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花火って珈琲豆の名前 7/15-8/11

7/15
 何故電車をよく乗り間違えるかというと、引っ越してからいまだに方向が感覚として身についていないからだ。元々家はJRだったし大学は池袋へ向かい西武池袋線で下るだけで、帰りは池袋から離れる方に乗ればいいだけだった。今は電車にあまり乗らないが表参道へ行くことが最も多く、でもまだ表参道までの各駅の名前は順番通り覚えていない。たまに乗る丸の内線は特に難しく、新宿方面と逆が池袋って意味わからんのよ。2人は一緒じゃん。池袋方面?ああ都(みやこ)じゃん、ほな逆だわと乗ると新宿行きでエッ!!となるのである。そんで……別にどっちに乗っても帰れるんだよね。不思議だね〜。
 撮影2件。久しぶりなのと暑さでめちゃ疲れた。靴擦れが痛いとは思いつつ帰って足の裏を見たら…史上最悪の状態だった。これは包帯だと思い足を引きずりながらコンビニへ行くも包帯置いておらず、ドラッグストアまでは歩けない。仕方ないので消毒液と絆創膏を2箱買い帰宅。こんなことになるなんて……明日もあるのに……。
 大葉と塩昆布のポテトサラダ、帆立とアスパラガス炒め、豆苗豚肉巻きポン酢。もう何もやる気せず。
僕のマリ『すべてあたたかい海』読了。

7/16
 表参道で撮影3件。合間にマツキヨで包帯と大きい絆創膏買って安心。ヨボヨボになりながら花を買い帰宅。途中暑くて自販機でウィルキンソン買って蓋開けたら炭酸が逆流してこぼれた。人といたからまだ笑えたけど一人だったら虚しい。
 左足をかばって歩くせいで左太ももがバリバリに硬い。靴下には血が滲む。大変なことだ。
 豚肉茄子炒め、しいたけと豆腐のスープ。冷蔵庫にはたくさん食材があるけれど歩くことを避けたいので料理する気にもならない。

7/17
 足痛い。足の裏の皮がめくれてしまって、グロテスクだからあまり見ないようにしている。その部分は絆創膏を貼り包帯を巻くことで直接的な刺激は和らいでいるんだけど…足に体重をのせにくい。関節に痛みが響く。おそるおそるゆっくり動き、イテ、イテ、の繰り返し。左のふくらはぎがガチガチ。なんだろうこの感覚。スノボの翌日の筋肉痛のような。歩こうとするとビリッと痛い。それでも歩かないとしょうがない。どの姿勢が楽なのかコツを掴めないまま1日を終える。座っていれば何ともない。土日で合わせて25,000歩弱歩いていて、靴擦れしてなくてもそら足痛めるだろう。

7/20
 普通に歩けるようになった。マッサージとか行こうと思ってたけど時間を作れず。
 この前信号待ちしているときに、急に巨峰を食べようと思った。この暑さ、冷やした巨峰、美味しそう。久々に食べよう。なにもシャインマスカットを食べたいなんて思ってないし。果物売り場に行くと手のひらくらいの大きさで500円くらいし、サッと興奮が冷めて買わなかった。こんな小さいのに?たったこれだけで?え?じゃあ普通にフルーツタルトとか買えるじゃん?諦めた。

7/21
 恵比寿で用事。今日も白黒つける事柄が白だった。はて…。なかよしで土鍋ご飯食べようと思ったがお昼時でいっぱいで、ふらふら彷徨った結果都写美のカフェなら空いてそうと思い出し行ってみたら入れた。品川で撮影。
今日のミラクル。



