見出し画像

11月4日(2002)初めてのファイナル。旗の海。

2002年11月4日。ナビスコカップ決勝。
浦和レッズはリーグ戦、カップ戦を通し初めて優勝を賭けた一戦に望むことになった。
10月のチケット発売日には各地のチケットぴあやコンビニに多くのサポーターが列を作った。私は当時新座サティにあったぴあに早朝整理券を取りに行き、10時前その順番通りに並んだ。確か20番台位で、間に同じ発売日の「さだまさし」や「劇団四季」の人もいてドキドキしたが、チケットを購入できた時は飛び上がる程嬉しかった。ここのぴあのスタッフの手際良さは素晴らしく、翌年もプラチナチケットを手にすることができた。
しかし10月下旬から11月にかけて撮影のため渡米することになり、決勝の日に帰国できないかもしれなくなった。
悩んでいた所、韓国経由の深夜便ならキックオフにまにあうはずと、会社の後輩が飛行機のチケットを手配してくれた。
無事仕事を終えそのまま空港へ向かい、13時間半後早朝仁川に到着。3時間程のトランジットの間に朝食を食べながら、思いを馳せる。この時間にはもう国立競技場にかなりの列ができていたはず。
2時間半かけて成田へ。正午過ぎに到着ロビーを出て京成スカイライナーに飛び乗る。上野から銀座線に乗り外苑前へ。駅のロッカーにトランクを放り込みスタジアムへ全力疾走。日本青年館の向こうから歓声が聞こえてくる。
キックオフ直前にバックスタンドに辿り着き、コンコースを抜けてゲートをくぐり見上げた旗の海は本当に美しかった。超満員の中、見知らぬ人が空いている席へ誘い入れてくれた。
ファイルの舞台に立てる素晴らしさに感無量になり、試合のことはあまり覚えていない。青い空と緑のピッチと赤く染まったスタンド。井原正巳に当たって入ってしまった小笠原満男のゴール。曽ヶ端準に止められたトゥットのシュート。負けてしまった瞬間の脱力感。
ただまた来年この舞台に立ちたいと強く思えた。試合後余韻に浸りながら、麻布の編集スタジオへ行き、何事もなかったように仕事した。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?