『高松宮記念』過去の血統傾向 - youの血統考察 #37


こんばんは。

今週は高松宮記念です。

フェブラリーSに続き、高松宮記念の過去の血統傾向を紹介します。尚、注目馬などの紹介はありませんのでご了承下さい。

ひとつ話し始めると、あれもこれも説明しなければ…と思ってしまうタイプなので、寄り道をしてる箇所もあるかと思いますが、その辺りも踏まえて楽しんで頂けると嬉しいです。笑




過去の好走馬

まずは過去の好走馬の血統をご覧下さい。

2012年からの記載にしたのは、リニューアル工事が終わり、その年から新コースとなった為です。

このレースは、毎年毎年問われる条件が違っており、それにより好走血統のパターンにも違いが出てきています。これは、ただ単純に好走している血統をカウントし、多いところを狙うというやり方が直接通じるとは限らないということも言えます。

以下より、解説していきます。



このレースにおける血統傾向の注目すべきポイントは、

走破タイム
年ごとの特徴
それらによる血統との関連性

です。


2012年

まずはリニューアル直後の2012年。
この年は、勝ちタイムが1.10.3でした。ちなみに昨年2019年の勝ちタイムが1.07.3。全く別のレースと言えるタイム差が発生しています。

これは、まだ芝の生育が不完全な状態だったことにより不安定な馬場のまま行われてしまったことが要因です。よって血統傾向をカウントする上ではノーカウントとして良いと思います。分母の少ない条件においては、特殊条件を1としてカウントすることはお勧めしません。



2013年

続いて2013年。
この年は、勝ちタイムが1.08.1と標準。しかしレースラップが34.3-33.8というスプリントG1にしては珍しく後傾瞬発力戦となったレースでした。

勝ったのはロードカナロア。正直ロードカナロアを血統傾向としてはカウントしない方が良い(実力通りの決着は血統傾向を計る上では不向き)と思ってるので、ここもスルーします。

気を付けたいのは父キングカメハメハ系を1としてカウントしてしまうことです。



2014年

2014年。この年は不良馬場。勝ちタイムは1.12.2。例年の勝ちタイムと比べても明らかに異質なレースなのでノーカウントとします。

ただ100%再現性がないとも言えないレース結果でもあると思うので、当日の天候などによっては参考にするのも悪くないと思います。



2015年

2015年。稍重。勝ちタイムは1.08.5。大体この辺りからカウント出来るようになってきますが、馬場が稍重だったので全体の1としてカウントする上では少し危険です。当日の天候・馬場次第として下さい。

ちなみに勝ったエアロヴェロシティの血統表が載ってなかったので解説しておきます。

南半球生産の香港馬。香港馬はスプリント戦においては日本馬とのレベルが全く違うので、単純に実力が抜けていたという認識で問題ありません。

父Pinsはトムフール系。トムフール系は、父直系の種牡馬がいないので再現性は皆無です。母父はサーアイヴァーの系統。こちらもほとんど直系の種牡馬はおらず。強いていうのであればオーストラリア🇦🇺のスプリントG1馬Lonhro(ロンロ)ぐらいでしょうか。ロンロの産駒にはミラアイトーンがいますが、今回は登録しておりません。

ロンロに関しては、あまり使うタイミングが少ないのですが、オーストラリアの特徴も踏まえて「芝のスプリント能力◎」&「平坦向き」という2つの特徴を押さえて頂ければと思います。



2016年

2016年。この年は近2年とは違い異常なまでの高速馬場。勝ちタイムは1.06.7と、もちろんこのレースにおいて過去最速のタイムでした。芝1200mの日本レコードと比べても0.2差しかなく、如何に例年とは違う異質なレースだったかが分かります。

勝ったのはサクラバクシンオー産駒のビッグアーサー。サクラバクシンオーという種牡馬は夏の新潟や小倉などの野芝開催(=時計の出る乾いた馬場)に強い種牡馬でもあるので、そういった特徴とこの年の馬場とがマッチした結果、ビッグアーサーの高いパフォーマンス発揮に繋がったと考えています。

