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そうだ、ヒッチハイク、しよう⑭ 青森編 前編


Movin'on without you

休憩で寄った岡崎SA(愛知)

20日目は完全に移動日というやつだ。
大トラさんのトラックは給油を終えた後、大阪、岐阜、愛知、静岡でそれぞれ荷下ろし。
これが知らない人であれば、一応は手伝いましょうか?と声を掛ける場面であるが、大トラさんだし、私じゃ戦力にならないことは分かりきっているので黙っておく。
超長距離の移動ではあるが、静岡では足柄SAに寄って温泉にも入れたりもしたので、ただ同乗してる分には思ったほど過酷ではない。もちろん運転手の大トラさんは運転しっぱなしだし、各地で荷下ろしもやってるので大変だろうけれど。

21日目も様々なPAやSAで休憩を挟みながら青森へ向かう。
長距離ドライバーをやっているとこんな風に色んな所で色んなモノを食べられるからいいな、と思ったのだが、同じく長距離ドライバーをやっている私の弟に言わせれば所詮SAクオリティだからイマイチらしい。食にうるさい人は人生の幸福度も低そうだな、としみじみ。
因みに私は弟が長距離ドライバーになって初めて一人で熊本から鳥取まで行く仕事の時に、こっそり同乗させてもらって一緒に米子まで行った事がある。道中眠くなるから話し相手になって欲しいとのことで、その時は単に一緒に行って帰って来ただけで別段観光などもしなかったが、こういう時にしか出来ないような話など沢山していい思い出だ。

今回もヒッチハイク旅に出るにあたり、この長距離をやってる弟に助言を求めたこともある。弟曰く、「最近のトラックはドラレコ載ってたり、会社から知らん人間を乗せるなと厳しく言われてたりするから、トラックにヒッチハイクで乗せてもらうのは厳しいんじゃないかな。二人体制でやるとこも増えて来たから、そもそも乗るスペースが無かったりもする」とのこと。
私も旅に出るまでは、ヒッチハイクといえば長距離トラックに乗せてもらって、お礼に運ちゃんの吸ってるタバコを一箱買って差し出したりなんていうイメージだったから、結構衝撃だった。
これを受けて私は初めからヒッチハイクは一般車の一本釣りでやって来た訳だが、こうして大トラさんという知り合いのトラックに乗せてもらえているのも本当に巡り合わせというか、運がいいなと思う。

そんな話をしているうちにトラックは青森県に到着。
ちょうど大トラさんの青森での荷下ろし場所が八戸の方だったので、私もそこで降りて青森市内へは電車で向かう。何せもう日も暮れかかっているので、この時間から更にヒッチハイクは正直厳しい。
駅まで歩きながら今一度実家に電話。
「えーっと、今青森にいます」
は!?
「ヒッチハイクで長距離トラックに乗せてもらって、青森まで来ました」
は!?!?
「せっかくここまで来たから、このまま北海道に行って、それから帰ろうと思います」
はぁ!?!?!?!?
怒られる前に電話を切って電車に乗り込む。
電車内にはスポーツバッグを抱えた部活終わりと思しき学生たちが数人。
自分でボタンを押さないとドアが開かない電車に乗ると、田舎に来たなという実感がする。それにしてもずいぶん遠くまで来てしまった。
東京より北の県はすべて、私にとっては完全に未踏の地なのだ。

夜の青森駅前

1時間ほど電車に揺られて、青森駅に到着したのは21時過ぎ。
流石にもう時間も遅いし疲れてるしで、観光通りの快活へ直行してこの日は就寝。


SAKURAドロップス

青森では「ねぶた」弘前では「ねぷた」というらしい

ヒッチハイク生活22日目。
朝から電車に乗って弘前桜まつりを観に行くことに。

日本一とも言われる弘前の桜まつり。
私のような九州民からしてみれば、桜と言えば大体卒業式から入学式くらいが一番の見頃で、こっちではGW前のこの時期でも満開の桜が観れるということにまず驚く。

