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日記 3/26-4/17 まあ春だし爆音喫茶ひまわり

3/26
 雨の赤羽。ここは変な街だ。まだ15時前なのに連なる居酒屋は夜のような賑わいで、濡れたアスファルトには傘が逆さに開いたまま転がっていたりし、店先の排気口からもくもくと白い煙が漂い、その隣は新しいマンションだったりする。早く用事が終わりカフェへ。ここはバーでもあり以前飲みにきたことがある。入ると雨足の強いせいか客は誰もいない。店主らしき人は「おそれいりますが」を体現化したような姿勢で、前もこんな感じだったと思い出す。大きなマグカップになみなみとブレンドが入っている。こういうサイズの陶器のマグカップが欲しい。250mlは入るくらいの。『イリノイ遠景近景』を読む。下北沢のB&Bで買って少し読んで積んでいた。小窓と僅かに空いた扉から見える外は雨が降り続いて一面が白っぽい。道路の向こうも飲み屋で談笑している男性が動く様子がチラチラと見える。カッパを着ながら自転車を漕ぐ人、傘をさしながら足早に歩く人、時々横切る車が水を切る音を立てる。今日は寒い。真冬の芯から冷える雨とは違って蒸し蒸しとしていた。桜が見頃なのにすっきりしない天気が続く。アメリカの天使島で収容されていた中国人移民の話、ドイツ人のふりをしたユダヤ人青年の話を読む。ジャズが流れる。時折食器を洗うカチャカチャした小さな音。普段とは違う光景と本の中の異国の空気がリンクするような不思議な時間だった。

3/27
 夜YouTubeを開くと東海オンエアの新しい動画があがってない。今日月曜!?と毎週びっくりする。がっっっかり。

3/29
 朝川沿いの道を自転車で走っていた。春らしい陽気。菜の花が広がり桜が舞う。気持ちいいなと思いながら歩道橋を渡るため自転車から降りて押していた。すると前に身体の小さな上下赤のジャージを着た男性が見えた。サドルに跨ったまま片足ずつ蹴って進む姿が少し変わっていて、動作的に子供なのかと思ったら中年であった。まあ春だし。そういう人もいるか。男性と私との間には少し距離があった。男性の怒鳴り声のようなものが聞こえた気がする。独り言?それとも誰かと話してる?まあ春だし。左手には富士山が綺麗に見える。歩道橋の上から下を見ると男性がランナーの女性を追いかけて怒鳴っている。知り合い?話してるだけ???自転車に跨り下り坂をシャーッと進む。彼らに近づいたところで男性が女性の左腕をグーで殴った。ただならぬ雰囲気である。同時に前方から夫婦らしき2人組が自転車に乗って近づいていて、その女性が大声を立てた。うまく聞こえなかったが「だからと言って暴力をふるっていいわけないですよねえ!?!?!?!」「ここは~用の道路で~なんだから!!!」「殴ったの私見てましたよ!!!!!」すごい剣幕と正義感だ。どうしよう。私も殴ったのを見ていた。警察に通報すべき?どうしよう。私はそのまま他の通行人と同様に横を通り抜けてしまった。私は通報するべきだったか?

