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そうだ、ヒッチハイク、しよう ⑪ 徳島編


徳島の寺巡り

ヒッチハイク旅16日目。
えー、はい、完全に風邪をひきました。
昨晩から煙草を吸うのがしんどいくらいの咳が出るようになり、それでも煙草は吸いたくて、涙目でゴホゴホ言いながら吸っている。
家出さんも私ほどではないものの同様に喉風邪の症状を訴えているが、朝起きて旅館の周りを散策しに行くくらいなので私よりは元気なのだろう。最終日だし、ついて行きたい気持ちはあったのだが、私はいよいよ自分に熱があるんじゃないかという気もしてきたので薬を飲んでチェックアウトギリギリの時間まで寝ていた。
万が一これがコロナだったら旅はここで強制終了。それだけは避けたいと祈る。

16日目を迎えた旅のここまでの経路

チェックアウトの時間までまだ少し余裕があるので、ここいらで一度、出発してからここまでの旅を軽く振り返っておこう。
まず熊本を経ち、山口は下関に到着。秋芳洞に寄りつつ山口市内に入った後は、下松まで行きトラックに乗せてもらう。そのトラックで広島をスルーして一気に岡山にたどり着くと、瀬戸大橋を渡って丸亀経由で高松へ。そこからは家出さんと二人で高松から高知室戸を経由して徳島に至る。大体こんな感じ。
思えばずいぶん遠くまで来たもんだ。

と言うわけで、万全ではない体調を押して今日も出発。
昨晩この旅館に置いてあった観光パンフレットを読み漁って見つけた海中遊覧船に乗るためにマリンジャムと言う施設へ向かう。
船底に窓が設けられている船に乗っておよそ40分のクルージング。カラフルな熱帯魚を船の中から間近で見ることができるのだと言う。これは絶対楽しいやつ!
ところが、いざマリンジャムに到着してみると、遊覧船は強風の為に運行停止
これは海系のアクティビティはほぼ全滅だろう、と言うことで昨日から練っていたこの海中遊覧船でクルージングを楽しんだり、徳島に世界で初めて導入された線路と道路の両方を走れると言う世にも珍しいDMV(デュアルモードビークル)に乗ったりする旅行プランは撤廃。大人しくお寺を目指すことに。

第二十三番札所 薬王寺

厄除の寺として有名な薬王寺は、今の私たちにぴったりだと言える。
今現在我々を苦しめているこの風邪と、今後の旅中の厄除を願ってお賽銭も多めに入れる。その甲斐あってか、この日以降、旅を終えて家に帰り着くまで病気らしい病気はしていない。

第二十一番札所 太龍寺

続いて向かったのは太龍寺。このお寺、なんと標高600メートルの山の山頂付近にあり、ロープウェイが開通する以前は、車を使っても坂道を30分以上歩かないとたどり着けない難所としてお遍路さんたちを苦しめていたらしい。

まあ我々は修行僧ではないので普通にロープウェイで向かう。
登った先には土産屋があり、キノコ茶と言う珍しいお茶を売っていたので、家出さんはこれから帰る自分の家に一つ、そして私にも一つそれを買ってくれた。
帰りのロープウェイの中で、家出さんは昔に母とこのロープウェイで太龍寺を訪れたことを思い出した、と言って涙を流し始めた
50代になるおじさんの突然の涙という状況に多少困惑するも、この二人旅が単に私に付き合って四国を回っただけでなく、本人にとっても何かしら感じることのある旅になったのであれば何よりである。


家出さんとお別れ

目的のお寺も見終えて、いよいよ私たちの乗った車は二人旅の最終地点である徳島駅へと向かっていた。我々が最後に共にする食事は、徳島名物徳島ラーメン

有名店、やまきょうさんの徳島ラーメン

実は岡山にいた時にも徳島ラーメンの店は見かけていて、ずっと気になってはいたのだがせっかくなら徳島の現地で食べたいから、と我慢し続けていたのだ。
そんな念願の徳島ラーメン。すき焼きの割下のような甘口のスープが特徴で、生卵をいれる人も多いので本当にすき焼きラーメンと言われることもあるほど(私は生卵が苦手なので入れないが)。
正直言って今まで食べてきたラーメンの中で一番好きだ。

