「かがみの孤城」読んでよかった
いまさらながら読みました、「かがみの孤城」
去年の本屋大賞だった作品。
ページ開いてすぐ、あーこれはだめかも、と思って、数ページで本を閉じて天井を見た…それを繰り返すこと数日。
なぜかというと中学時代のいじめられてた記憶がぶわーっとフラッシュバックしてきちゃうから。何年たっても忘れないものね。教室が近づくにつれて胃がねじれそうになるあの感じ、学校はまさに「針のむしろ」で、地獄だった、あのころ。
しかも作者の描写がうまくて、リアルにいろんな感覚がよみがえってしまう。そう、女子のいじめってそういう感じ。KちゃんやIちゃんのこと思い出してしまったわ。思い出したくないのに。重なる重なる。
あまりに心がつぶされそうで、10ページくらいまで進むのに数日かかりました。
それでもなんだか、この作品は読まなきゃいけないような気がして、読み進めていたら、鏡が光る場面に。あー、ファンタジーかあ、ますますだめかも…と思っていたのですが、その後一気にラストまで読んでしまいました。
読み終えた感想は、とにかく読んでよかった、ということ。
序盤の、つらい記憶のフラッシュバック含め、物語に引き込まれ夢中になれたこと、こころを動かされたこと、ストーリーに救いがあったこと、感動したこと、よい経験をしました。小説って素晴らしいな、と久々に心から思えたお話でした。
この物語みたいに、誰かが誰かを助けようと思うような、そういうつながりが世の中に増えていけばいいなあ。今も現実にはたくさんの地獄があって、きっといろんなところでいろんな子が、いろんなひとが闘っている、きっと。それでも世の中にはきれいな気持ちや優しさもあって、温かいつながりもあるんだと信じて生きていきたいです。
読書っていいよね。よいタイミングで、よい本に巡り合えるのも不思議。たくさん本を読みたい。
辻村深月さん、素敵なお話、ありがとうございました。
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