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youの血統考察 #22 【G1勝ち馬の血統を分析して馬券に生かす!】


今回の血統考察のテーマは
G1勝ち馬の血統を分析して馬券に生かす です。

G1というのはその距離やコースにおける究極の適性が求められる一戦という認識を私はしております。そこで勝利した馬たちの血統を分析すれば普段の馬券に生かせるのではないか?という視点から記事を書いていこうと思います。なるべく血統に疎い方でも分かりやすいようにざっくりと纏めております。詳しい方からしてみれば、細かい適性の違いを感じるとは思いますがその辺りは目を瞑って頂けると有り難いです。


↓前回の考察記事です。よければ合わせてご覧になってみてください。

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まず始めにG1という話が出たので、注意喚起しておきたいことがあるのですが、血統馬券を始めたての方が陥りやすい1つのミスをご紹介します。それはG1馬の兄弟や産駒を能力が高いという推測だけで買ってしまうことです。これは末期の3歳未勝利戦であれば、ただ勝ち上がるだけの才能は持っているはずなので「良血」と呼ばれる馬を買うのも悪くはありません。しかしすでに何戦もして、重賞やG1を戦うまでの才能は微妙だと判定されてしまっている馬を「ただ良血だからと買ってしまう」という行為は危険です。しかも良血馬は少し好走するだけで売れてしまいオッズの期待値がさほど高くありません。あくまでも血統馬券は、どのベクトルに才能があるかを見つける。これに尽きると思います。名馬の兄弟や産駒であっても走らない馬はたくさんいますから。


すいません。少し話が逸れてしまいましたが、最後まで読んで頂けると幸いです。よろしくお願いします。




2019年 安田記念 勝ち馬インディチャンプ

父ステイゴールド
母ウィルパワー(母父キングカメハメハ)

まずこのレースを選んだ理由ですが、東京新聞杯(G3)しか勝っていない馬が、スタート不利はありながらも三冠牝馬のアーモンドアイを負かした訳なので実力を適性が上回ったレースだと捉えているからです。

この馬の注目ポイントは牝系です。祖母はトキオリアリティーという馬なのですが、非常に速い脚が使える牝系という認識はとりあえず持っておいて下さい。トキオリアリティーはIn Realityという速さに通じる米国型の血統を持っています。このIn Realityという血統は、以前アイビスSDの考察記事においても記載しましたが、新潟芝1000mのレコードホルダーでもあるカルストンライトオの父の系統と同じです。簡単に言ってしまうと高速決着の短距離戦に強いという認識で問題ないと思います。

ではなぜ安田記念と繋がるかというと、安田記念はマイル戦の中でもスプリント適性を持った馬が走りやすいレースだからです。本題はここではないので詳しくは省きますが、実際トキオリアリティーは11年勝ち馬のリアルインパクトを輩出しているので、そういうものだと思っておいて下さい。

ということでIn Realityは速いスプリント適性を求められるレースで買いです。またIn Realityでなくても米国型という系統に分類される馬は速い決着が得意なので以下に該当するレースは欧州型<米国型を狙ったほうが良いという判断が出来ます。まず真っ先に新潟芝1000m、良馬場や開幕週などでHペースが見込まれ速い決着になりそうな芝1200m、芝1600mであれば良馬場且つ高速適性が問われやすい東京コース、特にタイムの速いG1レースなど。芝1000mは無条件で狙えて距離が伸びるごとに条件付きで狙うようなイメージを持っておいて下さい。東京芝1600mであれば長い直線を差し切る父サンデー系で母系に米国型の速い血を持った馬を狙うのがベターです。

ちなみに先ほど紹介したインディチャンプの半妹にアウィルアウェイという馬がいるのですが、稍重のフィリーズレビュー(芝1400m)は1人気7着、良の葵S(芝1200m)は2人気3着。不良のCBC賞(芝1200m)は3人気8着と比較的分かりやすい成績をしている馬なのでサンプルとして紹介しておきます。



2019年 宝塚記念 勝ち馬リスグラシュー

父ハーツクライ
母リリサイド(母父American Post)

先程は高速適性のレースの話をしたので、次は逆のベクトルを求められたレースを解説します。

この馬のポイントは母父American PostがSadler's Wellsを持っており、母母父もNever Bend系の欧州的なスタミナ要素を持つ血統だということです。宝塚記念というレースは6月最終週、梅雨時期を競馬で使われた最後の最後に行われるレースです。路盤は通常よりもボコボコでスタミナを持っていない馬は追走するだけで体力を消費し、実力を発揮出来ません。今年は稍重でしたが良馬場でもタフな適性が求められるレースでもあります。また内回りコースのため、高い瞬発力を誇る日本型種牡馬の「脚をためる」競馬が不発に終わりやすいレースでもあります。

