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電子書籍を自力で出せた経緯

※5月12日追記:方針変更に伴い、全文公開しました。

昨日の朝活でライターのかたおか由衣さんとお話したとき、「中村さんって、電子書籍とかも自力で作られていてすごいですよね」と言われたのが印象に残りました。そう、3年ほど前に、電子書籍を作ったんです。

確かに、素人がいきなり電子書籍をつくるのはハードルが高いから、お金を払ってできる人に頼んだり、あるいは講座みたいなもので作り方を学んだり、という流れが普通かもしれません。

これはメンバーシップでもテーマにしたかった「チャレンジの話」だなと感じたので、ちょっと書いてみます。

ぼくは以前、ライターの方向けに約2万字の有料noteを2つ書きました。

最初に出した「Webライターが単価を高めるためのアドバイス(完全版)」というnoteは、「ライターコンサル」という事業を始めるきっかけになったものでした。

このnoteがライター界隈で話題になって、池田アユリさんという方から「SEO記事を書くのが辛すぎて、もうライターを辞めようかとさえ思っているのですが、私にコンサルしていただけませんか?」とDMが来て、「えー、コンサルなんてやったことないしなあ。ぼくに教えられるものだろうか?」と悩んだんだけど、「やってみなきゃわからないし、じゃあ試しにやってみましょうか」と、2ヶ月間1対1でLINE通話でのアドバイスや、Googleドキュメントを使っての添削などで教えていたんですね。彼女はインタビュー記事の仕事に憧れがあるとのことだったので、自分が知っているすべてのことを伝えました。そしたら、彼女がすごく伸びたので、ぼくもちょっとだけ自信がついて、「じゃあ他の人にも教えてみようかな」と募集したところ、かたおか由衣さんはじめ、いろんな方が生徒さんになってくれたんですね。

それで数十人に教えて半年くらい経ったとき、「ライターさんたちからの質問や悩みのほとんどがインタビュー記事に関するものだな〜」と気付きました。いや、もっと早くから気付いていたのですが、いつも1対1での指導だから、「またこの質問か」「何度も同じ話してるな〜」と感じてきたんですね。それでなんか、「これはマニュアルみたいなものができるのではないか」と感じ始めてきました。そういえば、インタビュー記事の書き方みたいなのって、体系立てて言語化されたものってあんまりないよな〜とか思って。

そこでぼくは、MacBookのメモ帳に、皆さんからの質問内容とその回答を記録しまくったんです。数ヶ月経ったら、すごい文章量になりました。

でもそのままでは読みづらいので、一度それら「インタビュー記事におけるアドバイス」的なTipsたちを、「取材前」「取材中」「取材後」の3つのフェーズに分けて整理しました。そしたらなんだかそれっぽいものができたので、またnoteで出しました。

この「【2万字】取材とインタビュー記事の書き方における実践的アドバイス集」がありがたいことに大好評で、口コミのおかげでよく売れました。

少し裏話をすると、ちょうどnoteのまとめ作業に入っていた2021年3月、ライターの古賀史健さんが『取材・執筆・推敲 書く人の教科書』という本を出すという告知が流れてきました。ぼくは『嫌われる勇気』がベストセラーになるよりももっと前、『20歳の自分に受けさせたい文章講義』という本で古賀さんのことを知って(2015年くらいだったかな)、メチャクチャ文章の教え方が画期的でわかりやすいし、取材記事の大御所みたいな方だと知っていたから、そんな方に「決定版」的な本を出されたら、ぼくの努力が水の泡になる、と感じて焦りました。

発売日は4月8日だったから、絶対にそれまでに自分のnoteを出そうと決めて、必死に推敲を重ねました。そして4月7日に公開したところ、ヒットしてくれました。古賀さんの本がじわじわとライター界隈で話題になってきたのは、発売から1〜2週間経ってからだったかなと思います。もしその頃にぼくのnoteが出ていたら、見向きもされなかったかもしれない。でもそうならなかったから、本当に良かった。こういう戦略みたいなこと、ぼくはよく考えます。

自分のnoteの売れ行きを見送った後、もちろん古賀さんの本も買って、「さて、この本にはいったい何が書いてあるんだろう?」とぼくはヒヤヒヤしながら読みました。「取材や執筆のノウハウについて、全然ぼくとは違うことが書いてあったらどうしよう」と。

もちろん古賀さんの徹底的な思考の深さと言語化はすごかったし、内容もわかりやすくおもしろかった。でも、大筋の考え方はだいたい似ていたので、幸い内容のズレはあまりありませんでした。だからぼくも堂々とnoteを紹介でき、内容を批判されることもなく、ホッとしました。まあこの話は脱線です。

それでようやく、冒頭の話に戻ってくるのですが、結局noteを出して、Xで紹介しても、世の中には、noteやXをやっていないライターもいます。いくら内容に自信があっても、そういう人にはほとんど届かないわけです。それがすごくもったいなく感じてきました。

ひとつコンテンツを作ったら、可能な限り流用したいですよね。たとえば、2人の対談を音声配信するとします。それだけなら1コンテンツだけど、その録音データをもとに対談記事を作れば、コンテンツが2つになります。そうすると少ない労力で成果が上がります。

で、もし自分であれば、何かのスキルや知識を身につけたかったら、noteよりも先に、Amazonや書店で、良さそうな本はないだろうかと探します。

だから、「インタビュー記事の書き方に悩んだ人も、きっと参考になりそうな本をAmazonで探すんじゃないか?」と想像しました。それで、「取材 ライター」とか「インタビュー」とかのキーワードで本を検索してみたんだけど、ぼくが書いたような内容の本は、あんまり存在しませんでした。取材のノウハウみたいな本はあったけど、評価が低かったり。だからこれは勝ち目があるんじゃないかと思って、2つの有料noteを、電子書籍にしてAmazonでも販売したくなってきました。

ごめん、長いなこの話。もう疲れてきたよ(笑)

で、ぼくは「電子書籍 作り方」とか検索して、YouTubeやネットの記事を調べまくって、作り方の手順を学びました。すでに原稿はあるのは幸いでした。それをWordで縦組みにして、「数字はどうするんだ? 1桁は全角で、2桁は半角か」とか、「英単語は横書き? 縦書き?」とか、最初はわからないことだらけでした。でも一つひとつ調べて、やっていたら、できました。2週間くらいで電子書籍が完成して、販売して、1日か2日経って最初の一冊が売れたときは感動しました。自分がゼロから作り出したものがAmazonで販売されているわけですから。うわー、自分クリエイターじゃん、って思いました。

累計で10〜15万円くらいにはなっているはず。毎月2000〜3000円程度と少ないですけど、2冊の電子書籍からの収入は今も入ってきています。また今後、何か増やせたらいいなとも思っています。

というわけで、ぼくはいつも、とりあえず自分で調べてやってみる、っていう精神です。それで無理なら誰かに頼ったりするしかない。でも意外と自力でできたりするし、途中の「あれ、なんでうまいかないんだろう?」という疑問が試行錯誤の末に解決できたときの嬉しさもまた良いものです。実際たくさんありました。「なんでうまくリンク貼れないんだ?」とか、もう忘れちゃったけどかなりいろんなことで難儀した記憶が。

でも結果的に自力で出せて、すごい自信になったし、今はもうやり方を覚えてないけど、もしまた電子書籍を出したくなったら、「きっとできる」と思えています。

由衣さんから、「中村さんって、電子書籍とかも自力で作られていてすごいですよね」と言われたひと言から、思い出したチャレンジの記憶でした。

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