徳島駅近くの快活まで送ってもらって、ついに家出さんともお別れ
別れ際、まだ風邪でしんどそうにしている私を見て風邪薬と、治るまでしばらくゆっくりできるように、と数日分の宿泊費までくれた家出さんに私が返せるものとはなんだろうか。
徳島から高松に向けて走り出す彼の車を見送りながら、彼が無事帰宅して家族と仲直りできることを祈った。

流石に今日は仕事も募集せずに大人しく薬を飲んで快活でひたすら寝る。
快活ヘビーユーザーでプラチナ会員の私が、快活のとっておきの秘密を教えてあげよう。それは、快活のソフトクリームは店舗によって味が違うということだ。
ソフトクリームがめちゃ美味しい店舗もあれば、そんなでもない店舗もある。これは私が全国の快活を渡り歩いて見つけた法則。きっと気のせいではない。

因みに私が快活で何をしているかと言うと、ここ最近はずっとセンゴクと言う漫画を読んでいる。信長に仕えた秀吉、その秀吉の配下だった仙石権兵衛という男にスポットを当て、彼の視点から激動の戦国時代を見つめる歴史物である。
正直、旅に出るまでは戦国時代も日本史もさして興味はなかった。どちらかと言えば世界史の方が好きだし、信長の野望よりもCiv派だった。
ところが、こうして日本を旅しながらお金をあまりかけない観光をしようと思えば、どうしてもお城とか寺社ばかりを回ることになる。そしていくら興味が薄かったとしてもこれだけあちこち見ていると、好きになるというか色々知りたくなって歴史の方にも興味が湧いてくるというわけだ。

「センゴク」宮下英樹/講談社 18年に及ぶ連載の末に完結した


鳴門へ そして四国脱出

17日目の朝。
薬を飲んでゆっくり休んだ甲斐あって、体調はほとんど回復。煙草を吸うと多少咳は出るが、これはもう仕方ないことなので諦める。

徳島中央公園

快活を出て、途中にある徳島中央公園に寄り道して散策などしながら駅へ向かって歩く。
今日の目的地は鳴門。鳴門と言えば鳴門海峡、否、鳴門競艇である。
丸亀ぶりの競艇に胸が躍る。今日の鳴門は私の好きな女子戦の開催日で、私の推しレーサーである宇野弥生選手も登場するので非常に楽しみだ。

小鳴門橋の架かる競艇場

鳴門競艇場までは徳島駅から無料バスが出ている。車内はこれから競艇場に向かうおじいちゃんやおばあちゃんでごった返しており、馴染みの客同士がお喋りに花を咲かせている様子はまるで老人会のような雰囲気。
因みに今回のように現在地から目的地までの間に競艇場がある場合なんかは、貴重な無料の移動手段としても使える。競艇最高!

今日は珍しく、女装してなくてもいいから会ってみたいと言う男性とこの競艇場で待ち合わせもしていた。女装はしないので仕事ではない。
待ち合わせに現れたのは背の高い細身の男性。数レース一緒に観戦した後、食事に誘われる。目的の宇野選手と清水愛海選手のレースは終わっていたので、一緒に競艇場を後にして向かったのはまた別の徳島ラーメンの店
昨日も食べたのに!と思われるかもしれないが、それでも全然食べたいと思えるくらい徳島ラーメンは美味しいし、心配なのはカロリーくらい。

同じ徳島ラーメンでも、昨日のとは見た目も味も結構違って美味しかった

食事を奢ってもらいながらここ徳島に至るまでのヒッチハイク話をしていると、この男性は今から仕事で淡路島に向かうから乗って行かないかと誘ってくれた。
この先の予定がまだ何も決まってなかった私には断る理由などあるはずもなく、彼の提案に乗って四国を脱することに決めた。
ヒッチハイク成功である。



今回の移動まとめと各県雑感

  • 海陽町(徳島)-徳島市 続ヒッチハイク(家出さんの運転)

  • 徳島市-鳴門(徳島) 無料バス

徳島県 (県庁所在地 徳島市)
往路での四国最後の件は徳島。愛媛は復路に残してある。これは絶対に内藤くんに逢うんだという固い意思表示。徳島はなんと言っても徳島ラーメンが最強。香川がうどん、食べてはいないが高知にはジャン麺というローカル麺があり、徳島がラーメンで四国は麺類の住み分けが上手にできていると思う。
堪能した名物 薬王寺、太龍寺、徳島ラーメン、鳴門競艇


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