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youの血統考察 #30 【レコード × 血統】


皆さんこんばんは。

今週はジャパンカップですね。
今年はレース創設以降、初めて外国馬不在のメンバーとなってしまいましたが、ワグネリアンやスワーヴリチャード、ユーキャンスマイルなどを中心に面白そうなメンバーが集まりました。

ジャパンカップと言えば昨年はアーモンドアイが記録した2.20.6という世界レコードが話題になりましたね。ということで今回は"レコード"をテーマに血統考察記事を書いてみようと思います。私の予想記事の見解に推奨理由として上げることも多いのですが、一応こういった下地があって書いてますということなどもお分かり頂ければと思います。よければ最後までご覧下さい。

まず「レコードと血統がどう結び付くのか?」という疑問を感じる方もいらっしゃるかと思いますが、レコードタイムが出せるということは単純にそのコースを速いタイムで走る才能がある血統だと言い換えることが出来ます。またそれらを比較してみると、意外なほどコースや条件によって血統的にも偏りが出たりするので、主にそのあたりを分析出来ればと思っております。ただし誤解のないようにして頂きたいのは、あくまでも"速く走る才能"があるだけで、その血統を持つ馬がその条件や距離で必ずしも強いという訳ではありません。それでは始めていきます。


メニューは以下の通りになります。



❶ 各距離のJRAレコード一覧

まずは主要距離のJRAレコードからご覧下さい。

芝1000m
カルストンライトオ 53.7
父ウォーニング→In Reality系
芝1200m
アグネスワールド 1.06.5
父Danzig→Danzig系
芝1400m
マグナーテン 1.19.0
父Danzig→Danzig系
芝1600m
トロワゼトワル 1.30.3
父ロードカナロア→キングカメハメハ系
芝1800m
グランデッツァ 1.43.9
父アグネスタキオン→サンデーサイレンス系
芝2000m
トーセンジョーダン 1.56.1
父ジャングルポケット→トニービン系
芝2200m
ネプチュナイト 2.09.7
父ルーラーシップ→キングカメハメハ系
芝2400m
アーモンドアイ 2.20.6
父ロードカナロア→キングカメハメハ系
芝3000m
トーホウジャッカル 3.01.0
父スペシャルウィーク→サンデーサイレンス系
芝3200m
キタサンブラック 3.12.5
父ブラックタイド→サンデーサイレンス系

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ダ1200m
ビクトリーテツニー 1.08.7
父Gone West→Gone West系
ダ1300m
サトノファンタシー 1.16.1
父クロフネ→ヴァイスリージェント系
ダ1400m
マテラスカイ 1.20.3
父Speightstown→Gone West系
ダ1600m
クロフネ 1.33.3
父フレンチデピュティ→ヴァイスリージェント系
ダ1800m
スマハマ 1.47.6
父ネオユニヴァース→サンデーサイレンス系
ダ2000m
ワンダースピード 2.01.0
父キンググローリアス→ミスプロ系
ダ2100m
クロフネ 2.05.9
父フレンチデピュティ→ヴァイスリージェント系

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❷ 芝1600m〜

アーモンドアイの話をしていたので、この辺りからしていきたいと思います。アーモンドアイは父キングカメハメハ系のロードカナロア産駒です。キングカメハメハ系は他にも芝1600mのトロワゼトワル、芝2200mのネプチュナイトなど3頭がJRAレコードホルダーとなっており、芝中長距離においてのレコード決着には強い父系だと言えます。

昨年のジャパンカップでは2着のキセキも父ルーラーシップでキングカメハメハ系でした。ちなみにアーモンドアイが更新する前の芝2400mのレコードは2005年のジャパンカップでアルカセットが出した2.22.1。アルカセットの父はキングカメハメハの父でもあるキングマンボです。また今年のオークスをレースレコードで制したラヴズオンリーユーは曽祖母ミエスクがキングマンボの母。何とも素晴らしい偏りです。

