有馬記念 全頭血統考察 -youの血統考察 #46-


こんばんは。youです。
今回は有馬記念の全頭血統考察を行いたいと思います。

普段は、ツイッターにてフォロワーの皆様から気になる馬を募集し、上位に選ばれた4頭の血統考察を行っているのですが、今週はグランプリ「有馬記念」ということで、出走全16頭の血統考察を行う拡大版でお送りしたいと思います。最後まで見て頂けると嬉しいです。

まずは有馬記念の血統的なポイントからおさらいしていきましょう。



有馬記念の血統的なポイント

前半から11秒台前半のラップが続いた昨年と、稍重馬場ながらキセキが主張した18年は、タフな捲り差しタイプに向く決着となりました。反対に、比較的前半のペースが落ち着いた14-17年は、いわゆる有馬記念らしい小回り機動力が活きたレースで、血統傾向としても馬場や展開に左右されやすいレースと言うことが出来ます。

また、今年の中山の芝はタフ。血統傾向としては18-19年辺りの好走馬を参考にしたいと思っています。

•サドラーズウェルズやヌレイエフなどSpecialの血脈

昨年は1着リスグラシュー、2着サートゥルナーリアとそれぞれサドラーズウェルズを持つ馬のワンツー決着。18年はヌレイエフを持つキングカメハメハをそれぞれ父と母父に持っていたブラストワンピース、レイデオロがワンツー。3着のシュヴァルグランも母方にヌレイエフを持っていました。

この血脈の特徴としては、バテにくい"欧州的な底力"を供給する血脈だということ。タフなレース展開となり他馬がバテたとしても、この血脈を持つ馬は踏ん張ることが出来、結果論ではありますが近2年の複数好走に繋がりました。

※サドラーズウェルズorヌレイエフ保持・内包 該当馬
•バビット
•ブラストワンピース
•クレッシェンドラヴ
•ラヴズオンリーユー
•キセキ
•ラッキーライラック
•ペルシアンナイト
•クロノジェネシス
•オーソリティ
•オセアグレイト
•ユーキャンスマイル




1-1 バビット

父:ナカヤマフェスタ
母:アートリョウコ(母父:タイキシャトル)

古くはエーピーインディなどを輩出したGay Missileという牝系出身で、フォティテンやゲイメセンなど比較的マイル指向の強い一族。そこにヌレイエフやタイキシャトルなど、中距離マイラー色の強い血が更にプラスされており、ベストとしてはアメリカンな持続力と機動力が活きやすいラジオNIKKEI賞(小回り芝中距離)のようなレース。

タフ想定の中山芝2500mだと気持ち長いかなという印象は否めないものの、単騎で気持ちよく逃げることができれば粘ることも可能です。後続が楽をさせてくれるかどうかは置いといて、それが叶いそうな枠を引けたこともこの馬としては追い風になりそうです。



1-2 ブラストワンピース

父:ハービンジャー
母:ツルマルワンピース(母父:キングカメハメハ)

18年の勝ち馬。母父のキングカメハメハはヌレイエフを内包しており、父ハービンジャーとの相性は◎。ヌレイエフを持つハービンジャー産駒はペルシアンナイトやモズカッチャン、ディアドラなど活躍馬の多い成功パターンです。

その18年は稍重馬場+前半から比較的流れるタフなレース展開となり、タフな持続力勝負を得意とするこの馬の良さが存分に活きました。今年も当時の馬場に比較的近い状態だとは思いますが、そこまで流れるレースになるかどうかはポイント。また、そこまで器用なタイプではないだけに、却ってこの内枠がマイナスにならないかといったところでしょうか。



2-3 クレッシェンドラヴ

父:ステイゴールド
母:ハイアーラヴ(母父:Sadler's Wells)

🇫🇷サンクルー大賞など芝2400mのG1を計3勝したIn The Wingsが近親におり、日本にも馴染み深いタフ血統のひとつでもあるDubawiが同牝系に当たる馬。福島芝2000mでの好走が目立つように、ベストは小回りのタフな芝中長距離ではないでしょうか。

血統構成的には今のタフな中山なら向くはずなので走れる条件ではありますが、さすがにG1級の相手となると、超Hぺで前が潰れるような展開利が欲しいところかと。



2-4 ラヴズオンリーユー

父:ディープインパクト
母:ラヴズオンリーミー(母父:Storm Cat)

王道配合のひとつであるディープ×ストームキャットで、キングマンボなどを輩出したミエスク牝系出身。全兄にはリアルスティールなどがいるような超王道配合なので、少なくとも中山芝2500m自体はベスト条件とは言えないでしょう。

どちらかと言うと、外回りや大箱コースをグイグイ伸びてくるような競馬が合うタイプでもあるので、中山コースをタイトに回って伸びてくるイメージもあまり湧いてこないですが、外差しの流れになった時に多少のロスを背負ってでも外から差してくるという可能性ならあるのではないかなと見ています。



3-5 ワールドプレミア

父:ディープインパクト
母:マンデラ(母父:Acatenango)

