きみが二歳になったから今までのログをまとめておこう(生後一ヶ月まで編)


おもにtwitterとぽえむのまとめ。

生まれてから数週間はもうめちゃくちゃだった。腹は切ってて傷は痛いし、生物的に興奮状態だし、さいしょ授乳をさせる方も吸う方もへたくそできみは顔を真っ赤にして空腹を訴えるし、あわあわしどおしだ。

病院の相部屋のおかあさんたちと赤子たちに気を使って、夜中のさむいがらんとした指導室みたいなところで授乳して、うまくいかなくて泣きながら看護師さんにヘルプをもとめてミルクを作ってもらったりして、看護師さんたちはやさしかったなぁ。「これからたくさん思い通りにいかないことあるから、今病院でわたしたちがついているうちに、泣いて助けを求める練習ができてよかったね」って。わたしも生まれたばかりの母親なんだった。あの夜中の冷たい部屋の光はわすれないな。

でも一方で、かなりヒロイックな気分も盛り上がっていて、とにかくこのめちゃくちゃ弱そうで、あんまりまだ人間っぽくない、形さえ不安定な素のままのいのちが自分の手に預けられたんだって、そんな風にも思ってた。

産んだ当日のツイート:このときは産んだというより「手術した」って感じである。

切った腹が痛いヒロイズム:

ささださん:一週間くらい入院してから家に連れて帰って、強く思ったのはささださん(夫)がすごく親に向いてる人だってことだった。それは親になりたいわたしにとってとても心強いことで、この時めばえた信頼感はいまでも揺るぎない。いい人と結婚した。100回くらい言っているけどあと1000回は言う。



不定ないきもの:新生児はまだ人間のかたちにしっかり入っておらず、はみでていろんな動物やものに見えた、というか「いのち」というそのものがそこに生きている感じがした。皮膚もうすくて、声がちいさくて、なんて不完全な形で生まれてくるんだろうとおどろいた。愛情というよりこれは憐憫なんじゃないか。そう思っていた(今も少し思っている)。こんなに弱くて、何も決められない、放っておけば死んでしまう生き物を預けられて、すこしこわごわともしていた。



こどもが生まれたらぜったいポエむに違いないと思っていたのだけど、体験の鮮度が強すぎて、はじめてこどもポエム書いたのは月末だった。


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(一日目に書けなかったポエム)[2016/12/31 04:13:47 pplog より]


生まれて一日目のあなたが
ふたつずつの手足をはばたかせて
ふいに、空を飛ぼうとするので
そこに、あなたのからだの中に
青くかがやく空がみえる

病院のベッドの
疲労と傷の痛みの暗闇でわたしは目を閉じ
あなたのはばたきを反芻する
そうして、おもいだす
わたしの重い体のなかにも空が
わたしだけの青い空があり
わたしにも、はばたきがあったことーー

この夜に
このありふれた誕生の夜に、目を閉じれば
病室の4つのベッド
病棟の無数のベッド
この街の光る窓と眠る窓の一つ一つに
体があり、その中の空があり
数え切れないはばたきが
それぞれの空へとのぼってゆく
(ぱたぱた、ぱたぱた...)

あなたの空、あなたの幼いはばたきが
無数の空の一つに加わり
青く、どこまでも光りながら広がる
あなたが初めてそこにいる
この誕生の夜に

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この調子だとまとめ終わらないが2-3ヶ月目までに続く。

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