見出し画像

youの血統考察 #31 【阪神JF血統回顧 〜マルターズディオサ激走の理由〜】


こんばんは。

久しぶりに血統回顧の記事を出します。


今回は先日の阪神JFにて6人気2着となり、馬単204.1倍、3連単867.2倍と波乱決着の立役者となったマルターズディオサの激走理由を血統的な観点から回顧したいと思います。

まずは勝ったレシステンシアについてですが、父ダイワメジャーに母父Danzig系。以前「レコード×血統」という記事にも触れたように、スピードの問われる短距離質の強いレースで強さを見せるDanzigを持っていました。自身1600mは未経験でしたが、自ら逃げ短距離質が問われるラップを刻むことで勝つことが出来た、と見ています。

では2着のマルターズディオサはどうか?

そういった部分を血統的に解説していきます。
__


ではまずマルターズディオサの血統表をご覧下さい。

画像1

父キズナ(ディープインパクト×Storm Cat)
母父Grand Slam(Gone West系)


この馬の好走ポイントは3つ


❶Sex Appeal×Nureyev
❷母父Gone West×Doff The Derby
❸父母父Storm Cat


これらをひとつずつ解説したいと思います。



❶ Sex Appeal×Nureyev

1つめのポイントです。母父Grand Slamの持つSex Appealと母母父Spinning Worldの持つNureyevの組み合わせです。


まずは母トップオブドーラの血統をご覧下さい。

画像2

次にGrand Slamの血統表もご覧下さい。

画像3


母父Grand Slamの持つSex Appeal。これはアーモンドアイの曽祖母に当たる馬で、アーモンドアイの血統のポイントでもあるNureyevとの組み合わせは隠れたニックスと言っても良いでしょう。僕は度々"アーモンドアイクロス"と称しています。

元々、キングカメハメハが持っている組み合わせではあるのですが、アーモンドアイの母で06年エリザベス女王杯1着のフサイチパンドラ(母ロッタレースがNureyev×Sex Appeal)も持っていますし、他にもブラストワンピース(Sex Appeal 6×5、母父Nureyev内包)や07年阪神JFや08年オークス1着のトールポピー(父ジャングルポケットの母父がNureyev、母母父El Gran Senorの母がSex Appeal)、その全妹で11年秋華賞1着のアヴェンチュラ

さらには17,18年香港カップで全兄弟で勝利しているタイムワープグロリアスフォーエバー(父ArchipenkoがNureyev内包、4代母の父El Gran Senorの母がSex Appeal)。あとは少し亜種にはなりますが18年香港ヴァーズ勝ち馬のエグザルタント(父TeofiloがSadler's Wells系。Sadler's WellsはNureyevの近親に当たるのでSadler's Wells≒Nureyev、母母母父El Gran Senorの母がSex Appeal)とすれば成立するので香港やオーストラリアにも通用する組み合わせです。

以上のようにSex AppealとNureyevを両方持つ血統の馬は、コンスタントに活躍馬を出す血統という訳ではないが、ハマれば頂点まで登り詰めることのできる血統だというところがポイントの一つめです。


❷ 母父Gone West×Doff The Derby

二つめは母父Gone West母母母父Genrousの母Doff The Derbyとの組み合わせです。先ほど載せたトップオブドーラの血統表を見て頂くと右下あたりにGenrousとあるのが分かるかと思います。

Genrousという血統はシンコウエルメスの半兄弟に当たるのですが、以前上げた牝系解説の記事にも載せたシンコウエルメス牝系の特徴のひとつに「右回り(特に急坂あり)コースで高いパフォーマンスを見せる」という特徴があります。リンクを貼っておきますのでご確認下さい。


そしてこのDoff The DerbyにGone Westを掛け合わせるとタワーオブロンドン(父Gone West系×曽祖母Doff The Derby)に近い血統構成となります。タワーオブロンドンは先日、阪神芝1200mのコースレコードを更新したばかりですし、勝ったスプリンターズSにおいても今年の勝ちタイムは過去20年で2番目に速い勝ちタイムでした。

冒頭で述べたように、より短距離質が求められる時に強いパフォーマンスを発揮する血統をマルターズディオサも持っていたということです。


❸ 父母父Storm Cat

では❶と❷を踏まえた上で、こういった疑問が湧いてくると思います。

さすがに「遠すぎて関係ないのでは?」と。

たしかに字面だけを見れば遠いのですが、これらを引き出す役割をしてくれるのが父キズナの持つStorm Catです。

このStorm Catというのはノーザンダンサー系の種牡馬に当たるのですが、ノーザンダンサーは母方にも持っているため所謂"クロス"(同系統の強化というイメージ)になります。

そのクロスの対象となるのが、母父Grand Slamの持つEl Gran Senor(ノーザンダンサー×Sex Appeal)と母母父Spinning Worldの持つ欧州型ノーザンダンサー系のNureyev。❶で紹介した"アーモンドアイクロス"を❸で強調させているイメージです。

さらに先ほど紹介したGenrousもノーザンダンサー系のため、Storm Catによって❷も強調されていることになります。

さらにStorm Catはボールドルーラー系のSecretariatも持っています。先ほど紹介したGone WestもSecretriatを持っているため、❷のGone Westがプラスで強調されている形になります。


❹ まとめ

長々と書いてきましたが
❶があることによってG1でも好走できる血統的なスケールがある。

❷によって短距離のトップレベルでも通用する血統を内包しているということ。

それらが❸によって引き出されている、と考えて頂ければ分かりやすいかと思います。

分かりにくければリプやDMなどで質問頂ければ細かく解説させて頂きますのでお待ちしております。


最後までご覧頂き有難うございました。
「なんだこいつ!!」と思って頂けたら、【いいね】や【RT】のほど是非よろしくお願い致します。

#競馬 #競馬予想 #血統 #血統予想 #馬券 #穴馬 #youの血統考察


無料記事を読んで、役に立った!馬券的中の助けになった!と思って頂けた場合サポート頂けると励みになります☺️☺️