7/22
 買い出しに行っていないので冷蔵庫にあるものを片付け。パプリカの焼きマリネ、鶏モモカレー粉焼き、ジャーマンポテト、コンポタ(紙パックで売ってるやつ)。

7/23
 買い出しにも行ったしクリーニングもだした。枝豆ひじき炊き込みご飯、ピーマンの肉詰め、ベーコンしいたけ卵スープ、パクチーサラダ菜エビサラダ。パクチーって初めて買ってみたけどあんま好きじゃなかった。すき焼きとか外食したい。晩ご飯の外食って本当最後に行ったのいつだか…。
 私の心配事のいくつかはお金で解決する。ただ自分にお金をかける価値を持っていないため実行されにくい。自分のために恵比寿へわざわざ行くなんて時間も電車賃ももったいない。そもそも恵比寿、馴染みがない。その日はたまたま撮影を入れられたので何とか外にでることができたけれど、撮影がなかったりそこが予約制じゃなかったら、私は布団にもぐったままだったかもしれない。そうした一歩が、ーたとえ恵比寿のオフィス街のランチ時間に当たってしまったとしてもー、ーアトレのレストランフロアで棒立ちしてしまってもー、どうにか前に進んでいるのだ。やってみれば大したことはない。というよりむしろ何故何年も悩んでいるのだ?とりあえずやってみた方が楽な気がする。

7/27
 久々にあの子の名前を検索した。最近Twitterのアカウントは消したまま作っていないようだ。インスタとnote。noteは更新していなくてインスタはつまんない写真で溢れていた。お前の写真、くそつまんねえな。もっと面白いこと考えてんのによ。やっぱりTwitterの方が得意だと思う。でもだからやめたのかもしれない。Twitterで鬱々と難しいことわめいて自分の個人情報晒してる感じ、あの頃が一番面白かった。どんどん難しいこと考えて考えて、勉強して、勉強したら何か掴めると思った?襟ぐり掴んで問い質したい。
 私は多摩川より荒川の方が身近だし世田谷区とか川崎市とか縁がない。「けっ」っていうより「かっ」の方が気持ちとしては近いんだけどとにかくそう言いたいような印象。はいはい、っていう。多摩川のがおしゃれ。あーはい、カレーはスパイスから作るのねみたいな。そういうありきたりな部分、だいたい通っている気がする。そういうサブカルチャーの証みたいな、自転車のことバイクっていう、みたいな。カスタム、はあ。それで結局世田谷区から少し北の武蔵野市に一時住んで、今はさらに北の街に住んでいる。あの、私の好きな街にある1Kの古いアパート。家の整理整頓のコツみたいなこと、散らかった自分の部屋を見てたまに思い出すけど、思い出すだけでいつも終わる。
 私は多分自分が選べなかった人生の経緯を知りたい。もっと勉強したかったというと聞こえがいいけど、勉強はしたい/したくないと、できる/できないがあって、私はできなかった。あの時もしも違う道を選んでいたら。勉強がしたかったのかもしれないしモラトリアムを延長したかったのかもしれない。仮定した場合、その後の人生で非正規で働いて安アパートで1人で寝起きするみたいなのはやっぱり選べない。だから今の選択は合っていたといえば合っていた。できないことが多い。オートロックではないモニター付きのインターホンではない2階以上ではない部屋には住みたくない、ユニットバスもいやタバコは吸わない、酒も飲まない、大音量のクラブには行けない、DJに興味ない、将来への不安を抱えきれない少しでも安心したい。「できない」は「やらない」のかもしれないけど、できない。だから今だに―10年以上―鬱屈としている生き様を液晶越しに見ながら、これで良かったんだとは思う。でもそっちの選択で正解してほしい。わかりやすく大成功してほしい。だってその選択ができるのは電車に数時間揺られて着く距離の地方都市に実家があるからなんじゃないの。穿った見方かもしれないけど、それも羨ましい。いざとなったら帰れる場所がある、本当は帰りたい、でも帰りたくない、トウキョウで死ぬんだって、数十年後の未来でもそう言える?「会社員として9時5時で働くなんて自分には無理」って言えるのがかっこいい。それ以外の方法を選べなかった。だってそれが自分にとって唯一の手段だと思ってた。何故ならこういう未来になるって予想してたから。学校に通えてたんだから朝起きて夜眠るのは私には普通に思った。そんなことすらままならない今の自分の密度の低さを思うと心底羨ましく、遠い遠い世界。

