いとうゆうか/演劇ソムリエ

多義的に演劇しましょ。劇評、書評、コラムなど。音楽、食、手芸、読書、中国語も。 You…

いとうゆうか/演劇ソムリエ

多義的に演劇しましょ。劇評、書評、コラムなど。音楽、食、手芸、読書、中国語も。 YouTube→https://www.youtube.com/channel/UC8gPO2nquR3EwSMqK62WE8w

マガジン

最近の記事

  • 固定された記事

2024.4.6の日記(『ジャンクション・ジャーナル』のはなし)

気が向いたので日記。思い付いたことをつらつら書いてみる。たぶん読みにくい文章だと思う。頭の中をそのまま出力してるから。 いまは帰り道。ゆるふわギャングを流しっぱなしにしながらとぼとぼ歩きながらスマホで書いてる。 とぼとぼっていう言葉、好き。哀愁があって。 今日は、5月の主宰公演『ジャンクション・ジャーナル』の稽古という名のミーティングというか、コミュニケーションタイムというか、とりあえず相方と会う日だった。 約束は13:00だったけど、私がここ数日体調が少し悪かったのが

    • 【散文】「瞬間綺譚」の原稿

      2023年11月14日に出演した朗読ライブ「瞬間綺譚」で発表した散文の原稿を公開します。 《朗読ライブ「瞬間綺譚」イベント情報》 このライブでは、1編の散文と1編の詩を発表しました。 以下に載せるのは、前半の散文です。 タイトルはありません。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー ある駅の近くで、よく見かけるひとがいる。 そのひとは、老婆というには恐らく少し早い年齢なのであろう、が、 ボロボロの洋服、白が混じった 肩くらいまでのもつれた髪、浅黒い肌

      • 【3月8日(金)~10日(日)上演】セツコの豪遊『殺意(ストリップショウ)』をおすすめする理由

        3月8日(金)から10日(日)まで、APOCシアターにて、セツコの豪遊による演劇公演「ジャージのイタコ vol.1『殺意(ストリップショウ)』」が上演されます。 本作は、第二次大戦前後の東京を生きた一人のダンサアが語る半生の物語です。尊敬、失望、怒り、諦念、あらゆる感情のうねりを、鋭く打撃力のある言葉の流れで以て、彼女が見た人間の真理を聞かせられます。 役者の力量と熱量が問われるこの戯曲に挑むのは、これまでにも数々の小説をひとり芝居化してきた宮村さんです。宮村さんは、「A

        • 2023年9月最近見たり聞いたりしたもの~実用的な講演とグッドなMV。

          単なるメモ。 私にとって良かったものが他の人にとっても面白いものだったりためになることのヒントだったりするかもってことでシェア。 【講演】先延ばし魔の頭の中はどうなっているか (ティム・アーバン | TED2016) Inside the mind of a master procrastinator このポストを見かけて、動画を見てみた。永遠のテーマみたいな「先延ばし」についての講演。分かり切ってるんだけど、人生は有限であるということを時々再確認する必要がある。 これを

        • 固定された記事

        2024.4.6の日記(『ジャンクション・ジャーナル』のはなし)

        マガジン

        • 演劇ユニット《ヒミツミ》 の話
          1本
        • 演劇ソムリエの演劇じゃない話
          45本
        • ユウカイトウの観劇+αレポート
          34本
        • 演劇ソムリエの書評
          7本
        • 戯曲書いちゃった
          1本
        • 演劇ソムリエと中国語
          4本

        記事

          『うたわない女はいない』読書記録

          『うたわない女はいない』を読んだ 短歌が好きなので、時々歌集を読む。 ロマンティックさがありつつも、生々しい質感を感じる作がより好き。そのテーマが何であれ。 『うたわない女はいない』は、労働にまつわる短歌とエッセイが収録されて いる。 大人ならほとんどの人が労働しながら生きている。その種類や割くリソース、モチベーションは人それぞれだけど、仕事として何かを行為し、対価を得て、余暇には休息を取ったり生きていくための諸々にお金や時間を費やす、という普遍的なサイクルは誰もが共有

          『うたわない女はいない』読書記録

          6・7月にどはまりしてた音楽たち~KSJの副産物~

          前置き6・7月には新しい音楽との出会いが色々あったので記録のために。 前置きが長くなるので先に結論から書くと、この期間はラップを聴きまくっていた。 その背景は、7月1日に開催されたKOTOBA Slam Japan 2023 新東東京大会に出場することになったから。 そもそもKOTOBA Slam Japan(=KSJ)とは何なのかという説明が必要だと思う。簡単に言うと、自作の詩を読むパフォーマンスを競い合う大会である。 8/1から大会当日の模様が公開されているのでも

          6・7月にどはまりしてた音楽たち~KSJの副産物~

          コップの淵から

          水が溢れる、という表現をすることがある。 悲しいこととかつらいこととかが積み重なって、いよいよもう無理っていう状態になることを、(心の)コップの淵から水が溢れる、みたいに表現することがある。 確かにそういう感覚になることは幾度となくあって、「あ、今の、溢れさせる最後の一滴だったな」とか思うこともある。でもそれはこの慣用句に先に出会っていて、既にそういうイメージを刷り込まれているが故の感覚だっていう気もしてる。だからなんかむかつく。 普遍的な感覚を誰とも分からない先人に上手く

          舞台『ファウストの悲劇』を紹介したい【ぱちぱちレポート企画】+もっと私的な話

          昨日、演劇ネットワークぱちぱち内部限定イベント、河野桃子さん企画「演劇を紹介しよう!」が開催されました。 これは、これは、テーマは演劇に関係していればなんでもOKで、短いレポート(批評)を書いて紹介してみようという企画です。 各自文章を提出して、参加者同士でシェアして、フィードバックをもらったり、オンライントークで意見交換したりしました。 文字数は自由でしたが目安を1000字とされていたので、できるだけそれくらいを目指しました。 似たような企画をする度に思いますが、文

