USB-PDを要点だけ解説

PD充電器周りが複雑なので利用者側からみた要点だけのまとめ。
PD充電器は窒化ガリウム(GaN)でアダプタが小型化したので様々な需要が出てきたのでまとまってるとわかりやすいと思いまとめた。


■PowerDelivery(PD)

USBで100Wを流せるようにする統一規格

■PD1.0

  • 2012年規格化

  • コネクタはType-A・Type-B

  • 5V / 12V / 20Vの固定電圧を推奨していた

  • ロールスワップの対応

  • 最大100W

■PD2.0

  • 2014年規格化

  • コネクタはType-A・Type-B・Type-C

  • 5V / 9V / 15V / 20Vの固定電圧

  • 最大100W

■PD3.0

  • 2015年規格化

  • コネクタはType-C

  • 5V / 9V / 15V / 20Vの固定電圧

  • ロールスワップの高速化

  • 最大100W

■PPS

  • 2017年規格化

  • PD3.0のオプション仕様

  • 3.3V~21Vの範囲で電圧の微調整が可能(可変電圧)

  • 最大105W

■PD3.1

  • 2021年規格化

  • 5V / 9V / 15V / 20V / 28V / 36V / 48Vの固定電圧

  • 最大240W

  • 今までの~100Wまでの範囲をSPRと呼ぶ

  • PD3.1からの100W~240Wまでの範囲をEPRと呼ぶ

■中華PD

  • PD3.0をベースに12Vが追加されている

  • 5V / 9V / 12V / 15V / 20Vの固定電圧

  • PD2.0から12Vは必須ではないためオプション扱い

  • PDトリガーなどで12Vが欲しい人は中華PDかPPS(対応トリガー必須)の二択になっている

■QuickCharge(QC)

Qualcommが作った独自規格
一時期PDとQCは併用できない規格で実装によってはケーブルのチップが壊れる可能性があったがQC4以降は整合性がとられている。
QCの細かい規格が他にもあるがよく分からなかったので割愛

■QC2.0

  • 2014年発表

  • コネクタがType-A

  • 5V / 9V / 12V / 20V

■QC3

  • 2015年発表

  • コネクタがType-A

  • 3.6V~20Vの範囲で電圧の微調整が可能(可変電圧)

■QC4

  • 2016年発表

  • コネクタがType-C

  • PD3+PPSと互換性がある(PD準拠)

  • 下位のQCとの互換性が低い(5V低速充電になる)

■QC4+

  • 2017年発表

  • コネクタがType-C

  • PD3+PPSと互換性がある(PD規格違反)

  • 下位のQCとの互換性が高い


■60Wと100Wで対応ケーブルが違う理由

最大3Aと5Aを流すかどうかの違い
消費電力ではなく流す電流(アンペア)でケーブルの耐久性を高める必要があるため。
細いケーブルに大きな電流を流すと電圧や消費電力が低くてもケーブルが燃えます。
それを防ぐためにeMarkerと呼ばれるチップがケーブルに入っています。
eMarkerが流せる電流の情報を持っていてそれによって60W対応か100W対応が決まります。

100W流すトリガーコネクタがあったときにトリガーコネクタがeMarkerを見てなければ5A流してしまうのでケーブルは燃えます。


■リンク
USB-PD充電器をACアダプタとして使ってみたい人向けにまとめを作成しました


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使っている充電器やケーブルの仕様をしらべるのに役に立ちます。
その中でもオススメなのが ALIENTEK UT70 という機種です。
PD3.1 140Wまで対応しています。

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