4/1
 春!通り越して汗ばむくらい暑い。表参道には青学の入学式だったのか親子連れがちらほら。撮影1件。ねぎしは階段下まで並んでいた。前みどりちゃんがねぎしに並ぶ人なんていないって上野のねぎしで言ってたけど、表参道のねぎしはやっぱりホスピタリティが他より良いのでは?
 洗濯物も干してきたし気持ちいい陽気だし御茶ノ水まで移動。駅の出口案内見てたらニコライ堂が載ってて中学の時社会科見学で来てハプニングだらけだったことを思い出して懐かしかった。爆音ジャズ喫茶へ。ほんとにガチで爆音で頼むとき大きな声だして店員さんも耳傾けてくれる感じでカオスだった。青いつるんとしたお皿に載った赤いケチャップライスが半分に減る頃にはこの音量に慣れてしまった。真横を選挙カーが通ったのに何も聞こえないのが最高だった。外から白い日差しが入り込む。店内にはランプがいくつか灯されているだけで暗い。誰も喋らない。喋っても聞こえない。曲と曲の間にレコードを変えるタイミングだけ無音が広がる。
 たぶんご夫婦でやっているお店なのだがご主人しかいない。1人で回すの大変そう。キビキビ皿を片付けコーヒーを淹れ運んで、レコード変えて。それで満席で、さっと席を立った人がいて自分も頃合いを見て帰ろうと思ったのだけど、オーダーが3組待ちで、会計の手間をとらせるより待ってた方がいいのか?と様子を見て、また他のお客さんがきたら更にオーダーが入っちゃうし。するとまたお客さんがきて、見えない奥にまた席があって、そこに座られたのだけど、やっぱり帰ろうと思って帰った。
 発言が尖っていて、でも正論を言っている人だったから、どんな感じの人なんだろうと思ってたけど、すごく普通の人だった。本屋さんの店員みたいな。

4/2
 お昼 冷凍うどんでナポリタン、じゃがいもとひき肉の炒め物。晩御飯。ピーマンツナマヨ、鳥ささみ大葉チーズ焼き、アスパラ舞茸炒め、白身魚酒蒸し、キャベツと卵の味噌汁。余りはお弁当へ。
 スーパーでスパムを買おうとしたら728円で高すぎて買うのやめた。ありえないよね?それに普段少量のお刺身が298円とかで売ってるんだけど今日は598円の多めのしかなくて諦めた。なんなの…スパムの平均価格が分からずネットで調べたけど728円は高い。今日は会計が3,800円くらいだった。これくらいなら全然良いと思う。
 僕のマリさんの日記本が届いた。こういうのを待ってたんだよ〜という気持ち。
 昨日話した人が最高な世間話をしてくれて熱かった。毒にも薬にもならない話題って難しい。返すのも難しくて、大変でしたね→驚きを共感、でも〇〇で良かったですね→ポジティブな方向、という感じだった。これは…世間話レベルの中でも高難度ではなかっただろうか。普通の人って普通に特に考えもなくサラッと喋れるのかしら。この人すごいな〜と思いながら、今の会話記録しなきゃと思っていた。

4/8
 昨日『老人ホームで死ぬほどモテたい』を読んだ。短歌って高尚というか洒落ているというか、読む側に知識や洞察力があるとより楽しめるものなのかも。解説を読んで、これはこういう意味だったんだ〜と納得したり。私は読むのに慣れてないからこの音のリズムがいいなとだけ思ったり。有名な「お父さんお元気ですかフィリピンの女の乳首は何色ですか」は頭に残る。くどうれいんの歌集を読んだりして短歌は面白そうだと思うけど、なかなか自分では言葉遊びが難しくて、ポエムか呪いみたいになってしまう。
 新宿御苑前で用事。16時頃終わり外へ出ると雨がポツポツ降り出した。江古田へ。同心房が貸切で新歓ぽい人がお店の前に20人くらいいた。お菓子と麦酒で去年展示の時撮影させてもらった方と偶然遭遇。撮ってもらった写真周りからすごく評判良くて〜と言ってくださって…世間話スキル高すぎてびっくりした。すごい…1年も前のことなのに、パッとでてくるなんて、しかも褒めてくれるなんて、すごい…。すごすぎ。私はあわあわもごもごするだけだった。御茶ノ水へ。夜1人ででかけることは滅多にないが、今日あったことを今日あったこととするには荷が重すぎるというか、他の行動いれないとと思ってふらふら。地下鉄駅からでると雨が降り始めて小走りで向かう。今は坂本美雨の『ただ、一緒に生きている』を読んでる。去年の夏に青山ブックセンターで買って積んでて、坂本龍一の訃報で思い出した。お店は夜空いてるとSNSに書いてあった通り気付くとお客さんは私1人。夜もお店は暗くてランプの光にページを照らしながら読んだ。お会計のときに「財布めっちゃ小さいですね」と言われ、この人喋るんや?という驚き(客に世間話したりするんだ、という意味)で脳の95%くらいがいっぱいになり、財布めっちゃ小さいに何を返せばいいのか真っ白で「そうなんですよ、三つ折りで」と言ったものの、正解だったのか?三つ折り財布について3,000字書けと言われたら簡単だけど20字くらいで返せというのは私には難しい。しかも正解もなく意味もなくて良いなんて。私がこの三つ折り財布について思うことはたくさんあるのに。少し前パン屋さんに「寒くなってきちゃったね」と話しかけられたときと同じ。こんな風に1日に誰かといくつか言葉を交わせるのは精神衛生上とても良いことだなと思った。今日は5人。お店をでると雨は止んでいた。地面は濡れて空気はしっとりし建物からの白い光がそれを照らしていて綺麗だった。年下の異性から財布めっちゃ小さいですねと言われた時の返し最適解について考えていると丸の内線で逆方向に乗っていた。

