こんばんは。

前回たくさんの反応を頂いた【馬券に使える牝系10選】の記事 第2弾を作成しました。前回の記事は約2000PV・スキ54と多くの方にご覧頂くことが出来ました。

参考までに前回の記事を載せておくので是非読んでみて下さい。

今回もかなりの自信作です。

ちょっと長いですが、お役に立てる記事にはなっていると思いますのでぜひ最後までご覧下さい。

それでは始めさせて頂きます。
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クラフティワイフ牝系

『加齢とともに力をつける晩成牝系』

◇現役活躍馬の系譜◇
クラフティワイフ
→エヴリウィスパー
→アドマイヤキラメキ
→センテリュオ

8歳で始めてG1を制したカンパニー。5歳で初G1制覇 7歳でジャパンカップ3着となったトーセンジョーダンなどを輩出した牝系で芝中長距離における適性は言わずもがなですが、ノーザンテーストの影響も強く、やはり晩成タイプが多いという特徴があります。トーセンホマレボシを父に持つミッキースワローも加齢を重ね競馬ぶりが安定してきたように、同牝系持ちに関しては歳を重ねて充実期に入ったなと思ったらある程度は高評価し続けた方が良いです。

また派生が多い牝系でもあるのですが、センテリュオの祖母エヴリウィスパーを持つ馬は京都芝に強い傾向があります。センテリュオは先日のエリザベス女王杯で4着。全兄のトーセンスターダムはきさらぎ賞の勝ち馬。トーセンジョーダンも天皇賞春で2着と好走していますし、トーセンホマレボシは京都新聞杯を制しています。クラフティワイフからの派生牝系になりますが、ここも注目しておきたいポイントです。

クリソプレーズ牝系

『ダートでもG1馬を輩出するスタミナ芝牝系』

◇現役活躍馬の系譜◇
クリソプレーズ
→クリソベリル

この記事を書いている間に、クリソベリルがチャンピオンズCを制覇してしまいました。クリソプレーズ自身は先日亡くなってしまいましたが、マリアライト(エ女王杯、宝塚記念)・クリソライト(JDD、コリアC)・リアファル(神戸新聞杯、菊花賞3着)などすでに活躍馬を多数輩出しています。まだ牝系と呼ぶほど確立されている訳ではありませんが、後継含めこれから注目しておきたい一族です。芝でもダートでもG1馬を輩出しており、コンスタントに到達点の高い馬を出す優秀な牝系です。

キャサリーンパーという馬を母に持っており、ネヴァーベンド系のRivermanの影響を強く受けたスタミナに優れた牝系です。本馬はさらにエルコンドルパサー(キングマンボ・Sadler's Wells)が入っているため、より欧州的な要素がプラスされているところがポイント。マリアライトがG1の中でもタフな条件でのレースに強かったように、雨の残る芝やスタミナを要する条件&展開などでは注目しておきたい存在です。また欧州芝向きの適性が求められるタフなダートへの適性の高さ(地方のダートなど)もあるので、この辺りも注目ポイントです。

ケイティーズ牝系

『薄くなっても存在感の強い欧州型の名繁殖』

◇現役活躍馬の系譜◇
ケイティーズ
→ケイティーズファースト
→クィーンズダガー
→メイショウショウブ

ケイティーズは直仔としてヒシアマゾン(エ女王杯など)、マイケイティーズからアドマイヤムーン(JC、宝塚記念など)、ホワイトケイティーディドからスリープレスナイト(スプリンターズSなど)など、ケイティーズ自体がIn Realityに繋がるマンノウォーを持っていることもあり、特に芝の短距離、そこから中長距離でも高いパフォーマンスを発揮する産駒を多数輩出しました。

ケイティーズ自体はヨーロッパで活躍した馬なのでその牝系を継ぐ馬たちは、アドマイヤムーンが道悪の宝塚記念を制したように芝の道悪適性の高い馬が多いです。ただダートに関しては今ひとつで、ここ最近ではグレイスアンという馬が稍重ダートで2着と好走するものの、良馬場となった次走のダート戦では1人気14着と人気を大きく裏切る結果となってしまいました。

ただ考え方のひとつとして、もしダートで結果を残した同牝系持ちがいるのであれば、次走芝替わりでは少なからずパフォーマンスを上げるはずなので狙い目とも考えられます。メイショウショウブ(ダ未勝利 1着→デイリー杯2歳S 2着)がいい例ですね。

サトルチェンジ牝系

『洋芝で一変するドイツ牝系の派生型』

夏の札幌で連勝し、菊花賞・有馬記念・天皇賞(春)とG1を3勝したマンハッタンカフェのお母さんと言えばイメージして頂きやすいと思います。自身は英国系のステイヤーです。