芝2000mに関しては父トニービン系のトーセンジョーダンが記録を持っていますが、今年の天皇賞秋では勝ったアーモンドアイがレコードと0.1差の1.56.2。その次に速いタイムを出したのは18年のレイデオロ(1.56.8)なのでこちらも父キングカメハメハ。父キンカメ系によって記録が塗り替えられるのも時間の問題のような気もします。

芝2000mにおいてはコーナーが少ないなどの理由から東京コースが最も速い時計が出やすいと私は思っています。その中でも最も競走能力の高い馬が集まりやすい天皇賞秋は、必然的に速い時計が出やすいレースということが言えます。

天皇賞秋の過去のレースを比べると、レイデオロの次に速いタイムを出したのがカンパニー(父トニービン系)、同タイムでウオッカ(父ロベルト系)、その次にエイシンフラッシュ(父キングマンボ系)と父が非サンデー系の欧州型血統だという共通点があります。芝2000mの中でもレコードに近い決着になると、瞬発力やスピードに特化した父サンデー系よりも最後までスピードを持続させることの出来るスタミナを持つ父欧州型の方が本来の実力以上の力を発揮しやすいと結論付けることが出来ます。意外ですよね。

ちなみに芝レースの2歳レコードを見てみると、先週東京コースにてコントレイル(父ディープインパクト 芝1800m)、サトノフラッグ(父ディープインパクト 芝2000m)の2頭が2歳レコードを更新しました。他にも芝1600mのレコードはミッキーアイル(父ディープインパクト)が持っているので、若いうちから芝を速く走る才能を持っているのは父ディープインパクトだと言えます。欧州型血統は2歳時の段階では、まだ持っているポテンシャルを発揮しにくいのかもしれません。2歳戦に関しては前半から流れるレースが発生しにくいので、その辺りも影響してるかと思います。



❸ 芝〜1600m

続いて短距離を分析します。

目立つのはやはり1200mと1400mですかね。どちらもDanzig産駒が日本レコードを持っています。最近では父Danzig系の産駒をあまり多くは見かけませんが、スプリント適性が問われるレースにおける才能は母父などに持っている場合でも一級品です。ちなみに芝1200mの2歳の日本レコードはサーガノヴェルという馬が持っているのですが、こちらも父はBoundaryというDanzig系の種牡馬。

また今年のスプリンターズSは過去20年で見ても2番目に早い勝ちタイムだったのですが、2着モズスーパーフレアと3着ダノンスマッシュの母父はどちらもDanzig系。ただこのレースの結果を「この血統だから速く走ることが出来た」と認めてしまうとDanzigを持っていないのにも関わらず勝利したタワーオブロンドンの凄さが際立つことになりますね。

1600mにおいても今年のヴィクトリアマイルでは前半からアエロリットが飛ばし1.30.5(東京1600mのコースレコード)と、このレースにしては珍しくスプリント適性が問われたレースになったのですが、勝ったノームコアは父ハービンジャーでDanzig系。2着プリモシーンは母父Fastnet RockがDanzig系でした。18年安田記念を勝ったモズアスコットの父フランケルも、母父がデインヒルでDanzig系。このようにスプリント適性が問われるマイル戦の場合はDanzigの血は有効です。

また短距離路線で言えば、世界レベルで見ても香港馬はかなりレベルが高いです。その香港の競馬界に多く関わっている馬産地がオーストラリア。この2つのスプリント大国から誕生した一流馬の中にもDanzigを持っている馬は多く、先ほど紹介したFastnet RockはオーストラリアのスプリントG1を2勝。2000年に安田記念を制した香港馬フェアリーキングプローンは父がデインヒルでDanzig系。通算成績25戦25勝のオーストラリア最強のスプリンター・ブラックキャビアも母父Desert SunがDanzig系。また距離こそ違いますが、先日のメルボルンCを制したヴァウアンドディクレアですら父Declaration of WarがDanzig系と本場では距離を問わない活躍を見せています。以上のようなことからもDanzigのスプリント適性の高さが分かって頂けたかと思います。