4/9
 晴れ。朝一でビックカメラから荷物。ピンポンでて再びゴロゴロ。洗濯して掃除してたら郵便局もきて荷物整理。お昼辛ラーメン。おやつに昨日瑞希さんからもらったクッキー。お弁当のおかずと晩御飯→おくらベーコン巻き、ポテトサラダ、買ってきたお刺身、なめこと豆腐の味噌汁、ニラ卵焼き、豚こまごぼう人参甘辛炒め。ポテトサラダって作った方が美味しいけど手間を考えると面倒くさい。じゃがいもつぶす時点で面倒。何でこんなことやってるんだろうと思う。ホホホ座から本が届く。『世の人』マリヲ、『じたばたするもの』大阿久佳乃
4/11
 仕事帰りドラッグストアへ。3〜4人レジに並んでいる。おばあさんがすっと抜かしてレジにカゴを置いた。そこまでするほど並びたくないなら良いけどな〜と思った。おばあさんは抜かす前に店員さんに何でこんなに混んでるの?みたいに言ってたから並んでることは分かっていたと思う。もしその場にいた全員が「別にいいけど」と思っていたら、おばあさんは割り込みをしても良いはず。店員さんが「お客様」「お客様」「みなさん並んでいますので」と言った。やっぱり店員さんは正誤をつけなければいけないというか、注意しないと何で注意しないんだと他の人に怒られるかもしれないから言うのだろう。でも皆がどう思っているかは分からない。社会のルールとして割り込みをいけない。でも私が並ぶ労力とおばあさんが並ぶ労力は同一ではない。子連れの人や年配の方に席を譲るのは社会ルールとして正しいけど、レジで並んでいた場合譲るのはダメ。

4/12
 冷凍していた鮭をフライパンで美味く焼けた。

4/13
 人と電話で数十分喋っていた。世間話、雑談、噂話。結婚などの個人的な話を聞いてしまった後に一般的な結婚は?の問いかけをされ、自分が全然そんな次元の人間ではないと説明できなかったけど、やっぱりそういうの当たり前なんだなと思った。

4/14
 今日は別の人と1時間弱喋っていた。

4/15
 雨。頭が痛いから熱測ったら34.7だった。なのに熱っぽく暑いが外は寒そう。暖房もこたつもつけたり消したり。夜湯船に浸かったら1度くらい体温が上がった。お昼冷凍うどん。晩御飯帆立と小松菜炒め、厚揚げ豆腐焼いて大葉としらすのせ。バファリン飲んで落ち着いた頃には21時。もっと早くに薬を飲むべきだと思うけど多分頭が回らず判断できない。今週は体調が優れず早く寝る→耳鳴りで起きる→朝まで浅く寝るみたいな感じで今日も5時くらいから1時間くらい起きて二度寝して色んな変な夢を見た。
 僕のマリ『清潔な寝床』読了。

