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写真分析/ into free,

こんにちは。
出張撮影Your PhotographyのReiriです^^

今回の記事は『写真分析』です。
これ、前職ではよくやってました。簡単に言えば、『その写真を撮った根拠と表現手法について論的に分析すること』です(あれ?逆にややこしい感じになってますかね??)。

写真って、撮るだけなら誰でも超簡単に撮れます。カメラ持ってボタン押したら撮れます。
でも、それだけだと、『何を写真に残したかったのか』がわからない写真になります。カメラはあくまでも機械なので、人間の視覚情報とはいろんな点が異なるからです。人間の視覚情報は、その人の主観を反映して、見たいものだけ見たり必要のない情報は適宜ぼかしたりするものですが、カメラは多少操作をしないと目の前のぜーーーーんぶを平均的に、機械的に写すだけ、です。
雑踏の中でも好きな人だけはキラキラして見えてすぐ見付けられたりする、あの『キラキラして見える感じ』はカメラでそのまま撮っただけだとどうにも再現されません。人間の感情とか、主観とか、恋心とかが反映して『キラキラ見える』というあの『感じ』はとても人間的で、素敵です。でも、人間の視覚はその見え方をそのまま記録したり外部にアウトプットすることはできないので、飽くまでも記憶として自分の中にしか留めおけません。
そこでカメラの出番な訳ですが、前述の通りカメラはただの機械なので、『キラキラ見える感じ』という人間的な部分は備わっていません。だから、いろんな機能を駆使してその『感じ』に近い雰囲気で表現できるようになっています。
人が、この瞬間を残しておきたい、と思う、その想いの為にカメラがあります。そして、人にそう思わせるその瞬間を、いかにその想いに沿った写真として残せるか、という点が表現手法の取捨選択、ということになります。

前置きが長くなりました。
ここから、写真の分析に入りたいと思います。
今回分析するのは、自分にとっても思い入れの深いこちらの写真。

ご依頼を受けてご家族やお子様の写真を撮らせていただいているフォトグラファーが、顔の写っていない写真について語るというのもおかしなものでしょうか?もちろん、お顔の写っている写真や笑顔の写真は前提として押さえておりますが、その上で、躍動感溢れるこの瞬間が私はとても好きでした。
被写体の彼は小学生で、とにかく体を動かしたいというエネルギーに溢れていて、「撮影なんてどうでもいいからカメラを置いて一緒に遊んでよ」とぷりぷり怒っていました(笑)。
余談ですが、こちらとしてはご依頼いただいている以上お仕事としての撮影を遂行しないといけないわけですが、ご予約の際に「れいりちゃんとお外で遊びたい」というありがたいノリのご依頼だったので、可能な限りお付き合いしつつの撮影でした。

これまでスタジオでの撮影を12年間も続けてきた私にとって、野外撮影という環境はある意味では不自由さを感じる側面もあります。確定された要素がなく、光が刻々と移ろい、その時々でどんどん変化していく条件に合わせながらシャッターを切らなければならないからです。光、画角、それに合わせたカメラの設定、等々、考えているうちに被写体ははるか彼方にいたりします。
何しろ、被写体の彼はとても自由です。ひとところに留まることなく、親御さんをもって「マグロ化が進行している(意 : 止まっていられない)」と言わしめるのも納得の運動量で広大な芝生の広場を爆走してはサッカー・鬼ごっこ・土手滑りに興じていました。
そんな彼の姿を見ていると、自由なのって良いなあ、と思わずにいられません。そして、野外撮影という環境で不自由を感じる自分自身に「もっと自由で良いんじゃない?」とふと思った、その瞬間から、撮影することの純粋な楽しさに身を任せてみることにしました。
まず、彼を自由なままにさせること。「写真撮りたいからちょっとそこで止まって、こういうポーズしててくれる?」なんて言うのは無粋の極みです。私は生き生きと自由を謳歌して躍動している彼の姿を良いなあと思ったのだから。とは言え、まるっきり彼任せではフォトグラファーとしての主体性に欠けるというもの。自由に動いてもらいつつ、動きの予測ができそうな範囲へ誘導します。今回の場合は、点在する遊具のあたりへ。
水平垂直を保つこと、は、よく撮影の基本テクニックで言われることですが、今回は飛び回る彼の動きに合わせてほんの少し、左側に傾けています。飛び跳ねた彼の体の重心が向く方向に合わせて少しだけ角度をつけることで、視点に臨場感が加わりました。飛び跳ねている、その躍動感は、彼の体が宙に浮いたその瞬間が効果的に物語ってくれました。
フレーミングは、広く、広く。空間の広がりは、自由さをよく表します。どこにだって行けるし、なんだってやれる。そんな気持ちにさせてくれる彼の背中。
野外撮影という環境で感じる私の不自由さは、私自身の固定概念に他なりません。どう撮っても良い、選択肢は無限にある、その自由さに委縮して、自らを狭めてしまっていたのだなと思い知ります。いつだって、純粋に楽しむことができる子どもたちから教えてもらうことの方が多いなあ、と改めて感じます。
これだから、ひとの写真を撮ることがやめられない。

例えば彼が、これからの人生で、何か行き詰ってしまうことだってあるかも知れません。そんな時に見返して欲しい、彼の姿。
君の自由な姿が、ひとりの頭でっかちなフォトグラファーを自由にしてくれた、その瞬間のこんな写真。


予想はしておりましたが、翌日はえげつない程の筋肉痛に襲われました。まだ翌日に来てくれて良かった、とポジティブに捉えています。
次回の撮影までには、もう少し事前準備をして臨みたいと思います。(主に筋トレかな)

ちなみに、写真分析はフォトグラファーとしての写真力の筋トレになりますので、これからも随時書いてUPしていこうと思います*^^*
お読みいただきありがとうございました。


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出張撮影【Your Photography(ユア フォトグラフィ)】

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