芝1000mに関しては軽く。以前にも何度か解説したことはあるのですが、基本的にはIn Reaity系がやはり最強だと思っています。最近では新潟芝1000mを狙っている方(馬券購入者や出走させる陣営含め)はダート替わりを狙う方法が割と広まって来ているように感じます。個人的な感覚としては、ダートのレースと新潟芝1000mはラスト1Fで急失速しやすいところが似ているからダート替わりの馬が良く好走しているのだと思っていますが、In Realityは米国型血統の中でも持久力やスピードを持続させるスタミナに特化した系統だと思っているので、この辺りが新潟芝1000mに向いている要因だと思っています。



❹ ダート

ダートのレコードからご紹介したいのはGone West系ヴァイスリージェント系(特にクロフネ)ですね。

この2つの血統から言えるのは"芝のレースにも適応力がある血統"ということですかね。

Gone West系からは、直仔にダ1200mのJRAレコードを持つビクトリーテツニー。そして今年のフェブラリーSを制したケイムホーム産駒のインティ。ケイムホーム産駒で言うと改修後の東京ダ1600mにて最も速いタイムを出したタガノトネールなども該当します。さらにはダ1400mのJRAレコードを持つSpeightstown産駒のマテラスカイ。SpeightstownからはスプリンターズS 2着のモズスーパーフレアも出ています。また同じGone West系からはRaven's Pass産駒にスプリンターズS勝ち馬のタワーオブロンドン。タワーオブロンドンは東京芝1400mと阪神芝1200mのコースレコードホルダー。ダートのレコードを持ちながら、芝のレースでも早いタイムで勝ち負け出来る能力を持つ非常に優秀な系統です。

クロフネは自身がダ1600mとダ2100mの日本レコードを持っていながらもNHKマイルC勝ちの実績もある馬。産駒のサトノファンタシーがダ1300mの日本レコードを持っています。クロフネに関してはご存知の方も多いとは思いますが、最近ではアエロリット(NHKマイルC)やカレンチャン(スプリンターズSほか)など産駒としては芝の短距離G1での活躍が目立ちます。やはりこちらもGone West系同様、ダートを速いスピードで走る能力がありながらも、芝で高い適性を見せる血統だと言えます。

ただダートで速い決着に強い血統は前述した2頭含め、現状ではかなりひしめき合っている状態です。例えばフェブラリーSにて過去20年で最も速いタイムを出したモーニンの父ヘニーヒューズ。ダート種牡馬ですが、アジアエクスプレスが朝日杯FSを勝っていたり、ワイドファラオがニュージーランドTを勝っていたりと芝兼用のダート種牡馬です。そのヘニーヒューズはStorm Cat系の種牡馬に当たるのですが、同じStorm Cat系を父に持つミスターメロディもダ1300mの2歳レコードを持っていたりするので、ヨハネスブルグGiant's Causewayなど、この辺りの「Storm Cat系で尚且つ芝ダート兼用の適性がある種牡馬」というのはこの先も注目しておきたいところです。



❺ まとめ

以上、今回は【芝の中長距離】【芝の短距離】【ダートの短距離】という3つの路線から、その路線ごとのレコード決着に強い血統をご紹介しました。この傾向を実際に馬券に生かすタイミングとしては、芝では逃げ馬が多くハイペース必至の高速馬場であるとか、ダートであれば湿った馬場でハイペースになりそうな展開と予想される時などに「じゃあどの血統がいいだろうか?」と参考にして頂けると嬉しいです。

上記であげた❷〜❹の条件は、1日12Rある中でも施工条件が多いので、気軽に取り入れてみてもいいかと思います。最後までご覧頂きありがとうございました。

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