  高校生の頃、学校が終わると急いで帰り地元で中学の友達と会うことが多かった。今思い返すと何を話していたのかよく分からないが毎日のように会っていた。モスバーガーで何かを食べたり、スーパーのフリースペースにいたり、テスト前は遠くの図書館まで自転車を飛ばして勉強しに行っていた。図書館は郊外にあるだだっ広い立派な建物で国道沿いの交通量の多い道をひたすら走った先、何にもない田んぼのあぜ道を時に泥に足をとられながら走る。図書館は20時までで閉館までいただろうか。友達と一緒だったから行き帰りの時間はあっという間だった。そんな風にあの頃はいくらでも人と喋れたのに今はできる気がしない。
 今の私は人と話すのを苦手だと感じているが、小中高大とクラス内で一人ぼっちになるとかグループに属せないことはなかった。なにかでペアを作れと言われれば作れて、一人になった人が先生と組んだりするのを可哀そうだと思うような見下すような気持ちを持っていた。今だったら多分ハブになっていたのではないかと思う。むしろ何故あの頃は友達がいたのか不思議だ。あの時も、あの子とも、自分にも、色んな問題があったのに。
 中学生の頃ハブられた女の子がいた。小学生の頃は運動神経抜群でスポーツ少女といった感じで溌溂として昼休みは男子と外でドッチボールをするような子だった。思春期のせいか男子は女子と遊ばなくなりその子は自然に一人になっていった。きっかけは彼女が癖毛であることだったと思う。それを男子がからかった。当時癖毛の子は縮毛矯正をするのが流行っていて、癖毛のままでいる子は少なかった。それでその子は縮毛矯正をかけたのだけど状況は変わらなかった。ひまわりみたいな子だったのに真っすぐな髪の毛を手に入れても困り顔のままである。中学3年生のときだった。その子は学校にあまりこれなくなり一時期保健室登校をしていた。ある日担任の先生が私達に彼女のために保健室へ給食を一緒に食べに行ってくれないかと言ってきた。その週は何人かがローテーションで行くらしい。私は当時3人グループで3人とも別にいいですけど...と言った感じで食べに行った。先生がわざわざそう言うなら可哀そうだし1回だけなら。妙に気を遣った会話が続いた。数学の先生の物まねをした気がする。あの時数学の先生がネタになったとは覚えているが先生の名前は思い出せない。それでまあ表面上楽しい食事が終わった。なんだか妙な気がしたものだ。対等な立場のクラスメイトと「喋ってあげる」みたいなことをするのが。その週が終わるとあるグループが彼女をグループに入れてもいいというような話にまとまったようで、彼女は教室に登校するようになった。
 その後、ある夏休みに軽井沢のトイレで彼女と偶然遭遇した。私は母親とおり彼女は多分学校にうまくいけない子たちの集まりみたいなので来ていたようだった。久しぶり、と言葉を交わした。ひまわりみたいではなかった。

4/16
 7時半頃起きる。洗濯干し。お昼ラーメン。スーパーへ買い出し。強い日差しが照りつけて暑い。3時過ぎに土砂降りの雨。晩ご飯。そら豆を炒めたもの、かぶの生姜煮、買ってきた味付きプルゴギ焼肉。過食モードが落ち着いたのかお菓子爆食いする食欲はなくなった。それはそれで不安。

4/17
 変な夢を見た。私は中学の友達と一緒にいる。そこは新しい都市のようで(大阪の夢洲イメージ?)不思議な空間。友達Oの実家お寿司屋さんへ行く。戸袋のような狭い入口に横になってぎゅうぎゅうになりながらお店へ入る。店内には白い布団のようなものが広がっていて、ふわふわの上に座り、お寿司がでてくる。Oと話していると、彼女の旦那さんと私の旦那の名前が似ているという話になり、私は「(あだ名は)〇〇って呼んでる」と答えるのだけど、『私って旦那さんいたんだ。忘れてた』と思う。携帯に旦那さんから連絡が入り「今日も帰ってこないんですか?」とあり今日こそ帰らないと、と思う。既に深夜だが街は煌びやかでネオンが輝く。面倒なので迎えにきてくれないかと思うも後ろめたさから頼みにくい。旦那さんは議員か何からしく「〇〇先生(政治家)に~してもらいましたが~」と続いていて、私の旦那さんって議員だったんだと思う。その都市の新開発事業はOが手掛けているらしく街を偵察する。こんな都市を作っちゃうなんて本当すごいな~と思う。

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