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大阪〜博多600km徒歩の旅(29)福岡県宗像市〜福岡市GOAL

大阪から博多へ 山陽道600km徒歩の旅
第29ステージ(最終ステージ)
福岡県宗像市~福岡県福岡市GOAL(29km)

いよいよ、旅の最終日だ。結局最後まで喉の痛みや咳は治らなかったが、博多駅まで残り30km、もう行くしかない。

朝9時過ぎに、KBC九州朝日放送のディレクターさんとホテルで合流した。人生初の密着取材を受けることになった。マイクをつけて、出発。国道3号線をまっすぐ進む。

今日は大丈夫かなと思っていたけど、雨が結構しっかりと降っていた。けれど途中、美しい虹も出ていた。空にも祝福されているようだ。

歩きながら、カメラを向けるディレクターさんからいろいろ質問される。「どうして歩こうと思ったんですか?」とか、「今後のプランは?」とか。とはいえ、ディレクターさんも肩が疲れてくるので、ある程度の質問と回答が終わったら、一度カメラを下ろして普通に歩く。やがてまた撮って、という繰り返しだった。

5kmほど歩いて、コンビニ休憩。ディレクターさんはふくらはぎをさすっている。

「痛いですか?」
「少し」

このとき、実感した。今となっては、ぼくはもう長い距離を歩くのが当たり前になってしまっているから、20km歩いてもほとんど脚は疲れない。しかし、慣れていない人にとっては、一定時間早歩きするだけでも結構キツいことなのだと。

古賀市に入ったあたりで、お二人の方が応援に駆けつけてくださった。わざわざ下関から車で来てくれたのだという。差し入れもくださり、嬉しかった。こんな沿道で応援してもらえて、元気が出る。彼もまた、「パワーをもらえました!」と言ってくれた。だけど、「ただ歩いているだけなのに、どうして人にパワーを与えられるのだろう?」と自分でも疑問だった。

11kmほど歩き、古賀駅近くの「おさかな旬門」でランチ。アジフライがおいしかった。

食べ終わり、博多駅まで残り18km。数キロ歩いたところで、ディレクターさんはバスで先回りすることになった。予定よりも遅れていたから、ぼくはひとりになり、ペースを一段上げた。

福岡市に突入。1時間後にディレクターさんと再合流した。

そして残り9km地点。千早駅前に、フリーライターのこうの照美さんが来てくれた。直接お会いしたのは初めてだが、以前ぼくにコンサルを依頼してくれて、電話でお話したことがある。今回の旅の支援者のひとりでもある。

話しながら歩いていると、ラスト5km地点で、今度は少し先にタクシーが止まった。そこから出てきた人物を見て、ぼくは目を丸くした。

「捕獲しに来ました」

下関で二度に渡りぼくを捕まえ、素敵な場所に連れていってくれた戸田さんだった。私人捕獲のプロ。

これで三度目。予告なしに福岡に突然現れて、本当にビックリした。でも最高だった。徐々にパーティーが増え、ドラクエみたいになってきた。

博多駅のビル群が見えてきた。

「いよいよゴールの博多ですが、今どんな気持ちですか?」

正直まだ、「博多まで歩いてきたんだ」という実感が湧かなかった。確かに自分の足で歩いてきたのだけど、少し現実感に欠けて、不思議な気持ちだった。

「博多駅」と書かれた駅ビルが見えて、「いよいよ本当にゴールなんだ」と少し感慨深い気持ちなった瞬間、

両手に旗を持って振っている方が見えた。

「長濱さん!」

ぼくが関門海峡の地下トンネルをくぐって北九州市の門司側に到着したとき、「中村さん、ようこそ北九州へ!」と歓迎してくれた方だ。その夜、小倉でおいしい鰻をご馳走してくださった。

