#はぐちゃんといっしょ
2023年10月9日。1人の女性が、あるアイドルグループから卒業した。
彼女の名は、緋本はぐみ。
グループの名は、Palette Parade(通称パレパレ)。
私は、パレパレの中でも特に緋本はぐみ──はぐちゃんを推す、"はぐ推し"のひとりだった。
今日は、はぐちゃんとの思い出について語っていく。長い記事になると思うので、暇な時にでもお読みいただきたい。
はじまりのいろ
私が緋本はぐみ(パレパレ)の存在を知った理由は、Twitter(現X)のフォロワーが緋本はぐみを推していたから。そして、緋本はぐみに興味をもったのは、そのフォロワーに「推し(緋本はぐみ)を描いてほしい」と依頼を受けたことがきっかけだった。
普段からインターネット上でも描いたイラストを上げたりなどしている私だが、当時は緋本はぐみというアイドルはおろか、パレパレというグループのことも何もわかっていなかった。ひとまずフォロワーの依頼に応えるために、フォロワーから提供された画像とあわせて、緋本はぐみのTwitterのメディア欄(画像)を遡った。可愛い。何も知らなくても、安定的に可愛いと確信できるビジュアルだった。
そして、それらをもとに私が初めて描いた緋本はぐみのイラストがこちら。
マジで「とりあえず画像見て描いただけ」感がすごい。
このイラストをフォロワーがTwitterに上げたところ、なんと緋本はぐみ本人から「いいね」が来たではないか!(これはあとから知ったことだが、パレパレはメンバーがめちゃくちゃエゴサをするっぽくて結構な頻度でファンの投稿にいいねをくれる)
なんやかんやそれが嬉しかった私は、緋本はぐみやパレパレというアイドルグループに興味を持った。そして、実際のライブに、会いに行きたいと思うようになった。
はじまりのうた
そしてその時が訪れる。
2023年1月21日、渋谷。2日前に誕生日を迎えた緋本はぐみの"生誕祭"ライブが行われた。
アイドルのライブに行くのは超超超久しぶりだったので勝手があまりわからなかったのだが、先の"はぐ推し"のフォロワーに色々教えてもらいながら挑むことができた。
この日のために、楽曲も聴き込んだ。そしてこんなものも作ってみた。
はぐちゃんはメンバーカラーを赤色(※正式には緋色とのこと)としており、また衣装としては頭にヘッドドレスやリボンがついているのが特徴である。そのため、「はぐちゃんに会いに来た」ということがわかるようなものが欲しいと思い、このようなものを用意してみたのだった。
初めてのライブが終了後、初めての特典会がやってくる。フォロワーと一緒にはぐちゃんの列に並び、自分の番がやってきた。この時の会話を、私は鮮明に覚えている。
初 手 で 認 知 さ れ と る
あまりにも嬉しかった。内心どっちかというと認知厨なところがあり、相手に自分の存在を知って欲しいという願望が強く出がちだったので、短い時間の中のこのやりとりで私は一気に緋本はぐみ、いや、はぐちゃんに夢中になった。
君がいつでも帰れる場所
それからの日々に、パレパレという居場所が加わった。
Twitterの投稿にはパレパレ(というかはぐちゃん)に関することが増えた。ライブには、積極的に通っているとはあまり言えない頻度ではあったが、会いに行けるタイミングがあれば行くようにした。
一回ライブに大遅刻して曲聴けなくて特典会だけ参加して物販でナンバーくじ無双した時はガチで死にたくなった、ということもあった。全国ツアーのファイナルにも、TIFにも、グループの2周年ライブにも行った。
ライブ参戦用のヘアアクセリボン(ジェネリックはぐちゃん)も第二号を製作。以降の現場にはほぼ必ず着けて行った。
そうしていくうちに、チェキも溜まっていった。
その間に、絵もいくつか描いた。私は「好き」な気持ちを絵に描いている瞬間が好きなので、描いている時はとても幸せだった。
しかし、開いた幕はいつか閉じるもの。私はそれを理解しているつもりでいた。だけどあくまで理解している「つもり」で、本当には何一つわかっていなかった。
グループ初の卒業発表があるまでは。
ありがとう、大好きだよ
パレパレは2周年を迎えたばかりで、初期メンバー6人でずっと活動してきたアイドルグループだ。
そんな中だった。2ndシングルリリースと2周年ライブを控えた8月10日夜、ある一つの「大切なお知らせ」がなされた。
この発表があった時、私は会社の同僚との飲み会中で、通知を見てかなり動揺したことをよく覚えている。
アイドル戦国時代とも呼ばれるこのご時世、「推しの卒業」という事象は普通に誰にでも起こりうるものになってきた。しかし、自分の身に降りかかるなんて夢にも思わなかった。パレパレはずっと6人で活動していくものだと思っていた。
けれど、はぐちゃんのメッセージを読むと、次の目標を見つけての前向きな卒業とのことなので、ファンとしてはぜひとも応援し、背中を押さなければという気持ちにもさせられた。
複雑な思いの中、2ndシングルがリリースされ、リリイベが開催され、2周年イベントも盛況のうちに終了し、時は歩みを止めることなく進んでいく。そのうちに卒業公演の日程も決定し、ありえない速度で2ヶ月という期間が過ぎていった。
そして、10月9日。
この日を最後に、緋本はぐみはマイクを置いた。彼女は笑顔で客席に手を振り、ステージを後にして次の夢に向かっていった。
最後のチェキは2枚だけ撮った。本当はもっともっと撮りたかったし話したいこともたくさんあったけれど、終電を逃すと翌日の仕事に響くし、と自分に言い訳をして帰った。同時に、翌日に有給休暇を取らなかった自分を激しく呪った。
正直言うと、最後まで実感が湧かなかった。なんなら、いまだにそんなものはないかもしれない。次にパレパレの現場に行く時もステージに彼女がいるような気がしているし、更新の止まったSNSにはふたたび彼女の投稿が載るのではないかとどこかで淡い期待をしてしまっている、そんな自分がいる。だけどそんなのは実際のところ私自身のわがままでしかないとも思っている。彼女には彼女の思い、彼女の生活、彼女の夢があるのだ。
まだまだ言いたいことはあるが、それらは卒業公演会場のプレゼントボックスに入れてきた。私の思いが少しでも彼女に届いていると良いと思う。
最後に、彼女の未来に幸多からんことを祈って。
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