昨年の3着馬。母マンデラはドイツオークス3着など特に目立った実績がある訳ではないですが、父ディープが母方のドイツ血統の資質をうまく引き出しており、本来のディープらしさを活かした持続力と底力に優れたステイヤータイプと言って良いかと思います。

いわゆる"早熟ディープ"とは違うので、加齢もプラスになるとは見ていますが、昨年はかなり展開に恵まれたレースであることは事実。どちらかというと小回りを器用に差してくるよりかは、大箱コースの方が向いている印象です。枠順自体は好枠ですが、今年もある程度の展開恩恵は欲しいところ。



3-6 キセキ

父:ルーラーシップ
母:ブリッツフィナーレ(母父:ディープインパクト)

ルーラー産駒らしい気性と爆発力を併せ持った馬で、不良馬場の菊花賞や、世界レコードをアシストする逃げを打ったJC、タフ馬場で後方追走がハマった宝塚記念など、極端な条件や脚質で力を発揮するタイプです。

祖母ロンドンブリッジは、オークスであっと驚く逃げ切りを見せたダイワエルシエーロの母。母方の奥に持つダンチヒの血もよく効いており、ワンペースで気分良く走ることで本来の良さが活きる馬です。基本的には加減速の少ない大箱コースの方がベターだとは思うので、コーナーを6回周る中山芝2500でどう乗りこなすかがポイント。



4-7 ラッキーライラック

父:オルフェーヴル
母:ライラックスアンドレース(母父:Flower Alley)

サドラーズウェルズを持つオルフェ産駒。母方はフォーティナイナー系のFlower Alleyに母母父シアトルスルー、ステラマドリッド牝系とアメリカンな機動力と持続力を豊富に抱えている血統構成です。

大阪杯で見せたような機敏なスピードに長けた馬で、仮にタフな持久力勝負になるならここではマイナス面の方が目立つ印象です。逃げ馬が刻むペース次第になるかとは思いますが、前半ゆったりめ→ラスト4〜3Fまで11秒台が刻まれるレースになるようなら好走の余地はありそうなので、そういう展開を想定されるのであれば、意識しておく必要はある馬かなと思います。



4-8 ペルシアンナイト

父:ハービンジャー
母:オリエントチャーム(母父:サンデーサイレンス)

ゴールドアリュールを輩出したニキーヤという牝系出身。マイルG1の勝ち鞍はあるものの、高速マイラーというタイプではなく、中距離型ながらマイルまでこなすという印象の馬です。

中山芝2500mに関しては、本質的に向いているとは言えないものの、決してこなせない条件ではないと思っています。ただ本職の馬たちが多く揃った中なので積極的に買いたいかと言われると微妙…。超Hペ展開などでレースが破綻した後のようなタイミングなら、差し込んでくる可能性もゼロではないので3連系を幅広く買われる方なら、オッズ妙味も込みで押さえておいても良いのではないでしょうか。



5-9 クロノジェネシス

父:バゴ
母:クロノロジスト(母父:クロフネ)

凱旋門賞馬バゴを父に持ち、ノームコアが半姉。フサイチエアデールやビーチサンバなど高速中距離を得意とするラスティックベル牝系を持つ馬。父はヌレイエフを持っており、宝塚記念でも圧倒的なパフォーマンスを残したようにタフな馬場も歓迎。母方の高速適性も相まって、血統面からはどんな条件でも走れる総合力の高い馬だと判断出来ます。

父はヘイローも内包しており、母母父サンデーサイレンスとでヘイローのクロスも発生。小回り的な機動力もしっかりと兼備しており、基本的には隙のない血統と言えます。今回は自身としてパフォーマンスを上げるタイミングでもある間隔空きローテなので、今のところあまり嫌うところがないなという印象です。



5-10 カレンブーケドール

父:ディープインパクト
母:ソラリア(母父:Scat Daddy)

ディープ×ストームキャット系の王道活躍パターンで、ニジンスキーやゴーンウェストが入るところもディープ産駒としては◎。母ソラリアは、チリ🇨🇱のエルダービー(芝2400m)を勝っており、体力も豊富。

その母方の良さを受け継いでいるのか、しなやかなキレ味が特徴のディープ産駒にしては、持続力を活かしてジワジワ伸びてくるタイプで、その辺りがこの馬の成績の安定感にも繋がっています。多少のタフな馬場なら苦にはしないと思いますし、安定感も高いとは思いますが、先述したようなレース展開になるようなら何かに差されてしまう場面も想像出来ます。



6-11 モズベッロ

父:ディープブリランテ
母:ハーランズルビー(母父:Harlan's Holiday)

母父Harlan's Holiday、母母父Saint Ballado(ヘイロー×バラード)、Gone Westと続くアメリカンな血統構成を持つブリランテ産駒ながら、タフな展開や条件を得意としており、その辺りは英チャンピオンSを勝ったストーミングホーム、愛ダービー馬ソヴリンなど欧州的な底力を持った馬たちと同牝系であるところも影響していそうな馬。

