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ジャミングバーズ→ワルキューレ

最近、少し時間の余裕ができて、マクロス7をポツポツと観ている。
観ながら思ったのは、自分の人生観が、ほぼほぼマクロス7によって構成されていたのだった、ということだ。反体制で、徒手空拳で、好き勝手やって、世界を救う。最初は誰にも理解されないけど、徐々に支持者を獲得していく。暴力や権力に対するアンチテーゼ。
青春時代にこの作品に触れたことが、もしかしたら、自分の人生に大きく作用していたのかもしれない。

それにしても、大人になって、改めて観ながら、少しネットで情報に触れてみると、この作品の扱っていたテーマの重さを思い知る。
異なる文明圏と出会ったとき、力でねじ伏せるのではなく、歌を通して分かりあい、平和裡に共存することが可能なのか。ここで、歌はつまり、文化の象徴であり、つまり、言葉、ということである。
そのことを作品化するにあたって、非常に真剣に、文化の軍事転用の可能性を扱っている。そういうことも、不可能ではない、というよりも、本来そういう力を持つのが文化である、という、シリアスな文明観が、そこにはある。
なんとなく、軽い気持ちで觀はじめたのだけれども、なかなか、重い宿題を貰ってしまった気分である。
なにしろ、いま現在、同じ文明圏の内側でも、異文明間でも、壮絶な争いが、現実として、起きているのである。

観返すまでは、マクロス7は、価値創造の物語だったと、思っていたのだ。もちろんそうした面も含んでいるが、もっとシリアスで重いものを抱えた作品だった。

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