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フランスの旅(5)お宅訪問と世界遺産のカーヴ(地下貯蔵庫)で、本場のシャンパンを味わう

今朝は8時過ぎに起きて、ティエリさん宅のダイニングキッチンで1時間半ほど原稿。朝ごはんに食パンとバナナ、ヨーグルトを食べ、近所の日曜市を見学。

色とりどりのカリフラワー
野菜は、日本の方がおいしそうに思える

その後ランチのため、ランス市内のティエリさんのご両親の家を車で訪ねた。

素晴らしい家だった。リビングの調度品、カーテン、照明、絵画など、すべてがセンスある色彩感覚でまとまっている。「調和」という言葉にふさわしい部屋。この美的センスがフランス人のすごさだなあと感じた。いくつかの絵はお母さんが描いたものだった。

ティエリさんのご両親の家
色彩の調和が取れている
お母さんが描いた絵

テーブルには既に食器がセッティングされていて、それらもまた美しい。

テーブルウェアも素敵だった

ご両親は英語を話せないが、とても優しくて、良い人たちだ。お母さんの料理は素晴らしかった。前菜は海老、サーモン、アボカドのサラダ。レモンを絞り、オリジナルのドレッシングをかけて食べる。これが最高においしい。

抜群においしかった前菜

そしてシャンパン。日本では滅多に飲む機会のない高級品だけど、ここはシャンパンの産地だから、みんな当たり前のように飲んでいる。有名な「ヴーヴ・クリコ」や「クリュッグ」もここランスのシャンパンメーカーである。

今日はニコラ・フィアット(NICOLAS FEUILLATTE)の「グラン・レゼルヴ・ブリュット(GRANDE RESERVE BRUT)」というシャンパンをいただいた。上品でおいしい。

ニコラ・フィアットの「グラン・レゼルヴ・ブリュット」

「シャンパンのキャップをプレゼントしよう」と言われて、「キャップを?」と軽く戸惑った。実はお父さんはシャンパンのキャップのコレクター(!)で、4000種類も持っているらしい。大きなアルバムにきちんと整理されていて、「8冊分ある」と言うから驚きだ。確かにキャップは一つひとつ柄が違って眺めるのが楽しい。まるでアートの世界だ。

お父さんのシャンパンキャップコレクション

なんでも、シャンパンキャップのコレクターはたくさんいるらしく、「どの銘柄のキャップがいくらで売買されているか」がリストになっている本まで見せてくれた。

キャップの相場がわかる冊子

目の前のキャップが途端に貴重なものに見えてきて、日本に帰ったら記念に部屋に飾っておこうと思った。事情を理解したぼくが喜び始めると、お父さんは「ダブっているキャップがたくさんあるから、この中から好きなのを選んでいいよ」とさらにもうひとつ、お土産にプレゼントしてくれた。

お土産にいただいたキャップ

メイン料理は鴨が丸ごと一匹。しかしぼくは鶏肉が苦手なため、鴨も同様に厳しかった。チャレンジするも、半分くらい残してしまった。申し訳ない。

鴨の丸焼き

そのあと、5種類のチーズが出てきた。コンテチーズ、仔牛やヤギのチーズ、ブルーチーズなど。ボルドー産の「Margaux」という赤ワインとともにいくつか食べてみた。クセの強いものもあったけど経験としておもしろかった。ぼくはクセの少ないコンテチーズがいちばん好きだった。フランスには400種類のチーズがあると聞いて驚いた。

このほかにブルーチーズもあった
ボルドー産の「Margaux」

デザートにティラミス。これも抜群の味。甘過ぎず、お店でも滅多に出会えないおいしさ。「東京でお店を出したら人気のティラミスになるよ」と言ったらお母さんは喜んだ。

巨大なティラミス。絶品

食後にコーヒーを飲み、家庭のフルコースを満喫した。こうしてフランス人の家に招かれるのは初めてだったから、特別な体験になった。

夕方は、ティエリさんと二人でシャンパーニュメゾン(シャンパン生産者)のカーヴ(地下貯蔵庫)見学をした。

ランスでは1991年に既に大聖堂が世界遺産に登録されていたが、その後2015年にも、「シャンパーニュ地方の丘陵と、シャンパーニュメゾン、カーヴ」が世界遺産に登録された。

カーヴとは、「シャンパンの泡」が生まれる工程でボトルを保管・熟成させる場所のこと。ランスにはもともと、ローマ時代にチョークを掘削したあとの巨大な地下空間が存在した。その場所を19世紀にシャンパンの貯蔵庫として整備したそうだ。深さ数十メートルのところにある、全長25kmに及ぶ大規模なカーヴ。そう聞くと、世界遺産に登録されるのも頷ける。

今日はカーヴ見学ができる「メゾン・ポメリー」を訪ねた。ランスのシャンパーニュメゾンとして有名なポメリー社(1836年創業)の施設である。

メゾン・ポメリーの見学施設

入場料は、シャンパンの試飲付きで26ユーロ。入ってすぐのところに、エミール・ガレが作ったという「10万人分のシャンパンが入る大樽」が展示されていた。

エミール・ガレの大樽

長い階段を下り、地下深くへと入っていく。空気が冷たい。するとそこは巨大な迷路のように地下道が張り巡らされていて、たくさんの現代アートとシャンパンボトルが置かれていた。

地下深くへ潜る階段
見上げると、かなり深いことがわかる。ローマ人が掘ったのだ
シャンパンの地下貯蔵庫
様々なアートが並ぶ

ぐるっと一周してから再び地上階に戻り、ポメリー社の「ブリュット・ロワイヤル(BRUT ROYAL)」というシャンパンをいただいた。こちらもおいしい。シャンパーニュ地方ならではの特別な体験ができた。

最後にシャンパンの試飲

夜はティエリさんがミキサーで野菜スープを作ってくれた。健康的で嬉しい。昨日から食べ過ぎているから、胃にもやさしい。

冷蔵庫を開けて「スリミも食べる?」と聞かれた。スリミ?

正体はカニカマだった。フランスでは「Surimi」という名称で販売されているらしい。おもしろい。

フランスの「Surimi」

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