「どうしてここに!? お仕事は?」
「休みました。ゴールの瞬間に立ち会いたくて」
「えー!!」

なんということだ。こんな素敵な旗まで用意してくださって。

それから、Xで追いかけてくださっていた、稲田さん、キノシタアヤさんも来てくれていた。

17時20分、アヤさんが用意してくれたゴールテープを切って、29日間にわたる旅が終了した。

総距離600kmくらいかなと見積もっていたが、最終的に遥かに長く、678kmを移動していた。

さらに、アヤさんから、完歩達成のメダルを授与された。よく見ると、姫路に着いたときの写真が使われていた。感激だった。

Xでも、たくさんの祝福コメントが届いた。まさかこんなに多くの人にゴールをお祝いしてもらえると思っていなかった。無事にゴールできた達成感もあるけど、それよりも、「みんなと一緒にゴールできた」ことが嬉しかった。約1ヶ月間の冒険をいくらか共有できたのかもしれない。

このごく個人的なチャレンジから、何かを受け取ってもらえたのなら嬉しい。

これで、7年前の東海道徒歩の旅と合わせて、東京から博多までを徒歩で旅したことになる。東京〜大阪間23日、大阪〜博多間29日で、一応歩けることがわかった。計52日、うち休息日は3日。今回の旅(29日間)の平均歩数は約35000歩/日で、平均歩行距離は26km/日だった。

道自体はさほど景観の良い道とは言えない。しかし訪れる地域はそれぞれ変化に富んでいておもしろかった。そしてどこに行っても人がやさしかった。

自転車旅も楽しいが、歩く旅も楽しい。「中村さんに影響を受けて、GWに歩く旅に出る予定です」と言ってくれる人も現れた。これからチャレンジする方が増えたらいいなと思っている。特殊な用具も必要ないし、誰でも気軽に始められる。一日に進める距離は短いけど、その分いろいろなものを見られる。

目的地を目指して、一歩ずつ進んでいく。雑事を忘れて、ただ前だけを見て、シンプルに進んでいく。それは幸福な時間だった。きっともう少し時間が経てば、またいろいろと感じることが出てくると思う。

集まった皆さんと集合写真を撮り、御礼をして、解散した。

ぼくは余韻に浸りながら、25分ほど歩いてホテルに入った。

このとき感じたのは、「やり切ったな」という気持ちだった。博多まで歩くと決めて、とにかく最後までやり切った。この旅が何をもたらすのかも、これからどこへ向かうのかもわからないけど、こういう達成を、ひとつずつ積み上げていく人生にしたい。

お勧めされた「万葉の湯」に行こうと思ったのだが、朝から咳が止まらなくて辛かったので、今夜は我慢して早く寝ることにした。ただ、宿の近くの「ICHIYU」で豚骨ラーメンだけは食べてきた。650km以上歩いた末の豚骨ラーメンは沁みた。

KBC九州朝日放送のディレクターさん、ゴールの博多駅に集まってくださった皆さま、道中でお世話になった皆さま、ぼくの旅と発信を支えてくれた支援者の皆さま、SNSを通して応援してくれた読者の皆さま、すべての方々に感謝したい。

それから、最高のシューズをプレゼントしてくれた藍田さんと高井さん。おかげさまで最後まで歩けました。

密着取材された映像については、KBC九州朝日放送「アサデス。」にて、2月13日(火)の朝7時10分頃から放送される予定です。福岡・佐賀エリアの皆さま、ぜひご覧ください。後日番組YouTubeにもアップされるようなので、県外の方はぜひそちらで。

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この投稿を書いている2月8日(木)夕方には、KBCラジオ「ハッピーアワー」に博多のスタジオから生出演してきた。

パーソナリティのお二人のおかげでとっても楽しい時間を過ごせた。お笑いコンビ「ブルーリバー」の青木淳也さん、タレントの百市なるみさん、ありがとうございました!

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それでは、次は2月下旬のフィンランドの旅でお会いしましょう。旅の資金がまだ足りていないので、完歩のお祝いに応援していただけたら嬉しいです!

大阪、兵庫、岡山、広島、山口、福岡を巡る最高の旅になりました! 29日間、ありがとうございました!

<今日の費用>
アクエリアス 179円
キレートレモン 158円
ゼリー飲料 220円
ホテル 6370円

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