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11月23日(1999)クルヴァの真ん中で

1999年11月23日 J1 2ndステージ第14節 ヴェルディ川崎戦。
11月17日のジェフ市原戦ですっかり心を突き動かされ、残り3試合何とかして浦和レッズを残留させなければと、スタジアムへ向かった。20日駒場でのベルマーレ平塚戦は、今季初の連勝。ベルマーレはこの試合でJ2降格が決定。出島のサポーターから「レッズは残れよ」とエールが送られた。
3日後、チケットをとってくれた今は亡きカメラマンの友人たちと、等々力へ。スタジアムへ着いた時には自由席は超満員。どうしたものかと途方に暮れていると、1人のサポーターに「覚悟があるなら一緒にやらないか?」と声をかけてもらった。ついていった先はアウェイゴール裏のど真ん中。なんでそんな場所に導き入れてくれたのかわからない。目が血走っていたのかもしれない。
そこからは無我夢中で、それまでの人生で最高に声を出し続け、跳ね続けた気がする。
キックオフ直後の永井雄一郎のゴール、岡野雅行の突破から小野伸二のPKで2度先行するが、88分に北澤豪に決められて延長へ。
ギリギリで追いつかれ心が折れかけたが、真後ろで太鼓が響き、水しぶきがかかるトランス状態でチームを鼓舞し続けた。
同点のまま試合を終えた時、その場にへたり込みそうになったが、周りのサポーターたちは「次勝って決めようぜ」いう気持ちになっていた。120分闘い抜いた選手たちを拍手で迎えいれた。中心の人に御礼を言ってスタジアムを後にし、友人たちと武蔵小杉駅近くの店で、その日の体験について語り合った。
レッズの応援にのめり込むきっかけになった出来事だった。

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