球・対・箱

先日、小品ですが『箱には』という新しい音源集を公開しました。新曲が2曲入っておりますので聴いていただけたら幸いであります。
前作『ひとでなしつき』よりも暗いものとなっていると思われます。然るのちに全3曲ともに、ある意味ではキラー・チューンとなっています。しかし根底にあるものは前作からさして変わっていません。
よくわかりませんがそういう感じです。

♦︎ ウユ ・ウフ・クユ
7カポ。歪かつ不揃いな変拍子ギター・ロックです。曲名は、かの有名な小説からとりました。
前奏のブリッジミュートのリフに歌を乗せるところはkamomekamomeのようなポストハードコアのバンドをイメージしています。イントロのテロテロしたフレーズや途中の民族風のギターなど、異国的なかんじを意識しております。ちょっとCOCK ROACHをマネしました。アルペジオが主体なのはもちろん高橋國光が大好きだからです。弾いていてじつに楽しいです。
歌詞はいちばんわかりやすいかと思います。単純にホラーとして見てもらってもそれはそれでよいです。
歌は難しいのでボーカル担当の巳と殴り合いの喧嘩になりました。

♦︎ めくらの獣
5カポ。たしか3月くらいに公開した曲です。一対のギターで編みこんでいくイメージです。
このEPは全体的に異国趣味、無国籍感を意識したものでありまして、特に東欧や中東などの「入り混じった土地」をイメージしてもらえたらと思います。入り組んだギターはケルトやスラブの編み紐模様を意識したものです。一曲目が東欧のカタコンベだとするとこの曲はペルシア〜支那あたりの仄暗い水辺ですな。
曲名は乱歩ですが 異国感、文様感は山尾悠子の幾何学的な文体(たぶん語弊があります)や澁澤龍彦、中井英夫周りの幻想文学をリスペクトしております。
あとは歌詞とツインギターの対称性、シンメトリー感はグリーナウェイのZooという映画をモチーフとしています。

♦︎ 箱には
だいたい1カポ。これまでとは違っていろんな楽器を使っております。これは巳との共通の趣味で フランスのアヴァンポップ、トイポップが好きだというのがあって、玩具の楽器を四つ墓で使ったらどうなるかな という思いつきで作りました。小学校で使ってたピアニカを押入れから引っ張り出してきました
全体的に影響を受けたのはパスカル・コムラードやクリンペライ、レオノール・ブーランジェなどのアヴァンポップ勢(あんまり詳しくないですが)、cranesやHis Name Is Aliveやデッドカンダンスなど女性ボーカルのゴス系バンド、あとは たまや幼虫社、ZABADAKなど趣味の寄せ集めです。後半の轟音パートはシューゲイザーというよりロシアンサークルズやカルト・オブ・ルナなどに憧れた結果です。
この曲は上記2曲よりも北方面、東欧やロシアをイメージしております。そのわりにはイスラエルの歌であるマイム・マイムのメロディを一部そのまま使ってたりします。
自分に映像を作る技量はありませんが、もしこの曲に映像をつけるとしたら東欧風の人形アニメーションにすると思われます。だれか作ってください。

歌詞については詳しく言いません。元ネタを聞かれることもありますが特にこれというものはありません。吉岡実のような散文詩調に憧れたのは確かです。
お時間あればnoteに載せた"箱庭"という短文を読んでくれたらと思います。

♦︎ ジャケットについて
今さら言うのもなんですが絵を描くのは慣れません。毎回 曲を作るよりもジャケットを描くのに苦労します。
上記の異国感のためにケルトやロシア風の紐文様やステンドグラスをイメージしています。目玉、肉、肋骨、角、臓器の管や神経網の類など、躰のパーツは四つ墓にとって大事なモチーフだと思います。歌詞にもそれらがよく出てきますが、命そのものの尊さや慈愛という意味はなく、ただ好きだからです。
ちなみに、巳が本気を出すと私より全然絵が上手いです。むかつくな。

♦︎ 球・対・箱
このEPはこのとおり、球体幻想、シンメトリー、閉塞感(標本趣味)への偏愛を込めました。箱には、おそらくコーネルのような静謐な世界は広がっていないでしょう。中に入っているのはごく小規模なグラン・ギニョ〜ルであったり、あるいはただの鏡一枚かもしれません。続きは君の目で確かめてくれ。

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歌詞など
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