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なぜ【never young beach】が好きか分からない。

そう。分からない。

私のプレイリストに初めて入れた曲は「いつも雨」。
存在は前から知っていて、聴いたこともあったけれど、
プレイリストに入れるほど好きではなかった。


むしろ苦手だった。

「ロックが好きです。よく聴くバンドは never young beach です。」
って自己紹介する人のことも。なぜか意固地に。


ネバヤン、というか、安倍勇磨を初めて聴いた曲は
0655「尾道の渡し船

きらきらと光る海の上を、かわいい船が行ったり来たりする映像に癒されるお気に入りの時間だった。

曲よりは映像が好きだった。かもしれない。


そこからなぜ never young beach を好きになったかが分からない。
なぜプレイリストに入れるようになったのかが分からない。


私はもともとハキハキしたリズムや軽やかな歌声が好きだ。
後味がさっぱりして、のどごしが良い。
きっと醤油よりポン酢が好きなのと同じで。

それに対してネバヤンはバターのよう。私にはまろやかすぎた。
水で洗い流したくなるようなボーカルとコーラス。


サイダーのように言葉が湧き上がる」を知るまでは。

泡のように弾けるカッティング
じっとり心地よく汗ばむ肌のようなボーカル

あれ?なんだか爽快だぞ?


それからは
・「あまり行かない喫茶店で
・「明るい未来
・「夏のドキドキ
・「気持ちいい風が吹いたんです
をプレイリストに追加し、繰り返し聴いた。回した。
扇風機のはねのように。


それでも変わらず、なぜ never young beach が好きか分からない。
聴き続けているのは「『彼らが』好きだから」というよりは、
「『好きな曲が』あるから。」

「好きなバンドは never young beach です。」と言うには不十分すぎる。


それでもなぜか、彼らと共に過ごす夏は嫌いじゃない。
それどころか、好きになってあげてもいい。
好きです、はい。

東京のアスファルトを泳いでコンクリートを登ってきた私にとって
彼らが連れてくる夏は文字通りオアシスかもしれない。

彼らのジャケット写真だってそうだ。
あんな熱く涼しい瞬間を懐かしむことができるなんて。

彼らの曲を聴きながら湘南を車で走ってサーフィンをして、
夜にはギター1本で彼らの歌を歌う。

そんな青春を過ごすことができたなら。
そんな妄想が広がるだけで。


なぜ never young beach が好きか分からない。

ただ彼らの曲が駆り立てる妄想が大好きなだけかもしれない。




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