7/28
 今日は晩ご飯を作りたくない。辛ラーメン…多分なかった。レトルトカレー、あった気がする。カレーでいいか。いや少し気分が違う。スーパーでお刺身でも買いたいけどスーパーに行くのは面倒。家の近くのスーパーは近くないし。職場近くのお弁当屋さんを検索、金曜休み。カレーやね。せめて明日のパンを買っちゃおう。パン屋さんへ行くといつも数種類しか残ってなくて選ぶ余地なくあるものを買うことが多いんだけど、今日はたくさんある!4個もトレーにのせる。売り場の横にパンを焼く場所があって、そこから店員さんがでてくる。「あ、いつもありがとうございます〜」「…ァ……ス…」みたいな声を洩らして頭を下げる。いつもと言うほど頻繁にはきてないのだが、毎回いつもありがとうございますと言われるので、はて方弁なのか、本心なのか分からない。本心だとしたら何故ツラが割れてしまったのか疑問だ。「うちのお店、昨日で⚪︎周年で〜」「ァ…オメデトウゴザイマス…」「ありがとうございます〜それでいま記念にクッキーお配りしてて〜よかったら〜」「ェァ…ア…ス…」ほとんど喋れない私にも明るく朗らかなお姉さん。多分もしかしたら年下なんだけどコミュ力が高い。気分良くお店をでて、近くにある行ったことのないスーパーへ行ってみた。すると…想像していた雰囲気ではなく、小ぢんまりとした、知っているチェーン店のはずなのに私の知らない空気のお店であった。棚にはモノが少なく、お弁当なんてほとんどない。こりゃお弁当は諦めよう。そう思っていたところ、お婆さんがチラチラ見てくる。なにか困っていそうだが、こういう場合目を合わせない方が良い。多分。そして何故かお婆さんは私に声をかける。「すみません」店員さんに聞いて、と思いつつ、返事をする。お婆さんは弁当を手にし、こう言った。「これは何の弁当ですか?」………どういうことだろう。「えー…これは……唐揚げ弁当、ですね」と答えると安心したようで「そっか、よかった、ああ」などと言っていた。一体どういう意味だったのだろう…。和洋中みたいな部門の話?字が小さくて読めなかった?でも見た目で唐揚げって分かるよね、見えない、とか?でも…私を見て話しかけてきたし。何故だろう、そう考えながら自転車を走らせた。

7/30
 秋葉原で撮影。猿田彦でコーヒーテイクアウト。豆の種類が3種類あって「花火」ってやつにした。ひまわりと薄黄色のバラを買って帰宅。昨日も今日も珍しく午後撮影で家事をスムーズに段取りできず。買い出しには行かなかった。晩ご飯。トマトと卵の炒め物、豚肉生姜焼き、じゃがいも揚げ焼き、かぶの味噌汁、ちくわきゅうり。ちくわにきゅうり詰めてマヨネーズと七味かけただけでどうしてあんなに美味しい?

8/1
 佐々木さんの『パートタイム・コメット』久々に読み返す。するすると読める。装丁がかわいい。

8/4
 川上未映子『きみは赤ちゃん』再読。
 一日中寝ていた。晩ご飯。鮭を焼いてタルタルソースかけ、ベーコンたまねぎしいたけスープ、油揚げにチーズのせてトーストして七味。買い出しにも行かず適当にあるものを食べた。Amazonと郵便のチャイムが4回鳴り、うち2回は寝てて起きた。

