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【ラグビーの見方】スクラム編

※このnoteはラグビーを見始めてまだ比較的日の浅い方向けに書いています。よりラグビーを楽しむための一助になれば幸いです。
ラグビー専門書といった内容ではありませんので、あらかじめご理解のほどよろしくお願いします。

こんにちは、ラグビーファンのユウです。

今回のnoteでは、[ラグビー スクラムの見方]について解説していきます。

スクラムはラグビーにおける基本プレーの1つ。スクラムが強いと攻撃時も守備時もかなり優位になります。試合の勝敗を大きく分けるプレーの1つなので近年どのチームも力を入れています。

今回のnoteでスクラムの見方・ポイントをなんとなくでも理解してもらえれば、よりラグビー観戦が楽しくなるはずです!


1.スクラムの基礎知識

・スクラムとは
・スクラムは選手同士が組み合ってなにをするの?スクラムのなかはどうなってるの?
・スクラムを組むのはどんなとき?
・スクラム後はどうなる?
関連記事:スクラム

■スクラムとは

FW(フォワード)選手8人が相手FW8人と組み合うプレー。

■スクラムは選手同士が組み合ってなにをするの?スクラムのなかはどうなってるの?

スクラムではボールの奪い合いをします。

攻撃側と守備側に分かれており、攻撃側がスクラムにボールを投入する権利があります。投入したボールを両チームで奪い合います。

ただ、攻撃側がボールを投入する選手はFW選手(HO・背番号2)にトントンと手や腕をたたき「ボールを入れるよ」という合図を出しています。なので圧倒的に攻撃側が有利。

スクラムを組むのはどんなとき?

スクラムを組むのはプレーを再開するときです。

反則などでプレーが中断すると、スクラムを組み再開します。ですが、全ての反則がスクラムで再開するわけではありません。ノックオンスローフォワードなど比較的軽めの反則時にスクラムでの再開となります。

参考:ラグビーの反則について(ラグビーガイド)

スクラム後はどうなる?

スクラム後の流れは、主に3通りです。

①プレーが続く…ボールが問題なく攻撃側にでて、BK(バックス)に回してプレーが続きます。

②スクラムを組み直し…スクラムが崩れたり、潰れてしまったりしたらもう一度組み直します。

③反則でプレー中断…どちらかがわざと(故意に)崩したなど、反則行為をした場合は反則(フリーキックペナルティ)となります。

スクラムで起きる反則一覧は→こちら


2.【初級】スクラムの見方

①組む瞬間
②ボール投入の瞬間
③どちらが押されたか、押したか

①組む瞬間

レフリーの合図に合わせてスクラムを組みますが、やはり組む瞬間と言うのはお互いに集中しています。組んだ瞬間に少しでも優位な状態になっておけばスクラムを有利に組む事ができます。

レフリーの合図(コール):「クラウチ」→「バインド」→「セット」
セットのかけ声で組み合います。
・クラウチ…ひざを曲げる
・バインド…相手を掴む
・セット…組み合う
参考:エンゲージメント(Rugby Union 競技規則)

レフリー「セット」の瞬間、どちらが押し込んだか?は重要です。押し込んだということは押したチームの方がスクラムが強いと考えられます(絶対ではないですが)。組む瞬間は見逃してはいけないシーンです。

②ボール投入の瞬間

スクラムはボールの投入と同時に、押し合いができます。ボールの投入がされれば言わば押し放題。強いチームはもの凄い勢いで押します。

もちろん押すだけではなく、スクラムを優位に組めると様々な選択肢が生まれます。

攻撃側なら、
スクラムを押してボールをキープしつつ、1.次の攻撃のために良い形でボールをスクラムの最後尾・No8(ナンバーエイト)の位置まで運ぶ、2.相手の反則を誘いペナルティをもらい陣地を獲得する、3.スクラムでトライを狙う(ゴール前のみ)などが考えられます。

守備側なら、
スクラムを押して、1.相手チームにプレッシャーをかけ次の攻撃を少しでもしにくい形にする。もしくは2.相手からボールを奪い返す3.相手の反則を誘いボールを奪い返す、など様々なことが考えられます。

スクラムを優位に組むために、まずは組む瞬間に集中し、少しでも自分たちの有利な形で組む。こうすることでその後、いろいろな選択肢が生まれます。ボールの投入瞬間もぜひ見てほしいところです。

ボール投入後に選手たちが考えている事(選択肢)
[攻撃側]
1.次の攻撃のために良い形でボールをスクラムの最後尾に運ぶ
2.相手の反則を誘いペナルティをもらい陣地を獲得する
3.スクラムでトライを狙う(ゴール前のみ)

