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静岡・山梨・長野の旅(3)白馬で八方尾根自然研究路をハイキング

今朝は本当に焦った。

ぼくは今日、穂高駅(安曇野)から電車で白馬へ行き、朝からハイキングをする予定だった。しかし数日前、電車を調べてみて驚いた。朝6時半の始発に乗り遅れると、次に白馬へ行ける電車は10時06発。これだと白馬到着が10時55分になるので、あまりに遅過ぎる。

仕方ないので、絶対に6時半の電車に乗らなくてはいけない。次の問題は、「駅までどう行くか」だった。宿から穂高駅までは6km離れていて、歩くには無理がある。そこで前夜チェックインの際に相談したところ、幸いにも宿の方に送迎していただけることになった。宿から約2.5kmのところに大糸線の安曇追分駅があり、穂高駅からは2つ先。ここには6時36分に電車がやってくるので、「宿を6時15分に出発しましょう。その時間には出られる状態で玄関にいてください」ということになった。

朝起きたとき、ぼんやりとした頭で、「どうしてアラームが鳴らなかったのだろう」と思った。それから数秒して、「はっ!!!!」とスマホを探した。

6時05分だった。あと10分しかない。

大急ぎでコンタクトレンズを入れ、服を着替え、荷物を無造作に詰め込んだ。隣で寝ているエリクに「バーイ!」と声をかけたが、彼は気付かなかった。バーイ、エリク。残りの旅も気をつけてね。慌てて階段を降り、なんとか6時15分ピッタリに間に合った。

晴天だ。山々には雲海がかかり、幻想的な風景だった。そして安曇追分駅から、無事電車に乗れた。ひと安心だ。

車窓からの景色も良かった。途中、木崎湖が見えた。8時に白馬駅に到着。そこから駅正面の道を10分ほど歩き、「スノーピーク ランドステーション白馬」へ行った。

ここは世界的建築家、隈研吾さんがデザインしたスノーピークの施設。でもぼくのお目当ては、この中にあるスターバックスなのだ。

店内からは山岳風景が見渡せる。こんな空間でコーヒーを飲めるなんて、最高の贅沢だ。いつも以上にコーヒーがおいしく感じた。

しばらく昨日の日記の続きを書いていると、「ようた〜!」という声が聞こえた。

振り向くと、そこにいたのは甥っ子の遥人。そしてぼくの兄と義姉だった。

遡ること3週間、もうすぐ一時帰国するベルリンの兄夫妻に自分の予定を伝えるため、何気なく「7月下旬に安曇野と白馬を巡る予定」とLINEすると、「ぼくらもそのあたりで白馬へ行く予定だよ」と返信があった。そして奇遇にも、白馬に泊まる日がまったく同じだったのだ。

兄の家族が、義姉の両親たちと一緒に白馬を旅行するなんてまったく聞いていなかったから、これはすごい偶然である。宿は別だけど、せっかくだから一緒にハイキングに加わらせてもらうことにした。ベルリンに住む兄と旅行する機会も滅多にないし、良い機会だと思った。

そういうわけで、白馬のスタバで、義姉の両親、さらには義姉の兄の夫妻とも合流し、ゴンドラ乗り場の八方駅に向かった。そしてゴンドラとリフトを計3回乗り継ぎ、一気に標高1,820メートルまで上がってきた。結構涼しい。

そこから「八方尾根自然研究路」と呼ばれるハイキングコースを歩いた。先週登った八ヶ岳の赤岳ほどの本格的な登山ではないが、高山植物や景色を眺めながら、ほど良いキツさのハイキングを楽しめた。

1時間半ほどで、目的地である「八方池」に到着。八方三山(白馬槍ヶ岳、杓子岳、白馬岳)が雲に隠れてしまったのは残念だったが、八方池は綺麗に見えた。

そこでお昼休憩。お湯を沸かしてみんなでカップヌードルを食べた。山でお腹を空かせて食べるカップヌードルは格別にうまい。

ゆっくりと下山し、16時頃にゴンドラ駅近くの駐車場に戻ってきた。ひとり旅のつもりで長野に出てきたら、思わぬ形で家族・親戚とのハイキングを楽しめ、とても良い一日になった。

今夜の宿「Keimichi Guesthouse」まで車で送ってもらい、みんなとお別れ。簡単な説明を受け、チェックインは一瞬で終わった。白馬の中では断トツで安かった割に、新しくて綺麗な宿だ。ドミトリーの部屋には台湾人の女性とイスラエル人の男性がいる。

日記を書くため、宿から20分ほど歩き、もう一度スタバへ行った。どこで入ってもスタバは落ち着く。朝と反対側の席に座ったら、長野五輪で使用されたスキージャンプ台が見えた。

営業時間が19時までだから、1時間半ほど作業したあと、店が閉まる間際にワンモアでドリップコーヒーをタンブラーに入れてもらった。宿で原稿の続きを書く際に、熱いコーヒーが飲みたいから。

夜は宿のリビングで原稿

スタバの近くで、「ポチのたこ焼き」というやけに口コミ評価の高いたこ焼き屋さんを発見した。よし、今夜はたこ焼きにしよう。しかし、メニューを眺めているとカレーも気になってきたから、まずカレーを食べて、その量と腹具合とを勘案してたこ焼きを8個にするか12個にするかを決めよう。

だが、カレーを食べ終わる頃に、意気込んで「たこ焼きの8個入りをください」と店主に言うと、「え、、、ラストオーダーの時間過ぎちゃったんで、今日はちょっともう・・・」。なんということだ。時計はラストオーダーの時刻である、19時半ピッタリを指していた。ゆったりしていそうで、なかなかシビアな世界だ。

悔しい。けど白馬にはもう一泊するから、明日の夜にまた来ればいい。こうなると何としてもここのたこ焼きを食べたい。絶対に食べたい。食べずには帰れまい。

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