また3着にはアルビアーノが入りました。アルビアーノは父が🇺🇸ストームキャット系Harlan's Holiday。母父も🇺🇸ファピアノ系のUnbridledというアメリカのダートスピードを凝縮させたような血統となっており、こうした高速スプリントへの適性は高かったと捉えることが出来ます。



2017年

2017年。稍重。勝ちタイムは1.08.7
勝ったのはフォーティナイナー系アドマイヤムーン産駒のセイウンコウセイでした。ちなみに3着もフォーティナイナー系スウェプトオーヴァーボード産駒のレッドファルクス。

フォーティナイナー系は、もちろんダートのスピード適性が高いタイプの系統ではあるのですが、芝のスプリント戦においては2016年のような超高速馬場よりかは少し時計の掛かりそうな馬場の方が得意という特徴があります。

実際にこのレースでは、父フォーティナイナー系のハクサンムーンが13年3着 15年2着と好走していますがどちらも1分8秒台のレースでした。しかし超高速馬場となった16年ではハクサンムーンは11着と敗れています。

またラストに急坂があって失速しやすいスプリンターズSにおいては、フォーティナイナー系が16〜18年まで3連勝したように得意なレースと言えます。

以上のように、フォーティナイナー系は芝の短距離戦においてはハイレベルな才能を持っている系統ではあるものの、究極のスピード勝負という意味ではどうか、という特徴もあることが分かります。



2018年

2018年。良。勝ちタイムは1.08.5。この年は週中に雨が降ったこともあり、前日までは稍重での開催でした。当日は良馬場まで回復するも、それでも1分8秒台まで。

勝ったのは父フォーティナイナー系アドマイヤムーン産駒のファインニードル。前年と同じ種牡馬が勝利していることからも、先ほどのフォーティナイナー系の説明に少し説得力はプラスされたでしょうか?

また2着となったレッツゴードンキは父キングカメハメハ。この馬は前年も2着でした。

キングカメハメハの系統は父ロードカナロアを中心に、今年も多数出走してくるとは思います。その中でもロードカナロア産駒は、キングカメハメハ系(1分8秒台で好走)にストームキャット(1分6秒台で好走)を合わせた種牡馬なので、本当の適性がどの辺りに出てくるのが注目しておきたいところです。

※昨年の該当馬ダノンスマッシュは外を回らせれての4着だったので、傾向を計るという意味ではノーカウント。



2019年

2019年。良。勝ちタイムは1.07.3と速め。昨年は比較的良い天気に恵まれました。今年も雨が降らないのであればこれぐらいの勝ちタイムが想定されるかと思います。

勝ったのは、🇺🇸ストームキャット系Scat Daddy産駒のミスターメロディ。超高速馬場だった16年で3着になったアルビアーノと同じ父系統です。

2着はフォーティナイナー系のセイウンコウセイですから、時計の出やすい馬場(1分8秒台より早い決着)になるなら、フォーティナイナー系<ストームキャット系という認識が出来るかと思います。

ただ昨年は、前日からイン前有利の馬場でした。そのため3着ショウナンアンセムに関しては、その後の成績が奮わなかったことも踏まえて、血統傾向的にはノーカウントとした方がいいと思います。


以上、過去の傾向やその年ごとの特徴をまとめてみました。


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•上記の結果から分かること

2勝・2着1回・3着1回のフォーティナイナー系が有利?
フォーティナイナー系の好走歴は4頭のうち3頭が勝ちタイム1分8秒台のレース

1分7秒台では、インの位置取りに恵まれたセイウンコウセイのみ。逆に1分8秒台のレースでは、1頭も馬券に絡んでいなかったStorm Cat系が1勝・3着1回。
1分7秒台の速いレースになると、Storm Cat系の方が有利


もっと広い区分で分けるなら

時計が掛かるならミスプロ
時計が速いならノーザンダンサー

というざっくりとした見方ができるレースです。


今回は簡潔にするために、こちらのみを注目ポイントとして挙げました。

今回は少し長々と書いてしまいましたが、この記事で伝えたかったこととして、「1つのレースを取っても条件などを絞ることで、明確な好走血統が分かる」ということをご理解頂きたいです。


最後までお付き合い頂きありがとうございました。

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それでは当日まで楽しみましょう!

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