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順序正しく考える

 例えば研修の仕事をするときに、どこに目標設定するべきか、考えることがある。
 受講者の快感原則に応えるのか。クレームゼロなのか。満足度アンケートなのか。実際に役立つスキルの提供。気づきのきっかけ。はたまた、メッセージを届けることなのか。受講者同士の議論を活性化させ、自ら考える機会を提供するのか。それは、普段のモヤモヤを言葉にするカタルシスなのか、あるいは、何か新しいアイデアの創出なのか。
 もちろん、どれか一個であるわけではなく、ミックスされているには違いないのだが、もっとも大事で本質的なものはどれなのか、というと、なかなかこれは難しい問題である。

 こういうことを考えるにあたっては、正しい順番でものを考えるしかないよな、と、原則論に戻るしかない。

 一番ダメなのは、リピートしてもらうために、満足度にフォーカスするような考え方だろう。そういう自己本意の発想をするようでは、虻蜂取らずになるのは明白だ。
 一番の理想は、企画者や事務局が、受講者のニーズもコンテンツの特性も十分に理解していて、提供価値を適切に定義してくれることだ。しかしそれは現実的にはほぼほぼ不可能な話である。

 だとするならば、やはり、その場がいかなる文脈、経緯で発生したのかを、考えるしかないのだろう。また、理想をいえば受講者の抱える悩みの種類やレベル感をつかんでおくこと。
 そのうえで、どこで、どうやって快感原則を満たし、さらにそこから先の景色を描いていくのか。
 そんなふうに組み立てることが、必要なのだろう。

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