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「怖いCM」が好きなので語らせてください

みなさんは、CM(コマーシャル)を注視したこと、ありますか?

とは言え注視しなくても、テレビを観ていれば、またはラジオを聴いていればCMなんてものは勝手に流れてきます。そんな中で、「なんか今の怖かったんだけど!?」というCMが突然流れてきた、なんてこともあるかと思います。

今日はその「怖いCM」についてお話します。

※この記事では「怖い」コンテンツに関するお話をしています。直接的な画像や映像そのものはありませんが、動画へのリンクが貼られています。恐怖を煽るような表現が苦手な方は十分に注意してください。
※完全に個人の研究と趣味に基づいて書いているので、もし間違った記載があればご指摘いただければ訂正します。

「怖いCM」って何?

CMに限らず、「怖い」というだけで反射的に嫌な気持ちになる方もいらっしゃることと思います。

「怖いCM」の定義としては、「製作者の意図にかかわらず、恐怖や不安を煽るテレビCMまたはラジオCM」というものが考えられます。(※私個人の考えです)

ここでは製作者の意図にかかわらず、というのがポイントだと思っています。例えば2000年代前半の公共広告機構(現:ACジャパン)なんかは少しでも不安(=公共問題に対する危機意識)を煽るように製作されているものが多いです。しかし、「雰囲気が暗い」「映像の内容(セリフ、ビジュアルなど)が常軌を逸している」「もはや理解不能」など、製作者としてはおそらく不安や恐怖を煽るつもりはなかったのに「結果的に怖い」と思われてしまったものも「怖いCM」として含まれることがあります。

また、ニコニコ大百科の「怖いCM」の記事がニコニコ動画ユーザ向けとしてですが、簡単に説明してくれています。

内容は、深夜のアイキャッチ、ホラー色の強いもの、世代によっては古いつくりのCMですら怖いとする者もいる。
出典:怖いCMとは (コワイシーエムとは) [単語記事] - ニコニコ大百科

ニコニコ動画には「怖いCM」というタグが存在していて、マイルドな怖いCMから曰くつき、トラウマもののCMまで様々なものが投稿されています。怖いCMもコメント付きで観ると怖さがある程度軽減されるので、ニコニコ動画にアップロードされているものを視聴するのも一つの手です。ちなみに私はYoutube派です。

個人的に好きな「怖いCM」3選

ここからYoutubeへのテキストリンクが貼られていきますので、クリックの際は自己責任でお願いいたします。尚、「内容が気になるけどリンクを踏みたくない」方のために、本文中で簡単な内容の説明を行っています。

近年はクレームなどにより放送禁止に追い込まれがちで、お目にかかることが少なくなってきた日本の「怖いCM」。有名どころは先述した公共広告機構(現:ACジャパン)などの公共広告系や、無機質なナレーションが特徴のお詫びCMなどがあるかと思います。

今回はあまりにも有名なもの(例:「キッチンマザー」「クリネックス」「あよね」etc.)は避けつつ、個人的にいろんな意味で鳥肌が立ったCMをご紹介していきたいと思います。

2008年 フンドーキン醤油 間違いだらけの料理 リンク

内容:一見、ふつうの料理番組風のセットと女性二人。いざ「料理」がはじまると、ジャガイモの皮を爪で剥く、ニンジン真っ二つに折る、卵を割らずに鍋に投げ入れるなど奇妙なな工程が続く。そして、その番組を観て真剣にメモを取る女性視聴者が映される。最後に映し出されるコピーは「事実、お米を洗剤で洗う人がいる。」「ごはんを、きちんと」

解説:大分にあるフンドーキン醤油という会社のテレビCM。「内容が過激」という理由で抗議が来て放送中止に追い込まれたとのこと。インターネット上では長らく動画が見つかっておらず捜索されていましたが、最近になって発掘されたということで一部界隈で話題になっていました。

1998年 日本損害保険協会 チャイルドシート 母と子 リンク

内容:女優・南果歩が子供を抱いているシーンから始まる。画面が暗転し、急ブレーキ音。再び南果歩が同じポーズで映しだされるが、その腕に子供はなく、南が静かに涙を流す。コピーは「ママの胸よりチャイルドシート」。

解説:日本損害保険協会のテレビCM。キャッチコピーそのものや、その著作権をめぐる裁判も行われたため、ご存知の方も多いCMかと思われます。シンプルながらショッキングな内容で胸を痛めつけるような作品ですが、日本損害保険協会は他にも結構怖めのCMを作っているので気になる方はググってみてください。

カナダ職場安全保険局 これは事故ではありません リンク
※一部流血表現があります。苦手な方はご注意ください

内容:
(ブティック編)ブティックで高いはしごから落ち、ガラステーブルに突っ込む女性。同僚に心配されるとガラスが突き刺さったまま女性が起き上がり、「これは事故じゃない」「会社がずっと前にはしごを取り換えていてくれたら」と訴える。
(厨房編)もうじきレストランの副シェフになる女性。婚約者もいるが、今週末の式は挙げられない。なぜならこの後事故に遭ってしまうから…そう告げるとそのまま床に飛び散った油で転倒してしまい、鍋の熱湯をかぶって大火傷を負ってしまう。
(倉庫編)男性が重機を操縦していると、棚にぶつかり載っていたパイプの下敷きになってしまう。男性はパイプが突き刺さったまま「これは事故じゃない」「あんな上に重荷を積み上げるのが規則違反とわかっているはずだ」と訴える。
(高所編)家族をいい旅行に連れて行ってあげたいから残業している、と語る男性。でもこの後家族は「俺が事故で殺された」と連絡を受けるんだ。会社がタンクを点検さえしていれば…と言い切らないうちにガスが爆発し、男性は高所から落下してしまう。
※セリフの日本語訳はこちらから引用しました。

解説:海外のCMは日本より過激な表現が許されている印象があるのですが、こちらはその代表と言えるようなものだと思います。とはいえ、全くホラーなどではなく真面目な内容です。テーマは労働災害防止の啓発ということで、仕事をしているシチュエーションの中で起こりうる事故が取り上げられています。尚、「カナダ職場安全保険局」とググるとこのCMの話題しか出てこないので、実際の組織名(訳称)はわかっていません。知ってる人いたら教えてください。

なぜ「怖いCM」が好きなのか

まず、怖いCMに限らず、CMというものはごく短く限られた時間枠の中でメッセージを伝える必要があります。わずか数秒から数分まで時間枠の幅自体は広いですが、視聴者の心に刺さるきっかけになるのは一瞬です。その一瞬でまず「見て」もらう必要があります。それがインパクトの大きさの競争につながっていると私は考えています。

そして、その一瞬で「見て」もらった後は、決まった時間まで映像と音声で伝えたいことの必要最低限を伝えなければなりません。それが視聴者の心にどれだけ刺さるか。それがCMの特徴のひとつです。

その結果、方向性が「怖い」に向いてしまった理由は、先ほど申し上げたように「不安を煽る必要があるから」など必要があって怖くなってしまったものから、インパクト重視などで結果的に「怖く」なったものなど様々あると(あくまで視聴者目線で)考えています。普遍的なCMに比べて良くも悪くも印象に残ってしまうそれらが、私はいとおしくてたまらないのです。

おわりに

この話題、家族友人恋人誰もみんな食いついてくれないのでマジで壁打ちで語るしかなく、noteで書いてすっきりしたかったので書けてよかったです。

他にも、皆様の印象に残っている「怖いCM」があったら教えていただけると嬉しいです!

最後まで読んでくださり、ありがとうございました。

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