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日記 5/6-5/20 GWと発光しましょう

5/6
 久々にスタバでコールドブリュー頼んだら今ってプラカップじゃなくて紙カップなんだ。見た目であの涼しさがないの不慣れ。
5/7
 GW中ずっと早い時間に起きてた。昨日ランチのコース最後にでてきたバニラアイスが美味しかったのが忘れられず冷凍庫の中で化石化したハーゲンダッツを食べたけど霜の味がした。
5/12
 晴れ。秋葉原。ビジネスマンと観光客が行き交う。私の秋葉原のイメージは加藤の事件の印象から更新されていないのだが、偏見がそう見せるのかオタクっぽい人と数人すれ違う。ふくよかでメガネで一人。普段あまり見ないのでほう…と思う。それと警察官が2人組、3人組で歩いていたのが珍しかった。散歩のように見えるパトロールなのだろうか?なにか取り締まってるわけでもない。予定まで時間がありセブンでRRCさんのネットプリントを出力。ネットプリントって独特の楽しさがある。手紙を読むような。
 新橋で現像受け取り。またあのおじいちゃんが置物のように座っていたが近付いたら私のネガだしてくれた。4本も頼んだのが珍しいのかそもそも客があまりこないのか…。また向かいの喫茶店に行った。この日はこの前ホールを回していたテノール歌手みたいな男性がカウンターにいた。やっぱり常連さんが多いのかいつものじゃなくて?今日はさっぱりしたいのよ〜とかいう会話が交わされていた。銀座のママ風の着物の女性がiPhoneとタバコだけ持って喫煙室に出たり入ったり。
 慣れないことをすると疲れる。帰宅。
5/17
 西加奈子『夜が明ける』読了。西加奈子がこんな終わらせ方をするなんて意外。主人公は作中いくつかのハラスメントを受けているんだけど、泥に足をとられてしまったかのように抜け出せない。異常と正常の境目が見分けられない。異常だとしてそれがだからどうした?貧困も鎖の一つ。
5/20
 お昼に家を出ると地面が濡れている。雨が少しパラついていたけど晴れる予報を信じて戻らなかった。四ツ谷で乗り換える時には晴れ。新宿へ。緊張もなくぼんやりとこの日が待っている状態から脱せられるという感覚だけ。自分の人生において重大な日となるだろう、そう思っていた。白黒つけたら黒だろうからグレーにしておいた事柄が…白でした。それはそれで………。そう…そう言われれば私は普通…働いて…自活して…普通…。学校を不登校になったこともなければハブられたこともなく部活を辞めることもなくバイトもしてたし…それはそう。なら…何故…こんななのだろう。そういえば免許だって持ってるし。みなさん…私は普通の人だったらしいですよ…。
 江古田へ避難!!おしゃべりしたら気が紛れた。ビールも飲んでふわふわ帰路へ。1人になるとやっぱり解せぬ…という気持ちになりスタバでラテをテイクアウトして頭を冷やしながら考える…。
 たまにいる変なおじさんの話になって、まあたまになら…(相手できるけど)と言ったら、ワクチンみたいなもの、たまに打っておけば抗体ができると言われ面白かった。確かに!
 帰ってから小説すばるに掲載された小原晩さんの小説『発光しましょう』を読む。小原さんは唐揚げ本でもそうだったが情景を描くのが上手。あの唐揚げ弁当を抱えて遮二無二走ったという記述は自分がその風を切ったように感じる。この話は今の日本の、東京の、新宿の空気感。バーニラ♪と続く音楽を私は知っている。そのトラックを見たことがある。物語の主人公ーさきちゃんもそうだったはずだ。いつもの街並み、赤信号、うるさいトラック。いつものバーニラをそのとき聞き取ったのは彼女がいつもと同じではなかったから。あるものを抱えていた。そしてするりと入った世界。真夏という女の子がでてくる。この子は普通でなんなら上手くいっている、そつなくこなしているのに、近い未来消えてしまう空気を最初から纏っている。さきちゃんが入浴剤を花瓶に「あらよっと」放り込んでいる間に真夏は何を溜め込んでいたのだろう。誰にも何にも分かるはずないのだ。真夏の気持ちもさきちゃんのそれも。
 物語は大きな事件が起きるとか分かりやすいストーリーではないと思うのだけど、何でもない普通に普通じゃないものがいつも蠢いていて、時々苦しくて、真夏の言葉通り過ごしていれば良いはずなのに、蠢くものが顔を出して、本当は、本当は、と自分の気持ちが溢れてくる。それは大切な人との思い出、決して美しくない、どころか真っ当ではないようなー一体何が真っ当なのかも分からないけどー歪で、思い出す必要もない記憶が、何故か消えないそれが、彼女を正気にさせる。さきは真夏と同じ道には進まなかった。その希望の一片が私の心に残った。

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