[守備側]
1.プレッシャーをかけ次の攻撃を少しでもしにくい形にする
2.相手からボールを奪い返す
3.相手の反則を誘い、ボールを奪い返す

スクラムで起きる反則一覧は→こちら

③どちらが押されたか、押したか

さきほど紹介した②ボール投入の瞬間と内容は被りますが、やはりスクラムで見るべきポイントは、押したか押されたかです。

多くのチームがスクラムを組んだ瞬間に押そうとします。ただ、スクラムを既に組んでいる状態でチームでかけ声をかけて、押し出すチームもあります。いつ押すか、あるいは相手チームもあっての事ですので、いつ押せるか、は外から見ている観客からしたらわかりません。スクラムを組んでいる最中は、できるだけ目を話さない事をおすすめします。


3.スクラムの豆知識①:覚えておきたい4つのこと

すこし休憩がてら、ここでスクラムの豆知識を4つ紹介!

・スクラムを組めるのはあらかじめフロントロー登録された人しか組めない
・同じPRでも背番号「1」と「3」では呼び名・役割が違う
・スクラムは上手く組めないと組み直しあり
・グラウンド(芝)の状態が悪いと少し組む場所を変える

■スクラムを組めるのはあらかじめフロントロー登録された人しか組めない

スクラムは危険なプレーでもあります。相手と組み合い、押し合います。急に崩れたり、首から地面に落ちたりすることも。そのため、フロントロー(PR.HO 背番号1.2.3)は試合前のメンバー申請時に「フロントロー」ということを登録しておく必要があります。

だれでもスクラムを組めるわけではないんです。

同じPRでも背番号「1」と「3」では呼び名が違う

背番号「1」「3」の選手はどちらの選手もPR(プロップ)と言われます。

ただ、背番号1の選手はルースヘッドプロップ、背番号3の選手はタイトヘッドプロップと呼びます。一般的には背番号「1」「3」はPRと呼びますが、ルースヘッドプロップとタイトヘッドプロップと呼ぶ事もあります。

参考:ポジション名の他の呼び方(ラグビーガイド)

スクラムは上手く組めないと組み直しあり

スクラムは相手チームありきです。そのため、故意に崩したわけでもなく、崩れてしまう事も。そのため上手く組めなかった場合には、スクラムを組み直します。

グラウンド(芝)の状態が悪いと少し組む場所を変える

スクラムのポイントの芝がはげたり、芝が盛り上がった状態だった場合にはスクラムのポイントをズラす場合もあります。どちらかにあきらかに不利な状態ではスクラムは組めません。レフリーが両チームに確認を取り、スクラム組む場所をずらす場合があります。


4.【中級】スクラムの見方

④スクラムを組む場所
⑤攻撃側バックスの陣形
⑥スクラム後のフロントロー(背番号1.2.3)の顔

④スクラムを組む場所

スクラムを組む場所によって、攻撃側・守備側の考える事・スクラムでやってくる事は全く違ってきます。どの場所でも「ただ押せばいい」というものでもないんですよね。

例えば、攻撃側は…

相手ゴール前(チャンス!)なら、スクラムに自信があるチームだと当然スクラムにこだわって1.スクラムを押し切りトライを狙う2スクラムにこだわり相手の反則を誘い、認定トライを狙うなどが考えられます。

自陣ゴール前(ピンチ!)なら、1.スクラムを少しでも押し込んで反則を誘う2.スクラムを押すのではなく安定を重視し、スムーズにBK陣にボールを出す(BKのキックでピンチを脱出)ということが考えられます。

スクラムを組む場所によっても、攻撃側・守備側の考える事が変わってくるのでぜひ「スクラムをどこで組むのか?」にも注目してみてください。

⑤攻撃側バックスの陣形

④スクラムを組む場所 同様に、スクラムを組む場所によって⑤攻撃側バックスの陣形も変わってきます。BKの陣形を見るとどのような攻撃を仕掛けてくるのか予測することもできます。

⑥スクラム後のフロントロー(背番号1.2.3)の顔

フロントローはスクラムにプライドを持っています。スクラムはプロップにっとって最大の仕事でもあります。そのため、スクラム後のフロントローの顔をみるとどちらが良い感じに組めたか、がわかる場合も。

基本的にはスクラム後もプレーは続きますが、反則が起きた場合にはプレーが中断するため。反則を奪う事ができたチームのフロントローは声を上げて喜ぶでしょう。声を上げなくても、満足げなフロントローの顔が見える事でしょう。逆に反則を取られてしまった側のフロントローはさえない顔をしていることが多い印象です。

スクラム後のフロントローの顔もぜひチェックしてみてください。


5.スクラムの豆知識②:日本でスクラムが強いのは誰だ?

休憩です。

「スクラムの強い選手って、日本だとどなた(選手)だと思いますか?」Twitterでラグビーファンの方に伺いました。

※教えていただいた皆様ありがとうございます!