欧州要素と米国要素が混在しているこの馬の血統構成は、どことなくバビットと近い部分を感じるので、バビットが逃げるペースは、この馬にとってプラスに働く可能性も高いと言えます。休養期間はそれなりに長く、順調とは言えないローテなだけに状態面は気になりますが、不気味な1頭と言えます。



6-12 オーソリティ

父:オルフェーヴル
母:ロザリンド(母父:シンボリクリスエス)

祖母はシーザリオなので、昨年2着のサートゥルナーリア、エピファネイアなどが近親にいる名牝系出身。この一族は中山芝中長距離重賞でよく好走しており、この馬としても条件自体は問題ないと見ています。またラッキーライラックなどと同じサドラーズウェルズ持ちオルフェ産駒と活躍の下地も揃っています。

ただ揉まれ弱さも併せ持つ牝系でもあるので、外枠からスムーズに先行した前走は恵まれての勝利という評価も可能。今回も比較的外めの枠を手に入れることが出来ましたし、この馬より外の馬も前に行くタイプではないので、個体としては良い枠に入ったかなとは思います。ただ3歳馬に有利なレースながら、過去好走してきた3歳馬は菊花賞からのローテが多く、斤量減での出走がほとんど。「地力が通用するか」「前走54kgから1kg増での出走」この辺りが課題になりそうです。



7-13 フィエールマン

父:ディープインパクト
母:リュヌドール(母父:Green Tune)

フランス牝系を持つディープ産駒で、長い直線のある芝中長距離を、ゆったり進んで一気に差し込むということに長けた血統構成。天皇賞春を連覇していますが、下り坂巧者である母母父プリンスリーギフト系の影響と手薄な長距離路線の影響も大きく、本質的には長丁場のスタミナ勝負にはそこまで向いているとは言えません。

昨年は強い内容の競馬ではありましたし、今回のメンバー中では地力が上なのも事実。ただ本質的に器用さも問われる中山コースは得意とは言えないと思っているので、人気するようであれば敢えて軽視してみたいというのが本音です。



7-14 サラキア

父:ディープインパクト
母:サロミナ(母父:Lomitas)

母はドイツオークス(芝2200m)勝ち馬のサロミナ。ディープ産駒ながらも、母方の影響が強いタイプで、スパッと切れるというよりかはジワジワと伸びてくるような差し脚が武器なタイプ。

ただし揉まれ弱い血統を持っており、出走頭数13頭以下で3-2-1-1、14頭以上で1-2-0-9という成績からもその傾向は顕著=母方の影響が強いタイプだと判断しました。前走は多頭数戦ながら、締まったペースで外枠からスムーズ差すことが出来たのも好走要因のひとつ。今回も外枠に入ったことはこの馬としては歓迎でしょう。おそらく後方から進めるようなので前潰れの差し展開になるなら台頭のチャンスもあるのではないでしょうか。



8-15 オセアグレイト

父:オルフェーヴル
母:ブルーダヌーブ(母父:Bahri)

ディーマジェスティ(皐月賞)やタワーオブロンドン(スプリンターズS)など急坂コースを得意とするマルガレーテン牝系出身。サドラーズウェルズ持ちのオルフェ産駒は、ラッキーライラックなどがいる父の活躍パターンです。

その良さを存分に活かして前走では初重賞制覇。ただ強敵不在のステイヤー路線で、道中の動きもあまり多くない、いわゆる恵まれたレース展開でもあったので、前走を勝利したこと自体はあまり評価出来ません。血統的にG1で走るなら有馬記念は良い条件なのですが、地力的に通用するかどうかの問題かなと見ています。



8-16 ユーキャンスマイル

父:キングカメハメハ
母:ムードインディゴ(ダンスインザダーク)

父キンカメ、母父ダンスインザダークということでお互いの持つニジンスキーがクロスしており、直線の長いコースで持続的に差してくるような競馬が合うタイプ

戦績を見ても、右回りよりかは左回りの方が良く、大外枠はレース傾向としてもこの馬としてもやはり割引。今回は静観しておきたい場面です。



まとめ

冒頭でもお話しましたが、やはりどういう展開になるかの要素が影響しやすいレースだと見ています。

では仮に、①バビットが引っ張りゆったり流れた場合と②バビットが引っ張り厳しいペースを刻んだ場合とで、どの馬を選ぶのかというのをご紹介だけしておきたいと思います。(脚質や上がり等は無視しています。)

※こちらは血統面から自分の中でタイプ分けしているだけなので、直接的な買い目になるとは限りません。ご了承下さい。


1,4,7,9,10,11,13,16


2,3,5,6,8,12,14,15


例えば、馬券を考える上では、どちらかのタイプに集中しており、尚且つ少数派の方に向く可能性が高い(人気馬が多数派にカテゴライズされるのであればより良い)と私が想定しているのであれば、個人的な勝負度合いは上がります。今回に関しては、上記の通りで個人的な勝負度合いは高くないレースだと思っていただければと思います。




ご参考になればと思います。
ありがとうございました。


#競馬 #血統 #有馬記念 #youの血統考察

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