お花見をしに来ている人たちも多数

天候にも恵まれ絶好のお花見日和ではあるのだが、流石に一人でブルーシート敷いて酒を飲む度胸は無かったので、てくてくと歩き回りながら桜を写真に収めるに留める。

このお化け屋敷、ひたすらあのちゃんのゲロチューを流していたけど、どういう意図だったのかは不明
弘前城の別名は鷹岡城。桜が映える映える

お祭りだけあって出店なんかも多く賑やか。
因みに弘前の桜まつりは弘前城のある弘前公園で毎年開催されているので、ついでに弘前城も見学しに行く。
この弘前城、こちらも江戸時代からの天守が現存し国の重要文化財に指定されているのだが、その天守を保護する為に曳家にて移動させてから工事をしたというちょっと変わった経歴の持ち主だ。

東北唯一の成人映画館

桜まつりを堪能した後は、東北で唯一、ここ弘前にしかない成人映画館テアトル弘前をちょっとだけ覗いて市内にとんぼ返り。
この後青森市内でお仕事の予定が入っていなければ弘前に宿泊してこの映画館の様子も皆様にお伝えしたかったのだが、今回は時間が無かった為に建物の写真を撮ることしか出来なかった。
もしこのテアトル弘前をよく遊び場にしているという女装さんがいらしゃいましたら、全国女装スポットマニアの私、夕方由美子までご一報くださいませ


Can you keep a secret?

青森駅を出てちょっと歩いた所に、まちなか温泉という銭湯がある。
この中心駅からすぐという絶好の立地と設備の割に料金が安く、受付のおばさんも親切で人当たりがよいのでかなり気に入っている。ちゃんと男湯にもシャンプー、ボディソープだけでなくコンディショナーまで置いてくれてる所も最高。もちろんサウナも完備。
全国回った私がベスト銭湯賞を与えるのがこの青森のまちなか温泉である。

まちなか温泉でしっかりお風呂に入ってから仕事の待ち合わせへ。
現れたのはまだ30後半くらいの若い男性。ヒッチハイクでここ青森まで熊本からやって来たと言うと心底驚いていた
やはり同じ話でも山口でするのと青森でするのでは反応がかなり違う。
私が明日は三内丸山遺跡を観光するつもりだと言う話をしたら、その男性は住んでいるのが遺跡のすぐそばで社宅だからそこに泊まって行っていいよと言ってくれた。ラッキー!

地毛女装がウィッグ女装に勝る点なんて、こういったお泊まりにも対応しやすいぐらいしかない。
やった事がある人は頷いてもらえると思うのだが、ウィッグを装着したまま寝るのはなかなかしんどい。起きた時にはズレているか、最悪外れてしまっている可能性だってある。
ウィッグを着ける時は、地毛はその下にネットにまとめているので、ウィッグが外れた時のその様子はいくら化粧をしていてもちょっと見るに耐えない
例えばプレイ中に動きすぎてウィッグが外れてしまったら、(少なくとも私は)一気に気分まで冷めてしまう。その心配が無いことだけが地毛のメリット
ウィッグの方がその日の気分やファッションによって自由に変えられるし、長い髪を乾かすのに時間を取られないし、メリットは多い。
じゃあ何で私は地毛かって? ただの意地だよ!



おまけ ここまでの移動と登場人物まとめ

ボソンジャンプによって大阪青森間の超長距離移動に成功
  • 大阪-八戸(青森) ヒッチハイク(大トラさん)

  • 八戸-青森市 電車

  • 青森市-弘前(青森) 電車

ここまでの名前付き登場人物まとめ
【ゲーム友達】
・内藤くん 愛媛在住。広島旅行メンツ 往路では会えなかったので復路で会うことに
・黄色さん 広島在住。広島旅行メンツ 当時は大阪単身赴任中で大阪にて面会済
【女装・ヒッチハイク関係者】
・大トラさん 旧軽トラさん。公園メンツ 熊本の公園で一緒によく屯してた
・ミクちゃん 山口で出会った女装子さん。強烈だが再登場しない
・岡山さん 岡山でアパートに居候させてくれた。岡山には戻ってくる約束をしたので、旅中もちょくちょく近況報告を求めるメールをくれた。
・家出さん 四国を二人旅した相棒。酒癖が悪い。

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