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平日昼間は正面階段を迂回する王子稲荷神社(階段のある神社・お寺 番外編)

「階段のある神社・お寺」シリーズは3月にいったん終了したのですが、先日、テレビの散歩番組でこの神社の階段が映り、是非登ってみたいとやってきてしまいました。JR王子駅近くにある 王子稲荷神社 です。番外編として紹介します。

 王子駅からJR線の西側に並行している2番目の通りを北方向へ歩いていくと王子稲荷神社の表門にたどりつきます。

 門からのぞくと奥に鳥居がありその先に階段があります。表門の下には細い柱のようなものが突き出ています。呼び出しボタンが付いている不思議な柱です。

 柱をよけて奥まで歩きます。鳥居がかかっている階段は23段ありました。その左側の階段が28段で、少し楽に登ることができます。
 右側の鳥居の先には市杵島いちきしま神社(弁天様)が末社としてまつられていました。


 階段を登った正面が拝殿になります。東京都神社庁のウェブサイトによると江戸幕府11代将軍の徳川家斉が寄進したものとなっていました。


 立派な拝殿の向かって右側の先にも鳥居があります。階段は8段です。そこから先のエリアは以前からある神社の空間ということです。


 階段のすぐ近くに井戸があり、まわりに あじさい が咲いていました。


 鳥居を通って右側にもお社が…。実はこちらが 本宮 になります。


 本宮の右側にちょっとした 千本鳥居 が並び、突き当りにも 稲荷社 が3社ありました。


 3つの稲荷社の左隣りには 御石様(願掛けの石)があります(写真の奥)。まつられた石を、願いをかけながら持ってみます。軽いと感じれば願いがかない、重いと感じればさらに努力が必要ということです。


 御石様の手前の鳥居をくぐり30段の階段を登るとそこが お穴さま(狐の穴跡)です。切り立った崖のような壁に小さい洞窟があって、そこにはたくさんの狐の置物が飾られていました。


 神社の中の高低はこのようになります。お穴さまの崖の上には小学校があります。

「階段のある神社・お寺」シリーズではその神社・お寺のメインとなる階段の段数を数えていました。シリーズの中でこれまで一番少ない段数が代々木八幡宮の28段でした。男坂の段数です。
 王子稲荷神社の場合、鳥居のある階段の23段が同じ位置づけの段数になります。本宮を中心に考えるのであれば8段が残っているともいえますが、代々木八幡宮でも社殿までの途中に4段あったのを、男坂から離れていたのでカウントしませんでした。ですので、王子稲荷神社の階段はこのシリーズでは23段としました。



 平日の昼間にもういちどきてみました。

 表門が閉められていました。柱は扉を固定するためのもので、呼び出しボタンは閉じられている時の連絡用であることもわかりました。


 神社やお寺が幼稚園を併設することはめずらしくありません。多くは神社、お寺の横に園舎や庭を作りますが、この いなり幼稚園 の場合、階段の下一面が子供たちのための庭となり平日昼間は表門を閉めていました。すぐ横(南側)の いなり坂(王子稲荷の坂)を拝殿までの迂回路にしていました。


 迂回路の いなり坂(王子稲荷の坂)です。


 いなり坂を上ったところの鳥居です。坂が急で、鳥居まで斜めになりながら出入りしなければならないことがわかります。この先に拝殿があります。

 拝殿側からみると階段の上でも柵が閉められていました。鳥居の拝殿側、柵の外側に狛犬がいます。また、写真では鳥居に隠れているのですが、階段側の左右に、下の庭を見守るように狐がいました。

 拝殿正面の階段を登り降りする場合は土日に来るのがよさそうです。



王子駅、王子稲荷神社 近辺には水にまつわる場所がいくつかありました。

 王子稲荷神社からさらに北側、赤羽方面へ歩いていくと 名主の滝公園 がありました。東京都北区のウェブサイトによると江戸時代に名主が自邸に作った庭園が名前の由来ということです。公園内には4つの滝がありますが、現在は写真の男滝おだきだけポンプで池の水を循環して使っているということでした。

 JR王子駅の西側には音無おとなし親水公園があります。かつて石神井川が流れていた跡地を整備した公園で、この時は家族連れでにぎわっていました。水に入ってもよいエリアとして整備され、暑かったこの日は子供たちが遊んでいました。
 石神井川の水は現在どうなっているかというと、洪水などの被害を防ぐ目的で飛鳥山公園の下にトンネルを作り迂回させています。では、公園の水は…、湧き水をポンプで循環させているそうです。



 水から離れますが…
 飛鳥山公園の北側、音無親水公園との間にある広い道路は曲がりくねった明治通りです。都営荒川線の路面電車が道路の中央を走っています。赤信号で停められると、スピードを落とし坂道をゆっくりと進んでいくのですが、電気モーターで難なく上っていきます。後ろを走るディーゼルエンジンのバスも上る速度はゆっくりですが、進んだり止まりそうになったりを細かく繰り返しており、その挙動が路面電車と微妙に違っておもしろく、しばらく見てしまいました。


アクセス

 王子稲荷神社は王子駅から歩いて5,6分程度になります。JR駅、東京メトロ駅のどちらからもJR線の下に作られた連絡通路を通り、まいばすけっと 近くの交差点から北方向の平らな道路を歩きます。坂道を上るルートだと拝殿横の鳥居に向かってしまい、階段を下から見ることはできませんのでご注意ください。

(2023年5月に2回来てみました)


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