見出し画像

開放的な搭乗手続きフロア【羽田空港第2ターミナル国際線】

 羽田空港第2ターミナルの国際線ロビーは2020年3月にオープンしたものの、その後の航空需要の激減で一旦クローズし、ようやく2023年7月19日に再開しました。
 私は再開のニュースを見てこの国際線ロビーに初めてやってきたのですが、その開放的な空間に驚きました。搭乗手続きする出発ロビーといえば、裏側に預かった荷物のレーンや保安施設などがあって滑走路側が遮られていることが多いのですが、この国際線ロビーはC滑走路側(東側)が全面ガラスで、そのうえ屋根がドーム型で天井が高くなっているのです。明るく広い場所で、滑走路から飛び立つ飛行機を見ることもできました。
 このように滑走路や搭乗ゲートが見やすくなっているような空港内の場所といえば、展望デッキの他には搭乗ゲートのロビー(飛行機に乗る直前の場所)を思いつくのですが、保安検査の前、搭乗手続きの場所でこのように開放的なのは珍しいと思いました。


 やってきたのは土曜日の午前中。第2ターミナル2階の国内線出発フロアには羽田から全国各地へ向かう人たちが集まっていました。人と人との間を縫ってこれまでは一番南端だったD保安検査場の前までやってくると、その先に国際線のエリアがありました。


 国際線まで来ると人は少なくなります。正面右側にあるエスカレーターを上ります。再開までの間、このエスカレーターの手前でシャッターを閉め切ったままにしていたということでした。しばらくはターミナルのところどころに国際線の文字があっても、それがどんなところかわからなかったのはこのシャッターのためだったようです。現在は発着便がなくなる午後の時間帯から翌日早朝までの間だけ閉めているということでした。


 エスカレーターを上るとそこには明るい空間が広がっていました。


 上った左方向にC滑走路(東側)が良く見えます。その先は東京湾です。搭乗ゲートに停まっている飛行機も見えます。国内線ゲートで、山陽・山陰地方から四国、九州、沖縄など日本の南側へ向かう航空便が多いようです。国際線ゲートはフロア南側に位置する保安検査場のさらに外側になりますので、残念ながらこの風景からは外れていました。第2ターミナルは5階に展望デッキがありますが、国際線ゲートはこのロビーのドームに隠れて見えませんでした。

 ロビーで搭乗者が乗った飛行機を見送りたいという場合はフライトレーダーなどの航空機追跡アプリで搭乗機の現在位置を確認しながら、離陸のタイミングを待つのがよいかもしれません(C滑走路以外から離陸する場合は見えませんが…)。

 紫外線対策なのか全面ガラスには色がついていましたので、望遠を使うような本格的なカメラ撮影には適さないかもしれません。その場合はやはり、5階展望デッキがいいと思います。記念としての写真撮影であればここで十分だと思います。


 ところで、フロアの真ん中に変わったものが並んでいました。私は、かつて地下鉄駅改札外に設置されていた旅行会社の小さいブースを思い出しました。そのブースは真ん中が開いて入れるようになっており、店員さんが旅行の相談に乗ったり、パンフレットを配ったりしていたものです。でも、ここにある変わったものは閉まったままです。

 反対側に回るとわかりました。自動手荷物預け機の一部でした。国内線ロビーのように機械の後ろに壁があれば裏側に荷物を送り込むこともできるでしょうが、ここでは機械の周りに何もありません。下の階へ荷物を降ろすしかなく、さっきのブース形はその装置のカバーのようでした。


 見ていると搭乗手続きはロビー入り口近くに分散して置かれている自動チェックイン機で済んでいるようです。真ん中に並んでいるのはさきほどの自動手荷物預け機です。少し間隔を開けて設置されていました。ナンバーを掲げてはいますが機械の高さは大人の視界を遮るほどではありません。
 ここに第3ターミナルの国際線出発ロビーにあるようなカウンターらしきものは見当たりません。横に長いカウンターがあったとしたら、それも第3ターミナルのようにカウンターの上に屋根のような覆いがあったとしたら、カウンターの向こう側との間で視線が遮断される感覚になると思います。それがないのもこのロビーの開放感につながっているのだと感じました。

 写真中央手前側に丸いテーブルを置いてANAの係の人が作業していました。人が集中した時に搭乗者をどの自動手荷物預け機に案内するかを振り分けたり、問い合わせに応じたりしていたようです。一律には解決できない問題はやはり出てくるでしょうから、それをカウンターを設けて中から対応するのではなく、搭乗者の近くに出てきてもらえるスタイルはいいのではないでしょうか。スマートな感じがします。


保安検査場

 ロビーの南側が保安検査場への入り口になります。ガラスの扉はディスプレーにもなっており、Hello や See you again などの言葉が多言語で流れたり、日本的な模様が表示されたりしました。

