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歯の生え方と食事②(全3回)【乳幼児期】

1歳前後になると、上下4本ずつ前歯がそろい、その後初めての臼歯(奥歯)が生えてきます。
まだ歯は生えそろっていないので、スムーズに食べられるものには限られますが、この時期だからこそのステップアップがあります。

歯ぐきの”土手”を確認しよう

前歯が生えてきたあとは、奥歯の生える準備が進みます。
歯はまだ生えていなくても、奥の歯ぐきは盛り上がり、しっかりとした“土手”ができてきます! 
これは奥歯の歯ぐきで食べ物を潰す準備が整ってきたことでもあります。

奥の歯ぐきが盛り上がってくる!
触ってみるとよくわかります

この時期に経験したいのは、「前歯でかじり取った食べ物を、奥歯に運んで噛む」という動き。
この動きが必要な食べ物を経験すると、舌は食べ物を奥歯部分に「乗せて」「噛み潰す」ための左右の動きをマスターします👍

この動きを促すには、ドロドロ状ではなく、パン、卵焼き、ハンバーグ、野菜の煮物のような、潰しやすい固形物が必要です。

薄味にして
大人も子供も同じものを食べよう

細かくしすぎない

この時期の歯の状況では「すりつぶす」機能はまだ不十分ですが、「噛んで潰す」ことはできるようになります。

この時期に、食品を細かくしすぎると、奥歯の歯ぐきに乗せにくいので、潰す動きが経験しにくくなります。
食品にもよりますが、潰せる程度には大きさを残すことや、大きいものをかじり取って食べるようにさせると、自然と噛む動きを引き出しやすいです。

かじりとりゲームをやってみよう!

前歯はそろっているので、「かじり取り」の楽しい練習方法をご紹介します🤗

かじり取りゲーム」は、細長い形状の食品で、一口分くらいのところを指でガイドしてかじり取りをする遊びです。
一口より小さくなったら、その半分でかじり取り、さらにその半分でかじり取り…と、どんどん小さくなっていくのをどこまでかじり取れるかな?と言いながら限界まで繰り返していきましょう。

かじり取るときに歯で引きちぎらせず、くちびるで”んむっ”と食べ物を押し返す動きを待つようにするのがポイントです。

この遊びは、色々な食品でできますが、1歳頃ならスティックパンや細長く切った食パンが使いやすいですよ。やわらかすぎると簡単にちぎれてしまうので、唇の動きは出にくいかもしれません。

口から出せたら God Job!

口にいれた量が多すぎた場合には、自分で「口から出せる」ことも大切です。

口いっぱいに頬張った状態で噛もうとすると、口から食べ物が出てくるのは当然です。これを無理して出さないようにすると、どんどん喉に送り込み、丸飲みしてしまいます。

入れすぎたら無理せず口から出そう

窒息の防止、そして噛む練習のためにも、口に入れすぎた時は無理して処理させず、適切な量を残して入れすぎた分を口から出させてあげるよう促すことが大切です。
そうして徐々に一口量を覚えていけるといいですね!

まとめ

噛んで潰す必要がある食べ物に出会ったとき、はじめは戸惑うかもしれません。しかし、食べられるもの、食べやすいものばかり出しているとせっかくの機能を使う機会が作れません。「ちょっとかたいかな」「まだ残してしまうかな」と思うものも、工夫して経験させてあげましょう。
同じように促しても動きの出方はそれぞれです。焦らなくて大丈夫です。

上手な食べ方の練習期間として、大切な時期です。
大人はしっかりと育てる機会を提供して、食べられるお口を育てていきたいですね!

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最後まで読んでいただきありがとうございました。
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