった、気がする。。。(身体はバキバキになった)。

その道中に読もうと昔に買って読んでなかったアンドレ・ブルトンのナジャを持っていった。舞台がパリだからだ。ナジャはシュルレアリスム文学の金字塔のように言われてるので読むのを楽しみにしていたけど、最初から理論をこねくり回しすぎてて疲れ果てたので一二時間程の努力後ソッとバックの奥に押し込んだ。。。


パリ到着

そして無事パリに着いたわけだが、なるほどなんだか建物がかわいい。童話みたい。屋上に小さな煙突がついていてかわいい。他のヨーロッパの都市の建物も美しいのだけど、パリは建物の形が色とりどりで、しかも街全体の高低差が有機的なウネりを生んでいる。通りも遠くまで見渡せていつもその先に行きたくなる景色がある。歩いてるだけで想像が膨らむ。特に芸術が好きな人間にとってはパリは馴染み深い街で、至る所で、「ああ、この通りを彼が歩いたのか。。彼女はここで育ったのか。この教会で。。。このカフェでみんな集まってたのか。」と想像に尽きない街だ。その頃は1900年台初頭で世界大戦以前。2度の世界大戦を経た今のパリと当時のパリは全く違うだろうが今でも活気に満ちている。世界は失われていくだけのものじゃない。

パリみんなそれぞれオシャレな街

パリと言ったらオシャレの街だが、確かにオシャレだ。いやお洒落というか好きなファッションで歩いてる人が多い。そしてその人に合っている。たまに10歳くらいの女の子が洋服を着こなし颯爽と歩いている。

古着屋に行ったけどいい古着が置いてある。僕は古着がずっと好き。色落ちして薄くなっているジャケットと Lee の変わったジーンズを見つけて買った。日曜日は蚤の市に行った。入口付近はパチモンを売る怪しすぎる店が延々と並び、ションベン臭いし、いる人間も全員スリみたいな顔をしていたのでもう帰ろうかと思ったが奥までズンズン歩いていくと徐々に置いてあるものが変わってきて、そのうち素敵なものがたくさんになった。僕はそこで古代ギリシャ人や弥生人もしくは精神病棟の患者が着てそうな白シャツを買った。気に入っている。

僕はファッションが好きだ。オシャレかどうかではなく、みんなそれぞれ自分の好きな服を着てる世界線が僕はいい。

パリ食べ物うまし

パリはまた食の都でもある。地元民おすすめのカフェに行ったがクロワッサンはちょっと固い雲のようで形があるようでないような繊細さに震えた。味をしめて次の日も朝食に行ったがチョコ系のパンばかり頼みすぎてちょっとウンザリした。それぞれ美味しかったけど頼みすぎだ。チョコの次はちょっと違うチョコ。何事もやり過ぎは良くない。

レストランもこれまた美味い。味が深い。これがなるほどフランチか。。。と思いながら食べた。美味い以上に何を書いたらいいのか分からないが美味かった。味を表す言葉って難しい。

美術館を巡る

パリと言ったらルーブル美術館。そうモナリザがいる。ルーブルは巨大で4時間程度いたが疲れ果て全てを見れずに帰った。モナリザの周りには常にたくさんの人がいて、その時代や国籍を超えた圧倒的なアイドル感に圧倒された。

僕が会いたかったのは同じくダヴィンチの作品で『洗礼者聖ヨハネ』伊: San Giovanni Battista

この挑発的な笑みやポーズが好きだ。彼を間近で見れたのは嬉しかった。もう触れる距離。相変わらず不敵な笑みだった。

芸術関連では勅使河原三郎さんの舞台を見に行った。というかそれが今回のパリ旅行の目的だった。魔法のような舞台だった。バッハの平均律クラヴィーア曲集と二人の踊り。僕は踊らないが(舞台では)ダンス作品が好きだ。踊り。

クセナキス展

そして勅使河原さんの公演のあったフィルハーモニーでクセナキスの展示もあった。僕は大ファンなのでもちろん行ったが直筆譜や当時のスケッチなどたまらんものが沢山置いてあった。そして改めてクセナキスの仕事量に驚愕。今ならパソコンでパパッと出来る計算も手作業。書くのも手作業。。。人生は音楽だけが全てじゃない。クセナキスも子供がいたし家族との時間も大切だ。平等に与えられた時間で何が自分にとって大切か。クセナキスも著書の中で自分の作曲、研究について『限られた時間の中で』という表現を使っていたのを記憶している。

クセナキス展
クセナキス展


最終的にパリはオシャレで臭くて異文化の混じったパワー溢れる特別な街というのが僕の感想。旅行に行って、いいな。と言う場所は山ほどあるけど住むことは想像できないけどパリは住みたいな。と思ったよ。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?