そういったスタミナが問われる特殊な条件(=瞬発的なスピードが問われない条件)においてSadler's Wellsなどの欧州型スタミナ血統の場合は良さが引き立ちます。まずは雨馬場。それと洋芝を使用している函館や札幌コース。またSadler's Wellsを持つ種牡馬、例えばワークフォースなどはスタミナに特化している分、速い流れを追走する能力が低いので長距離戦距離延長もプラスに働きます。また瞬発力を活かす競馬が得意な馬が不発するレースで浮上してくる血統なので小回りの競馬場で悪天候の芝という条件が揃えば面白い存在だと言えます。

条件が少ないなと思われた方もいるかと思いますが、基本的に日本の競馬場はサンデーサイレンス系などの日本型種牡馬が強さを発揮しやすいコース体系が多いです。少なくて当たり前なのですが、たとえば主流条件で凡走続きの馬でも条件が揃えば爆発する可能性があるので穴狙いには持ってこいの血統です。

ただし、やってしまいがちな失敗例があるのでそちらをご紹介します。父サンデー系×母にSadler's Wells系を持つ馬が東京芝2400m(良)のレースに出てきたとします。母に長距離実績があったとしても、買いとしてしまうのは注意が必要です。東京芝2400mは距離は長いですが、そもそもが軽い芝なのでスタミナを求められるコースではありません。実際に今年のオークスとダービーはどちらもディープインパクト産駒の1,2着でしたが母父を見てみるとStorm Cat系やDanzig系などスピードに特化した血統ばかりでした。ダービーでは同じディープインパクト産駒でも母父にSadler's Wellsを抱えるメイショウテンゲンとサトノルークスはそれぞれ10着、17着でした。以上のように切り時と買い時が分かりやすいことも特徴のひとつです。

追加例としてスイートセントという馬をご紹介します。先日の9/7 中山10R 木更津特別 芝1600mに1人気2.1倍で出走したSadler's Wells持ちのワークフォース産駒です。母がマイル重賞勝ち馬で鞍上戸崎。馬主はシルクレーシング。父がワークフォースだと言うこと以外は1人気になりやすいとは思います。しかし結果は4着と1人気を裏切る形となってしまいました。開幕週でかなり時計の速い馬場、この馬の適性を考えると厳しい流れだったかと思います。前走の1勝クラス勝ちも重馬場の中での勝利でしたから疑う余地は多かったように感じます。



2019年 フェブラリーS 勝ち馬インティ

父ケイムホーム
母キティ(母父Northen Afleet)

最後にダートのレースからひとつ。

ダート戦というのは、血統だけで考えてしまうと難しい部分もありますが、まずは日本競馬にとってダートコース自体が非主流であるという認識を持ちましょう。先程のようにあまり細かく決め付けすぎないことも重要です。父ケイムホームというのは米国型ミスタープロスペクター系の中のゴーンウェストという種牡馬の産駒なのですが、このゴーンウェスト系の種牡馬はダート戦においての速い時計勝負に強い傾向があります。そのため短距離ダート、湿った脚抜きの良い馬場になっているダートなどでは買い条件です。ただ雨は降りすぎると時計が出すぎる=芝血統でも走るという構図が生まれるのであまり過信し過ぎないようご注意下さい。

ちなみにJRAのダートレコードは1200mがゴーンウェスト産駒のビクトリーテツニー。1400mも同じゴーンウェスト系。その中でも私が個人的に大好きなSpeightstownの産駒マテラスカイ、というように速いタイムが出るダートレースへの才能はズバ抜けています。

ただしサウスヴィグラスを中心としたフォーティナイナー系、クロフネを中心としたヴァイスリージェント系などもそれぞれ別条件でダートレコードを持っているため、高速戦は得意です。ダート戦は番組数の都合上、特に上級条件ではこれらの血統を持つ馬がひしめくことも多数あります。その辺りの取り捨ては慎重に。




いかがでしたか?

血統に疎い方でも分かりやすいようにG1の結果からそれぞれの血統を分析し、買い条件や消し条件などを提案してみました。こういう風に「木を見てから森を見るように」血統を分析して頂けると、理解しやすく面白くなってくると思うのでよかったら参考にしてみて下さい。
分かりにくい部分などがある方は、リプでもDMでもいつでもお待ちしておりますので気軽にお声掛け下さい。

最後までご覧いただき有難うございました。

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