          有料
          100

          舞台『ファウストの悲劇』を紹介したい【ぱちぱちレポート…

          3/20「遊び場的ワークショップ集」レポート

          2022年3月20日、Twitterで案内を見かけて知った〈松井周の標本室〉 『遊び場的ワークショップ集』標本空間vol.2に参加しました。 私が参加したのは、「『「私はトランスです」=???』の創作過程を標本する・WS」と「幻の演劇をつくろう!」の2つです。 「『「私はトランスです」=???』の創作過程を標本する・WS」は、和田華子さんがカムアウトしたときに返ってきた様々な反応を再現するという企画。 自分の身体から他者の価値観(それは時に誤っている)を発することは、演

          3/20「遊び場的ワークショップ集」レポート

          【エッセイ】私の感性が鋭敏だった時①

          私が範宙遊泳を初めて観たときの話。別に上手な文章ではないけど、この頃が一番感性が鋭敏だった気がする。 その理由として、私の人生を大きく揺さぶる人が現れた直後だったということがある。 私の人生はその人とのある出来事以前と以後に分断されている。 以下、その話を少し書きたいと思う。

          有料
          303

          【エッセイ】私の感性が鋭敏だった時①

          【観劇レポート】『ザ・空気 ver.3 そして彼は去った・・・』(オンライン視聴)

          ※1000字で劇評チャレンジ※ 視聴はこちら↓ 本作は、報道番組の裏側を舞台に繰り広げられる、報道の自由を巡る物語である。 「報道9」という番組にゲストとして招かれた政治ジャーナリストの横松(佐藤B作)は、体温が37.4℃だったためコロナ対策で別室に隔離される。しかし、そこはかつて旧知の仲でもある桜木が自死した部屋だったと知り、横松の様子が変わっていく。 番組の打合せでは、新政権に対するコメントを求められたところで、普段なら政権に忖度するはずの横松が、総理の批判をして

          【観劇レポート】『ザ・空気 ver.3 そして彼は去った・・・』(オンライン視聴)

          2021/08/04 19:00 劇団普通『病室』@星のホール(+雑記:嗾けられたこと。決断力なんか無い私。)

          ものすごく、ものすごく前になってしまったのだけれど、一応記録として残しておきます。 劇団普通『病室』を観ました。なぜこれを観ようかと思ったかと言うと、Twitterで評判の良いツイートをたくさん見たからです。 やっぱり良いと言われているものは観たくなる。評判が良いことと自分の好みに沿うか、専門家からの評価が高いかは全部別物だけど。 ともあれ、そんな理由で観に行ったので、あらすじや出演者、劇団についての前情報は皆無でした。 したがって、特に事前の期待が大きかったわけでも

          有料
          100

          2021/08/04 19:00 劇団普通『病室』@星のホール(+雑記:…

          図書館で異彩を放っていた『ホスト万葉集』

          図書館で見つけた『ホスト万葉集』ホストクラブには行ったことがないけど、ホス狂の女の子のTwitterを覗くのは結構好きです。 この間、図書館にふらっと立ち寄ったときに、目に入ったのがこの本。 「今日返ってきた本」の短歌関連書籍が並んでいるラックにこれがあったら目立ちますよねそりゃ。だって隣に穂村弘さんの短歌くださいとかあるんだもん。 その日は図書館カードを忘れてしまったので、借りずに図書館内で読んだんですが、 面白くて一気に読みました。(もともと短歌だから文字数少なく

          図書館で異彩を放っていた『ホスト万葉集』

          【雑記】四国民のサイゼ観

          私は愛媛県出身なので、上京して感動していることが少なくありません。 上京して感動したことランキング第1位の「毎日何かの舞台が上演されていて観きれない」に続く第2位に輝くのが、何を隠そう、「サイゼリヤが近くにある」です。 都民に限らず、サイゼリヤが近くにあるところにお住まいのみなさん、その価値を軽視していませんか。こんな素晴らしいレストランがあるということは本当にプレシャスなことなんですよ。 私は愛媛に住んでいた19歳までの間、サイゼリヤという名前を聞いたことはあっても

          【雑記】四国民のサイゼ観

          戯曲『砂漠の彼方(あなた)』

          多分、処女戯曲。この記事のタイトルは、このnoteの有料部分に貼り付けたファイルに入っている戯曲のタイトルです。私が10月~11月くらいの期間で書きました。 戯曲なんて書いたことなかったしそもそも書く気もあんまりなかった。 けど、とあることがきっかけで、半強制的に戯曲を書くことになった。 書いたら意外と筆が乗った、というか、書かねばならなくなった直後に私を失望させ怒らせた出来事や人間がいたのでそれをミックスして書いた。 丁度いい時に「かながわ短編戯曲賞」が作品を募集し

          有料
          500

          戯曲『砂漠の彼方(あなた)』

          色川 武大『うらおもて人生録』を読んだ

          『うらおもて人生録』という本を読みました。以前ツイートしたことがあったのですが、オンライン本読み会でお知り合いになった方からおすすめしていただいたのがきっかけです。 読んでからかなり時間が経ってしまったのですが、所感を残しておきたかったので記事にすることにしました。 まず全体の感想を一言で言うと、波長の合う著者だなあと思いました。 話しかけられているような文体なのですが、馴れ馴れしい感じではなくて、親戚のおじさんの話を聞いているような感覚。 それは、著者の良くも悪くも

          有料
          100

          色川 武大『うらおもて人生録』を読んだ