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いじめられているキミへ

約10年前、中学1年生だった当時の私に、今23歳の私から伝えたいことがある。どうか、時空よ超えてくれ。

ー伝える前に、時空を超えるためにタイムスリップー

私は中学1年生の時、少しだけ、いじめられていた。少しだけ、というのは私がいじめられていることを知らない人が多かったからだ。大多数の人にいじめられていたわけではないから、一般的に見たら軽いものだったのかもしれない。でも存在していた。暗い黒い色あせた記憶。小学生の時もいじめられている子はいたが、まさか私がいじめられるなんて思ってもいなかった。

私はテレビで女子バレーに憧れを抱き、バレーボール部に入った。もともと仲が良い子も入っていた。

ただ、いじめは突如として私の前に現れた。同じバレー部に入った友達からいじめられたのである。学校の行き帰りも一緒だったにも関わらず。最初はなんとなく避けられている感じがする程度だった。なんかおかしいなあと思いつつも気にしていなかった。

ある日の学校帰り。いつも一緒に帰る子たちと他の友達何人かで帰っていた。すると、いつも一緒に帰る子たちが悪口を言っている。誰のだ。誰の悪口だ。一向に名前が出てこない。ん、なんかおかしい。側から聞いていれば、私の悪口を言っているように聞こえる。名前は出さないが私のことだ。。気づいても何も言えない私。他の友達も私の悪口だと気づいているようだ。こんな状況の中にいるつらさよ。よく本人の前で嫌みたらしく悪口を言える。最悪だ。一緒に帰りたくないのなら堂々と帰りたくないと言ってくれ。言われたとしても苦しいだろうが。堂々と言えない、かげでこそこそ言いたいのが中学生女子の特性なのだ。

その後、ある朝。学校へ行くために友達とのいつもの待ち合わせ場所へ。しかし、待っていても一向に誰も来ない。あれ、おかしい。なぜか遠くの方に、みんなの姿が見える。まさか、集合場所を変えられたのか。ビクビクが止まらない。なぜ。なぜ何も言わずに私を仲間外れにするんだ。私の何が悪いんだ。

これ、いじめか。私はいじめられているのか。絶望。

私、みんなから嫌われたのか。なぜ。なんか悪いことした?今まで仲良かったじゃん。なんで。怖い。部活も一緒なのに。さらにいじめられるのかな。。怖い。

悔しい。悔しくて泣いた。なんで私が。。。悔しくて悔しくてたまらなかった。

学校に着くと、やつらに「みんな集まるの早かったから先来ちゃった」ととぼけられた。ふざけんなと心の中で思いながらも、口から出てきた言葉は、

「私、これからは1人で学校行くね。」

苦しくて、悔しくてまた泣いた。こんなに悔しいと思ったのは人生初めてだった。悔しいのにやつらに何も言えない自分がまた悔しい。

1人で学校へ行き、1人で家へ帰る日々が始まった。目の前で悪口を言われるよかましか。でも、寂しい。この状況いつか終わるのかな。怖い。

ただ、私にはバレーボールがあった。いじめの悔しさから「やつらにバレーだけは負けたくない」と必死に練習に打ち込んだ。部活中は誰よりも声出して、家でも筋トレをして。

やがて一筋の光が。やつらには嫌われていたみたいだが、奇跡的に私と仲良くしてくれる子が同じバレー部で現れた。いじめられている私と仲良くしてくれるなんて、嬉しかった。さらにバレーをがんばった。

そして、ある日、いじめてきたやつらから「いじめてごめんね」と謝られるのである。急に、私へのいじめは終わった。意味がわからない。やつらの考えていることが理解不能。と思っていたら、いじめのターゲットが変わったらしいとうすうす気づいた。一発ぶん殴っておけば良かったと今でも後悔している。

今、に戻って来てしまったようだ。さあ本題へ移ろう。

約10年前、中学1年生だった当時の私に、今23歳の私から伝えたいことがある。どうか、時空よ超えてくれ。


いじめられているキミへ。

いじめられている中学1年生初期のキミ。部員の数人からいじめられつつも部活をやめないでバレーを続けてくれてありがとう。しかも「いじめてきたやつらにバレーだけは負けたくない」という反骨精神で、必死に練習してくれてありがとう。13年生きてきた中で一番辛い悔しい出来事だから苦しさは相当だよね。キミの勇気と努力が未来にどんな素敵な影響を与えているのか、キミは知らないのだろう。キミは中1でいじめを受けつつも、必死に努力し練習したおかげで、当時同期の中で誰よりも早く先輩と試合に出るようになる。中2の時、すでに部長は〇〇で決まりだと皆が思っていた中、その子を差しおいて部長になる。いじめられっ子が部長になるなんて夢にも思わなかったわ。高校では、ハンドボール部に入るんだけど、周りが強すぎて今度はいじめとは違った悔しさを味わうわけよ。悔しいって思いからまたキミと同じように努力するわけよ。キミはどうやらいじめを経験して、悔しさから「努力」することを覚えたらしい。そして、「負けず嫌い」になったらしい。今23歳の私は、今年4月から社会人になった。最近「負けず嫌いだよね」って言われることが増えたの。自分では全然気づいていなかったのだけれど、周りからはそう見えているみたい。キミの勇気と努力が未来の私を「負けず嫌い」にしたんだよ。努力家にしたんだよ。本当に感謝してる。

キミは今でも私の芯となり、支えてくれている。だから、今、ものすごく辛くて苦しいかもしれないけれど、未来のキミのために精一杯生きてくれ!

どうかいじめられているキミに届きますように。


(私の目に突然飛び込んできた「#8月31日の夜に」のハッシュタグ。衝動にかられて書いてしまった。)


ゆうき。


おわり。


私の将来のささやかな夢は愛のあるほっこりエッセイ本を出すことです。サポートしていただいたお金はエッセイ本を作るための費用にあてさせていただきます。