名前が上がった選手↓

1番(PR・ルースヘッドプロップ):
三浦(トヨタ自動車)、山本(ヤマハ発動機)、三上(東芝)、古畑(パナソニック)、久富(日野)
2番(HO・フッカー):
堀江(パナソニック)、青木(元サントリー)
3番(PR・タイトヘッドプロップ):
具(Honda)、畠山(ニューイングランド・フリージャックス)、山下(神戸製鋼)、木津選手(トヨタ自動車)、長江(近鉄)、伊尾木(トヨタ自動車)、平野(パナソニック)、佐々木(釜石SW)
※選手名をクリックすると外部サイトに移動します

気になるチームの選手や、気になる選手がいたらぜひチェックチェックしておきましょう。


6.【上級】スクラムの見方〜ぜひ見てほしいスクラムのポイント〜

⑦ファーストスクラム
⑧ゴール前スクラム

⑦ファーストスクラム

ファーストスクラムとは…その試合で一番はじめに組むスクラムのこと。

ファーストスクラムは両チームともに気合いが入っています。なぜなら、

・最初のスクラムで相手チーム(特にFW)にプレッシャーをかけたい
・スクラムでどこまでやり合えるか把握しておきたい
・レフリーに対してスクラムが優位な印象を植え付けたい(以降のスクラムに好影響?)

など、ファーストスクラムは以降のスクラムにも大きな影響を与えます。攻撃の大きな起点となるスクラムはどのチームも有利に組みたいと考えているんですよね。ですので、ファーストスクラムはぜひ見逃さないように!

⑧ゴール前スクラム

ゴール前スクラムとは…ゴールライン目の前の5mライン上で組まれるスクラムのこと。

攻撃側ボールなら攻撃側は大チャンス、守備側は大ピンチという状況です。得点が起こりやすい状況です。スクラムに自信があるチームはスクラムトライを狙ってくるでしょうし、もしくはそうと見せかけてBK攻撃を仕掛けるかもしれない。守備側にしてみたら、スクラムもBKのディフェンスも気の抜けない状況。ゴール前スクラムは、ラグビー試合のなかでも一番の見どころかもしれません。こちらもぜひ見逃さずに見てほしい場面です。


ヤマハ発動機のスクラムに注目!

私がヤマハ発動機というラグビーチームが好きということもあるのですが、ヤマハ発動機のスクラムはみていてとても面白いです。

ヤマハ発動機自体がスクラムにもの凄くプライドを持っているチームです。FW選手だけでフランスにスクラム合宿にいくほど(参考:ヤマハFW、フランスにスクラム強化へ・ヤマハ発動機ジュビロ)。

・押したいときに必ず押してくれる
・ゴール前のスクラムではスクラムトライを狙いにいく

とにかく、見ていて爽快です。ぜひ、ヤマハ発動機のスクラムも見てみてください。

ヤマハ発動機ジュビロ 公式HP

7.スクラムで起きる反則

スクラムで起きる反則一覧(ラグビーガイド)」をご覧ください。


8.スクラムの関連用語

[ポジション関連]
FW(フォワード)BK(バックス)
PR(プロップ)HO(フッカー)LO(ロック)FL(フランカー)No8(ナンバーエイト)
・ルースヘッドプロップ…左側のPR(背番号1)選手
・タイトヘッドプロップ…右側のPR(背番号3)選手
・フロントロー…PR(背番号1.3)・HO(2)の選手のこと。
・フロントファイブ…PR(背番号1.3)・HO(2)・LO(4.5)の選手のこと。
・バックファイブ…LO(背番号4.5)・FL(6.7)・No8(8)の選手のこと。
・バックロー…FL(6.7)・No8(8)の選手のこと。

関連:ポジション名の他の呼び方(ラグビーガイド)

[プレー関連]
・フッキング…スクラムに投入されたボールを足で後ろに蹴り出すこと。
・バインド…他のプレイヤーを腕で掴み密着すること。
スクラムトライ…スクラムを押してそのままトライを奪うプレー。
関連:ラグビー用語集

※テキストをクリックすると詳細を確認できます。


まとめ

【スクラムの見方】一覧
①組む瞬間
②ボール投入の瞬間
③どちらが押されたか、押したか
④スクラムを組む場所
⑤攻撃側バックスの陣形
⑥スクラム後のフロントロー(背番号1.2.3)の顔
⑦ファーストスクラム
⑧ゴール前スクラム

以上が、ラグビーにおけるスクラムの見方になります。


当noteに関する質問やご感想はいつでも受け付けております!お気軽にどうぞ。またお知り合いに「今後、はじめてラグビー観戦をされる」と言う方などいらっしゃいましたら、ぜひ当noteをご紹介いただければ幸いです。

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