 上部ディスプレーには国際線の行き先、出発時刻やゲート番号が案内されています。また、搭乗手続きの流れやゲートマップなどが順番に表示されます。ゲートマップでは国際線に加え、現在国内線で利用されている66番から70番、バス連絡用のゲートナンバーの枠も表示されています。ここに表示されている国内線ゲートのいくつかを国際線ゲートに振り替えることを想定しているのでしょうか? その真偽のほどはわかりません。


 私は以前、国内線70番搭乗ゲートを利用したことがあります。国際線71番の隣のゲートです。確かに行き止まりになっていました。保安検査場を通ってから、南端まで歩いてさらに回り込まなければなりません。途中の通路が狭いためか通路の曲がり角から先には販売店がなく、自動販売機だけだったと思います。なぜこのような通路になっているのかが不思議でしたが、その理由が限られたエリアを国際線と国内線に分けたためだとやっとわかりました。

 国際線の工事が始まる前はショートカットできていたのが仕切りのためにできなくなり、わずかな違いではありますが、保安検査場から遠く感じていました(仕方がないことなのですが…)。


 国際線ロビーでは待ち合いスペースは一つ上の4階にあります。テーブルや椅子があり、保安検査前に休憩できます。スターバックスの看板もありましたが、この時点で臨時休業中の貼り紙がありました。


羽田空港第2ターミナル国際線の概略図

 今回は国際線ロビーの見学だけでしたので、保安検査場より先は空港マップを参考に上の図に書き入れました。一度はここを発着する国際線を利用したいものです。

(追記 マップ下方の「1階から3階へのエレベーター亅は正しくは「1階から3階へのエスカレーター亅でした。修正しました。djkazさん、ご指摘ありがとうございました)

※追記のついでに
 東京モノレール、京急線は地下1階で第2ターミナルと接続します。中央エスカレーターが目立っていて地上2階の出発ロビーへ直行できます。吹き抜けの中を上っていくエスカレーターとさらに上の階とつながっている2台のエレベーターは海外の空港などでもあるような近未来的な印象を与えています(私はこのような空間を見るとアランパーソンズプロジェクトのアルバム「アイ・ロボット」のジャケット写真を思い出します。シャルル・ド・ゴール空港で撮影されたと言われています)。エスカレーターの前に長い列ができることもあるのですが、私はこの雰囲気を味わいたいがために、その列の最後にまわってでもこのエスカレーターに乗ってしまいます。そして…
 地下1階には国際線への表示もあります。そのまま右方向、南側へ進むように指示されます。そちらには1階へ上るエスカレーターがあり、上った先にあるのがマップに描きこんだ3階へ直行するエスカレーターです。2階国内出発ロビーの混雑を迂回できるルートですので、急ぐ場合はこちらを利用するのが良いかもしれません。(追記は7月28日)


現在の出発便は5便

 7月22日土曜日、23日日曜日に第2ターミナルを発着する国際線を調べたところ

 第2ターミナルを利用するのは出発便が5便、到着便が1便か2便でした。出発便の行先と到着便の出発地が違っているということは、第2ターミナルを出発した航空便が現地で折り返して戻ってくるのは第3ターミナルということになります。


 例えば、次のようになります。

2023年7月23日の事例

 ANA NH851便 ボーイング787-8ドリームライナー
  羽田 第2 発 10:20 → 台北・松山着 12:10

※ボーイング787-8ドリームライナーは、台北・松山空港で羽田行きとして折り返しました。

 ANA NH852便 ボーイング787-8ドリームライナー
  台北・松山発 13:26 → 羽田 第3 着 17:51

※日本と台湾の時差は1時間(台湾の13時は日本の14時)
※羽田空港と台北・松山空港のウェブサイトから発着情報を参照しました。

 例えば3泊4日の旅行で3日後に帰国する場合でも同じことで、行きは第2ターミナル発、帰りは第3ターミナル着となりそうです。

 アクセスがモノレール、京急線、バス、タクシーであれば問題はあまりないでしょうが、自家用車で第2ターミナルの駐車場に停めたとしたら、到着した第3ターミナルから第2ターミナルに戻ってこなければなりません。この点には注意しておいたほうがいいかもしれません。

無料のターミナル間連絡バスがあります

 上の写真は第2ターミナルバス停にあった無料連絡バスの説明です。第3から第2に戻ってくるには第1経由のバスがあります。第1での待ち時間もありますので約15分はかかるとみておいたほうがいいかもしれません。また、連絡バスの利用者が増えているようです。乗り切れない場合は次のバスを待つことになります。それでも時刻表によると日中は4分間隔で運行しているということでしたので、待ち時間は少なくてすみそうです。この無料バスをうまく使ってみるといいかもしれません。


(2023年7月24日)

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?