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燃えろよ燃えろ その③

灰の中から掻き出してみると、
まだ火の消えていない
小さな炭。


それを見て、私は知る。


毎朝、
毎晩、
彼が小さく息を吹きかけていた。


(…これを消さないためか…)


種火があれば。
それがどんなに小さくても
また大きな炎にすることもできる。


(……)


そこでやっと、
周囲の音に気づいた。

バーベキューしたり
川で遊んだり
鬼ごっこしてみたり
寝転がって本を読んだり
飲んで笑い合ったり。

思い思いにみんな、
この場所を楽しんでいる。


(…ああ、
 そうか私、
 ずっと火の番を
 している必要なかったのか。)


どうやらこの種火を
管理している人は居るらしい。
その人はたまにやって来て、
消えていないかを確かめる。
消えそうになっていたら、
ふっと息を吹きかける。


(…じゃあ、
 私も遊びに行ってみようか。)


私はゆっくり立ち上がる。
ずっと座っていたから
身体のあちこちが痛い。
そんなことにも
今更気づくのだった。




大きな炎が見たくて、
こっちが消えそうなら
あっちでまた燃やさねばと思った。
そっちが燃えないなら
また別の場所で
薪を積もうとしていた。

アワアワして
あくせくして
どこでも不安定で
どの薪もバラバラで
崩れ落ちている。

キャンプファイヤーも
楽しいのだけど。

大きな炎の前で
彼と遊んだあの夜は
本当に楽しかったけれど。



楽しいことは、
それだけではない。







…というわけで、
いつまでもくすぶっている
火の番をしている自分の姿を
思い浮かべると、
猛烈に他のことがしたくなった。


このところのやさぐれを
説明するには、ほんとは
3章も不要で
3文字で言える。

飽きた。

そういうことだ。


いや、
彼に飽きたわけではない。
恋に飽きたわけでもない。

むしろ
相変わらず彼が好きで、
どうしてもそれは消えない。

でも最初の頃のような
大きな火が燃え続けている
そういう関係ではない。

くすぶる焚火を眺め続ける、
それに飽きたのだ。



火遊びは楽しいけれど笑
水遊びも
土遊びも楽しいよ♡

火の番から解き放たれた、
そんな身軽さを感じている。
何して遊ぼうかな。

別の焚火を作る?
まあ、それもいいけど、
また番をしないとならないじゃん?
面倒だよな。
バーっと燃えるのを見て、
その周りをぐるぐる回って
そうやって遊ぶ??

それもアリだよ。
そんなこともするかも知れない。

でも今日のところはいいかな。
なんだか知らないけど、
小さな種火を守っている、
そういう人が居るから。

それすら消されたら、
この山ごと
ファイヤーしてやるぞ🌋🌋🌋


※火山、っていう絵文字があった。

笑。




俺が消すわけには行かない、
そう思っているんだろうな。

私が望むなら、
この火を守る、
そう思っているんだろうな。

ばからしいかな?

でも、

そんなふうに思えてならない。

だから、

どうしても、

彼が可愛い。

恋してるね笑



会ったときには、
また一緒に火にあたろうね。






そしていつも遊んでくださる
noterのみなさん、
いつかキャンプしたいねー笑!!!
キャンプファイヤーしたいねー!!!
私たちのキャンプファイヤー、
超ヤバそうじゃない笑??
地球燃やしそうじゃない??

燃え盛る火を前に
たくさんおしゃべりしたいなぁ…♡


ああ、
わくわくしてきたっ…!!!










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