ChatGPT は小説「ジュプ・エ・ポァンタロン」を創作できるのか (前編)
ChatGPT の話題が広がってきました。数日前のバレンタインデーにはNHKがニュースの中で ChatGPT にラブレターを書かせる実験をしたほどです。
実はさらに数日前、「ジュプ・エ・ポァンタロン」の初稿を書き上げ、最後の数話を最終的に推敲していた時期にIDを取得しました。始めは検索機能として使ってみましたが、期待したような結果がでてきません。どのような文章で問い合わせればよいかがわかりませんでしたし、検索のコツのようなものも知りませんでした。それでもやってみようと入力を続けました。
次にある事例は、最近ニュースになっていたバートバカラックを検索するというものです。「バートバカラックのことを教えてください」と入力しましたが、結果にたどり着けませんでした。追加情報として「カーペンターズの曲とかを作った人なのですが」と入力すると、それらしい情報が出てきました。
IDを取得してから一週間弱が経ち、このレポートを書く直前にもう一度トライしてみました。時期をずらして同じ文章を入力してみるという実験です。そうしたら、今度は400字程度の紹介文が出てきました。
AIが自ら学習して、答えられなかった同じ質問にも答えられるように進化したのでしょうか。これには驚きました(でも、答えの中にカーペンターズはありませんでしたが…)。進化が続くと検索のシロウトでも簡単に、素早く、欲しかった情報を手に入れられるようになるのでと期待できます。
そうなると、別の面も気になってきます。ChatGPT は小説「ジュプ・エ・ポァンタロン」を創作できるのだろうかと。
NHKはラブレターを書かせたわけですから、何らかの文章はアウトプットされるのではないかと期待して。
1.まず全体の筋書きからどのような文章ができるかを試してみました
ChatGPT は対話型のAIということですので、少しずつ問い合わせることにしました。全体の流れとして次の文章を入力しました。
「高校を卒業したばかりの少女が上京して、大学への入学を悩む姿を小説にしてください。」
結果は次のようなものでした。
主人公の名前が「美香」になってしまいました。大学に入学するかどうかを悩んだのではなく、どこの大学を選ぶか悩んだということになりました。
なぜ、アート系の大学を志望したことになったのでしょうか。この部分には違和感と驚きがありました。一般的に志望する大学は文系か理系の二択です。アート系を選ぶことは少なく、稀なことだろうと考えていたからです。実は、この出力の前に事前テストとして、タイトル名の「ジュプ・エ・ポァンタロン」を入力して試していました。いったんログアウトしたので、クリアされているだろうと思いこんでいましたが、入力履歴を経験として引き継いでいたのかもしれません。
2.主人公は「孝子」です。母親を登場させます
「主人公の名前は『孝子』です。そして、母親は一人で上京した孝子を心配していました。」
孝子はすでにアルバイトで生計を立てていたことになっています。また、入学から卒業までの長い話しになっています。
3.入学までの短い期間とし、友だちを登場させます
「孝子が上京してから入学するまでの葛藤を描いてください。この間に、カズエと翔という友達もできました。ある洒落れた街の衣料品でバイトすることも決まりました。」
実は衣料品店とすべきところを「衣料品」と入力してしまいました。それでも出力では「衣料品店」に直されていました。このあたりの修正能力はすごいものです。
大学に入学するかどうかを迷っているという設定に変わりました。
友だちについてはカズエが「地元の友人の友人」となっています。「地元の友人」でもいいのに、どうしてでしょうか。翔だけが大学のクラスメートです。その後の展開を想像して人物像を設定しているのでしょうか。恋愛小説に発展しそうな匂いがします。そうだとすると末恐ろしい頭脳です。
4.入学式に両親がやってくることを加えます
「入学式に孝子の両親もやってきました。そしてバイト先の衣料品店に挨拶に行きました。カズエと翔も一緒です。」
両親がやってきたことは書かれていますが、バイト先へのあいさつは友だちだけで行ってしまいました。私は両親が行くのはあたりまえとして入力で両親を省略したのですが、そこのところをうまく読み取ってもらえなかったようです。
※ 後編ではタイトルや文字数を入力して、小説をまとめられるかを試しました。
(続く)
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