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NY観劇レポート"Romeo&Bernadette"(Amas Musical Theatre)1/25/2020

オフブロードウェイのミュージカル"Romeo & Bernadette" (ロミオとバーナデット)を見ました。友人が出演していたこともあり、楽しみにしていました。

タイトルから想像できますが、ロミオとジュリエットのロミオが主人公です。1960年ニューヨークのブリックリン、シェイクスピア舞台「ロミオとジュリエット」を見たカップル。彼のほうは感激ですが、彼女は冷めていて、デートも盛り上がらず。そこで、彼が「この話には続きがあるんだ…」と言ってロミオのその後を語り始めます。そこで、劇中劇に。

悲劇の死をとげたロミオは現在(1960年)のイタリア、ヴェロナ(ロミオとジュリエットの舞台)で目を覚ます。愛しのジュリエットを探すロミオですが、出会ったのはたまたま家族で旅行に来ていたアメリカ人バーナデット。ジュリエットだと思い込み、彼女にアプローチするロミオ。話す言葉はシェイクスピア時代の古英語、誰も相手にしてくれません。もちろん、バーナデットには変人扱いされます。ここであきらめないロミオ、彼女をアメリカまで追いかけます。バーナデットはイタリア系アメリカ人の娘で婚約者がいます。それにもめげず歌や詩でロマンチックに彼女に思いを伝えるロミオに彼女も惹かれていきます。

ロミオの英語はシェイクスピアの時代の古英語で、それが現代とのギャップになっている面白さに加え言葉の美しさが引き立ちます。しかも、設定が1960年のニューヨーク、イタリア系の家族が中心になっているところがカギです。というのもウェストサイドストーリーを思わせる要素も多々あります。ウェストサイドストーリー自体がロミオとジュリエットをもとに、1960年のマンハッタンの異なる人種の若者グループ(ギャング)の抗争と恋愛悲劇を描いています。ロミオがその時代にやってきて、つまらない過ちを繰り返してはいけない、と訴えるセリフがあります。バーナデットの家系はイタリア系マフィアで、他のグループとも対立していて、それがキャピュレットとモンタギューの争いとかぶります。ただ、これはフィクション&コメディーなので全部まとめて笑い飛ばしてしまえるのです。

出演者も多才で、歌はオペラからポップスまでこなし、一人で何役もこなすアフリカ系アメリカ人俳優の演技は素晴らしかったです。音楽自体はイタリアのクラシックをアレンジしたそう。もちろん、私の友人もしっかり笑いをとりながら、大活躍でした。ストリーはシンプルで、笑って泣けるロマンチックコメディーという感じで、見終わった後もすっきりです。お客さんの年齢層は高めで意外でした。クラシックなシェイクスピアをもとにしているからかもしれません。バレンタインにもピッタリなミュージカル、2/16日までです。


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