10年クイーンS(札幌芝1800m)を勝ったアプリコットフィズ、15年函館記念(函館芝2000m)を勝ったダービーフィズ、11年みなみ北海道S(函館芝2600m)で2着のコロンバスサークル、その仔のレッドジェノヴァは18年北海道150年記念(札幌芝2600m)→オールスターJ第2戦(芝2000m)と連勝しました。以上のことからも分かるように洋芝(函館・札幌)の特に長距離戦においては必ず抑えておきたい牝系です。

またマンハッタンカフェ産駒が京都芝に良績があるように、この牝系も京都芝には強く、レッドジェノヴァ(18年京都大賞典2着)、クレスコグランド(11年京都新聞杯1着)、アプリコットフィズ(10年秋華賞3着)などの実績があります。

※マンハッタンカフェ持ちの京都芝 重賞実績

•父マンハッタンカフェ
クイーンズリング→16年エリザベス女王杯 1着
ヒルノダムール→11年 天皇賞春 1着
レッドディザイア→09年 秋華賞 1着 など

•母父マンハッタンカフェ
レッドジェニアル→18年 京都新聞杯 1着
ランスオブプラーナ→19年 きさらぎ賞 3着 など

シンコウラブリイ牝系

『東京芝2500mに強い英国スタミナ型牝系』

◇現役活躍馬の系譜◇
シンコウラブリイ
→ピサノグラフ
→ムイトオブリガード

自身が不良馬場のマイルCSを勝ったように道悪や長距離などスタミナが問われるレースでは意識しておきたい牝系です。

ご紹介したムイトオブリガードは先日のアルゼンチン共和国杯(芝2500m)を勝利しましたが、実は2着タイセイトレイルも同牝系。さらにシンコウラブリイの子からはトレジャー(04年 目黒記念2着)という馬がおり、シンコウラブリイの全妹に当たるシンコウビューティの子からはハッピールック(01年 アルゼンチン共和国杯2着)という馬がいるなど"東京芝2500m"に強い一族であることが分かります。

スタミナという長所はあるのですが、短所ももちろんあります。それは芝でスピード不足と判定されてしまいがちなところです。芝でスピード不足と判定されてしまうと、行き着く先はダート路線になってしまい、そちらに舵を切る馬も多いのですが、元々が欧州型の芝血統なのでダート的なパワーとスピードが要求される渇いた砂の場合、過信は禁物です。

（例）
ロードグラディオ→ダートレースの中でもグレードが上がってしまうと底が見えてしまいます。斤量にも恵まれたリボン賞(2勝C)までは勝てても、交流G1のジャパンダートダービーでは3人気10着。

ブルーファンク→不良馬場の新潟ダ1200mで2人気2着。芝馬でも走れる馬場状態とポジショニングが大事な新潟ダ1200mでは好走も、次走良馬場の福島ダ1150mでは前走よりダート的なスピードが問われるコースだったため1人気15着と大敗。

このようにダート的なパワーやスピードが求められる場合は、圧倒的に向いていないにも関わらず"芝でスピード不足"と判定されてしまっただけでダート路線に切り替えてしまいます。こうした傾向は人気馬の取り捨てなどにも使えます。

スカーレットレディ牝系

『芝でもダートでも重を狙え！』

◇現役活躍馬の系譜◇
スカーレットレディ
→レッドソンブレロ
→レッドブロンクス

ダートG1 9勝を誇るヴァーミリアンの母です。特徴としては芝・ダート兼用血統であること。特にタフさが求められる雨馬場の芝、ダートの中では軽さが求められる脚抜きの良いダート、この条件であれば買いと考えておいて下さい。

まず、ヴァーミリアン自体がダートG1を多数勝っていながらも2歳時には芝重賞も勝っているので、種牡馬としても上記の太字の条件では買いです。半弟のソリタリーキングもダート重賞は地方交流を合わせて3勝しているのですが、うち2勝が重馬場でのもの。現役で言うと現2歳の1勝クラスにはなるのですがレッドブロンクスという馬などが該当します。こちらも初ダート挑戦の場面では重馬場となり、見事未勝利を突破しました。

元々米国型のダート血統ではないため、あまりにダート的なスピードが求められる場面では苦しいとは思いますが(1600m以下の距離など)、得意・不得意がハッキリ結果に現れることも多いの系統なので注意して見てみて下さい。

ソニンク牝系

『タフな芝に強い英国牝系』

◇現役活躍馬の系譜◇
ソニンク
→ライツェント
→ディアドラ

今年、英・G1のナッソーSを制したディアドラ。不良馬場のダービーを制したロジユニヴァースを筆頭にタフな芝に強い馬を多く輩出する牝系です。

ソニンクのポイントは、間違いなく父Machiavellian×母父Nureyevというニアリークロスになると思うのですが、これはシュヴァルグラン(ドバイSC 2着)や半妹のヴィブロス(17年ドバイターフ1着 18,19年ドバイターフ 2着)の母ハルーワスウィートと共通する血統です。実際にディアドラもドバイターフで7人気3着と人気以上に好走していることから、重馬場やタフな芝に強いと言うことが分かるかと思います。