8/5
 暑い。赤羽。帰宅してから買い出し。
 野菜カレー(茄子おくらパプリカ玉ねぎ)、ベーコンアスパラスープ、トマト塩昆布和え。

8/6
 眠い。昼寝して洗濯物を取り込もうとしたらベランダのフチが濡れていた。雨に濡れたかもしれない。気圧のせいなのか眠れること眠れること。
 ブロッコリーとエビ和え、じゃがいもベーコン巻き焼き、豚バラレタスポン酢、小松菜厚揚げ豆腐味噌汁、きゅうりささみ和え、ウィンナーアスパラ炒め。
 一昨日も今日もiPhoneの歩数計はデータなし。

8/9
 去年のお盆はどう乗り切っていたのか振り返ると普通に体調を崩していた。お盆の間心配だから、と耳鼻科でドサッと薬をもらって、予想外の出費に落ち込んでいたのだ。晴れた暑い日徒歩で移動して、不在で受け取れなかった脇田あすかさんのポスターを郵便局へ受け取りに行き、狭い調剤薬局でその白い大きな封筒をぼんやり見ながら薬が用意されるのを待っていた。帰ったらこれを部屋に飾ろう。それだけがキラキラしていて、今もポスターはベッドサイドに飾ってある。

8/11
 この前図書館へ行った。2階に続く階段へ向かうと1人の男性が降りてくる。バーコード頭の、チェックシャツとスラックスをあわせた50代くらいの見た目である。彼は階段を降り切ると後ろを振り返り止まった。不審だ。何故そこで止まる…私はそこを通りたいのだが…まあ世の中には色々な人がいるものだから…そろそろ近寄り階段を見上げると驚いた。2〜3歳くらいの女児が降りてくる。トテ………ト……テ……。この愛くるしい顔立ち、どこかで見たことがある…そうだ、アリスの貝の赤ちゃんだ!!

貝の赤ちゃん…。一歩踏み出すたびにはにかみながら嬉しそうにしている。足が着地するたびに床から星屑が散っていそうだった。あの不審な男性は父親だろうか?祖父だろうか。にしても…あんなスピードによく付き合っていられるな…時間にも気持ちにも余裕がある?あんな可愛い生き物があのおじさんから…。。アリスの貝の赤ちゃんで脳内をいっぱいにしながら貸出手続きをし駐輪場へ行くとアリス(以下略)がいた。ヘルメットをかぶせて顎ヒモもパチンととめ、シートベルトをしめられ…。男性が仮に「〇〇ちゃん、おうちに帰ろうね〜」だとか何とか言葉を発していれば、テンション感が察せられるのだが無言であった。その姿は子供の世話をする保護者というより、甲斐甲斐しく世話をする人間であった。甲斐甲斐しい、この形容詞は合っているのか。でもそんな感じがする。アリスは変わらずニコニコしている。こんな可愛い生き物が存在するんだ。てかまだ帰ってなかったんだ、アリスを乗せるのってすごく時間がかかるんだな。自転車をだそうとするとアリスのどデカい電動自転車が私の進行方向にあり、ほんの少しだけ邪魔なのだった。しかし私がうまく避ければ良い話だ。なんてったって向こうは神々しいほどの愛嬌を持つアリスなのだ。そっと動くと、中年男性はハッとこちらに気付き少し避けた。すごい危機管理能力だ。尊いものとすれ違った瞬間だった。

 撮影終わりブリッヂでサンドイッチをもしゃもしゃ食べていると頭がボーッとする。

銀座にいるんだからどこか寄るべきだ。果たしてどこへ…。洋服?ディーンアンドデルーカとか…本屋とか…。何も決められない。暑いし。花だけ買って帰宅。綺麗に晴れている今のうちにスーパーへ買い出しへ行くべきだがむりだった。
 納豆キムチご飯、茄子と油揚げの味噌汁、ニラ卵焼き、たまごどうふ。
 撮影の前はなるべく嫌なものを見ないようにする。インスタは悪口とか愚痴とかなくて視覚的に綺麗なものが多いから丁度良い。日頃から愚痴を吐き出している人はやっぱりそういうオーラを放ってしまうからねえ。花もただただ綺麗で良い。
 ブリッヂで缶バッヂ買えてハッピー。

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