見出し画像

行き先が見えない

このnoteを使ってみようと思ったのはいつのことだったか。
ちょっと元気な後期高齢者の夫と旅行をするのが面白くて、でもやっぱり高齢なのでそれなりにトラブルがあって。私が体験したことが誰かのお役に立てたら、なんて考えて登録したのに。何も書き出すことなく世界あちらこちらでロックダウンがはじまった。

2020年の6月。私たちはイタリアに行く計画をしていた。迫る日程。広がる感染。2020年の3月に泣く泣くキャンセルをした。そして私は派遣社員から正職員になったのだった。

ちょっと元気な後期高齢者だけども、いつまで一緒に居られるのかはわからない。だったら一緒に旅行を楽しもう!!!と考え、何年か前から私は6ヶ月ほど派遣社員で働いて1ヶ月休んで旅行に行くスタイルに変更した。誰にも気兼ねなく1ヶ月休むのは正職員では無理だから。

2020年の5月末で派遣満了となる予定だったが、3月に看護部長から正職員で働くのはどうかと打診された。派遣会社に相談すると、感染拡大で留学が中止になった人も多く、私が希望するエリアで新たな勤務先を選ぶのは難しいかもとの返答があり、就職することとなった。

そしてその2020年5月。夫に舌下腺癌が見つかり手術、放射線治療という闘病生活が始まったのだ。
当時の師長には沢山の配慮をしていただき感謝のことばしかない。
その後私は希望の部署に異動になったのだが、平日に休みを取ることが難しく、夫の受診に付き添えない。夫一人で受診は出来るが、やはり私は医師から話しを聞きたい。
土日祝日はフルで働けるので平日休みが取れる部署に異動をしたいと希望を出したものの、半年経っても移動にならず、2022年12月末で退職した。

退職前は退職することだけが目標だった。
早く退職したい。もう疲れた。早くゆっくりしたい。

ところが退職後、何をして良いのかわからない。
本を読みたい、ソーイングもしたい。放置してしまったハワイアンキルトもしたい。英語の勉強もしたい。溜まっている仕事もある。
だけど、体が動かない。何よりも心が動かない。
この先どうしたら良いのかもわからなくなってきた。
ひとつひとつ目の前のことを片付ける気力が無くなっていることに気づいた。

行き先が見えないのだ。

思っている以上に疲れているのかもしれない。


そうだ。旅行に行こう。
それから、また走りだそう。


#旅行 #後期高齢者 #舌下腺癌 #退職  





この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?