未勝利クラスにおいてもシェーネメロディが不良馬場で3着、ソニックベガが重馬場で2着などとなっています。後継などはこれから多く出てくるでしょうし、ここ最近では数も増えているので追いやすい牝系ではあるかと思います。

何回か説明してるパターンなのでお気付きの方も多いかと思いますが、欧州芝牝系→芝でイマイチ→ダート転向はあるあるです。ただソニンク牝系に関しては、ランフォルセやノーザンリバー、ヴァイトブリックなどダートの才能もそれなりにある馬が多い印象です。

タンザナイト牝系

『長く良い脚が使える持続型』

◇現役活躍馬の系譜◇
タンザナイト
→ダンビュライト

先ほど紹介したクリソプレーズと同じキャサリーンパーの流れを組む牝系です。ベースとして母キャサリーンパーがスタミナを保有するネヴァーベンド系のRivermanを父に持つことで距離適性が中長距離に向いていること。さらに芝中長距離の高速決着で高いパフォーマンスを出すことが特徴的です。

その中でも京都コースでよくあるようなコーナーを曲がる前からスピードアップが始まるような展開を好み、またスローの瞬発戦よりも前半から流れるような持久戦で高いパフォーマンスを発揮する傾向にあります。

ネプチュナイトは芝2200mの日本レコード保持馬。前半から流れる淀みのない展開を前目から押し切る競馬でした。父ルーラーシップの影響(キンカメ系の持つ高速芝適性)もあるかとは思いますが、淀みのない展開でも脚が衰えない持久力を牝系から補給していました。

ダンビュライトの皐月賞3着も速いタイムでの決着でした。こちらも京都記念1着や京都大賞典2着など比較的淀みの少ないレース展開だったことで発揮できるパフォーマンスが上がります。

トキオリアリティー牝系

『短距離や究極のスピード勝負で真価を発揮』

◇現役活躍馬の系譜◇
トキオリアリティー
→ウィルパワー
→インディチャンプ

先日インディチャンプがマイルCSを制し、マイルG1の春秋制覇を成し遂げましたが、他にも直仔としてリアルインパクト(安田記念 1着)やアイルラヴァゲイン(スプリンターズS 3着)を輩出しています。In Realityの影響を強く受けている米国的なスピードに優れた牝系で、芝の高速決着や短距離戦などは買い条件と言っても良いでしょう。インディチャンプの半妹にあたるアウィルアウェイも1200m戦では、重馬場などの条件(スピードを活かしにくい場面)以外では大崩れしていません。

In Realityの影響が強い牝系ということで、やはり新潟芝1000mにおいては狙いたい系統のうちのひとつです。この牝系からはアドマイヤフッキー(07年稲妻特別 1着)やアペルトゥーラ(17年ルミエールADなど千直で3勝)など、特に初挑戦などの状況においては積極的に狙って頂きたい牝系です。

※トキオリアリティー牝系該当馬
新潟芝1000m初挑戦時(2-0-0-3)
単勝回収率602.0% 複勝回収率146.0%

レディバラード牝系

『ダート替わりで一変するアメリカの名牝系』

◇現役活躍馬の系譜◇
レディバラード
→ベイコート

自身が父Unbridled×母Angelic Songの影響を強く受けているように交流重賞2勝含む全7勝がダート。芝でも走っていますが結果を残したのはダートのみでした。

産駒のベイコートも芝で新馬戦を使われた後にダートに転向し、現在2勝。レディバラードを祖母に持つロードクルセイダーという馬は新馬9着→未勝利9着と芝で使われた後、ダートに転向。未勝利1着(4人気)→500万下1着(6人気)と連勝し、伏竜Sでも2着(7人気)とし、低評価ながらも持っている血統のポテンシャルを如何なく発揮していました。以上のようにレディバラード牝系を持つ馬はダート替わりで狙い目です。

また少し話は変わりますが、レディバラードの半姉にMacarena Macarenaという馬がいます。この馬の子のエアマックールも芝では未勝利すら突破出来ずにいましたが、ダートに転向すると即快勝。その後はアルデバランS(OP)を勝つまで飛躍しました。そしてこのMacarena Macarenaを祖母に持つ馬として、皆さんも記憶に新しいエアアルマス(ダートに転向し安芸S→エニフS→太秦Sと3連勝)がいることをぜひ記憶の片隅に覚えておいてください。

以上10牝系をご紹介しました。

"牝系"は、ある程度血統を気にされる方の中でもどうしても意識が薄くなりがちな部分ではあるのですが、これだけでも傾向がわかる時もあるのでこの記事をきっかけに牝系も意識して頂けたらなと思います。

最後までご覧頂きありがとうございました。
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