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エピソード01 一反木綿

01一反木綿
一反ほどの白い布がとくに夜間ひらひらと飛来する。
昔、鹿児島県おおすみ地方にあらわれた妖怪。
見た目はまったく恐ろしくなく、それどころかぼんやりした人などは
干し物が風にあおられてとんでいくくらいにしか思わない。
約いったん(長さ約10.6メートル、幅約30センチメートル)の木綿のようなものが夕暮れ時にヒラヒラと飛んで、人を襲うものとされる。
首に巻きついたり顔を覆ったりして窒息死させるともいい、
巻かれた、たんもののような状態でくるくる回りながら素早く飛来し、
人を体に巻き込んで空へ飛び去ってしまうともいう。
ある男が夜に家路を急いでいたところ、白い布が飛んで来て首に巻きつき、
脇差しで布を切りつけたところ、布は消え、男の手には血が残っていたという話もある。
また、きもつき町では一反木綿がよく現れるといわれる神社があり、
子供たちがその神社の前を通るときには、上空を舞う一反木綿が最後尾の子供を襲うと
ていたため、子供たちは誰よりも先に走って通り抜けたという。
正体とされるのは一反木綿の出現時は夕暮れ時とされるが、
かつてこの時間帯は親が農作業などで1日中働いており、
子供に目を配ることができないことから、一反木綿の話をして、「一反木綿が出るよ」と言って、
遅くまで遊んでいては危ないと戒めていたものと見られている。
また、この伝承地では土葬の際に木綿の旗を立てて弔う風習があり、
これが風で飛んで空を舞うこともあったであろうことから、
これが木綿の妖怪という伝承につながったものとも推測されている。

01 一反木綿 オリジナルストーリー

ここは血洗島、幼い栄一は藍の畑で遊んでいた。

母:栄一、もう暗くなるから家に帰りなさい。

栄一:大丈夫だよ。真っ暗になる前には帰るから。
   ....おや、なんか飛んできたぞ?
   ひらひらして白い布のようだ、よし追っかけてみよう!  まて~
   なんだあの布、目と手が付いている!  「おまえは何だ!」

一反木綿:わしは妖怪じゃ、わしが怖くないのか?
     悪い子ならわしがグルグル巻きにして絞め殺してやるぞ

栄一:ぼくは悪いこじゃない!だからお前の上に乗せて飛んでくれよ

一反木綿:悪い子じゃないなら、それじゃ......っておい!
     まあお前のような度胸のある子どもは珍しい、
     しょうがない今日は特別だぞ

一反木綿は栄一を乗せて血洗島の上を少しの間飛んであげました

栄一:あ~面白かった、なあ妖怪お礼に何かしてあげるよ、何がいい?

一反木綿:わしは妖怪だから特に人間にしてもらいたいことなど...
     そうだ、夕方飛んでいると真っ白なものだから虫がよってきて
     困るんじゃがどうにかできるか?

栄一:それならうちに来るといいよ!藍で染めたら虫も来なくなる。
   こんど家のみんなが留守の時に...

こうして一反木綿は栄一に藍色に染めてもらい虫が来なくなった。
しかし夕暮れ藍色の一反木綿が飛んでいても誰に気づかなくなり、
しだいに一反木綿の話も耳にしなくなっっていきました

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