韓国文化院展示展「その家」へ行ってきた

四谷四丁目にある韓国大使館が運営する「韓国文化院」では「想像の韓国の家を作る」をテーマに、「美術が息づく-その家」が開催されている。オープニングセレモニーに参加してきた。

朝鮮半島の葛藤と希望が感じられる作品

「その家」には、朝鮮の様々な時代を表現した芸術作品が展示されている。朝鮮民族は「恨」(ハン)の民族と言われている。僕も詳しくは知らなかったのだが、「恨」は、日本語で言う「恨み」とは意味合いは違うらしい。

朝鮮半島は大国に囲まれている地理的な事情から、過去から現在にわたって日本や中国、アメリカやソ連などの干渉・支配を経験した。また内部でも独裁政権との戦いや、南北分断などの問題が存在する。そんな中で、常にアイデンティティの葛藤が生まれた。圧政の歴史、その中で生まれた悔しさや悲しさを乗り越え、何度でも立ち上がる、朝鮮民族の強い心を象徴するのが「恨」の精神だと言われている。今回の展示からも、こうした「恨」の精神を感じることができた。一部を紹介してみたい。

8人の女性の絵。中国などの文化を受けた作品である。

朝鮮・東アジアの文化と西洋文化の融合を表す絵

北朝鮮の路地

多くの人が手を取り合っている絵 

これは韓国の民族が手を取り合い立ち上がった民主化運動(民主化革命)を現代版に表現した作品である。この作品から韓国民衆の民主化への強い力を感じた。

「その家」の展示は入場無料で、9月25日まで韓国文化院で開催されている。

以下韓国文化院ホームページより引用

【展示概要】
○会場及び会期
 ①駐日韓国文化院 ギャラリーMI(〒160-0004 東京都新宿区四谷4-4-10)
会期:8月29日(木)~9月25日(水)10:00~17:00
※作家との対話:8月31日(土)14:00
②FEI ART MUSEUM YOKOHAMA
  (〒221-0835 神奈川県横浜市神奈川区鶴屋町3-33-2横浜鶴屋町ビル1F)
  会期:10月1日(火)~10月12日(土)10:00~19:00
   ※ギャラリートーク:10月1日(火)14:00
✦入場無料、休館日:日曜日及び祝日(両会場共通)
○内容:朝鮮時代の器から現代の設置美術作品まで韓国の「家」にまつわる作品19点の展示
○主催:韓国国際文化交流振興院(KOFICE)
○共催:駐日韓国大使館 韓国文化院、OCI美術館(韓国)、FEI ART MUSEUM YOKOHAMA
○後援:文化体育観光部(韓国)、駐横浜大韓民国総領事館、財団法人 松岩文化財団
○お問い合わせ:駐日韓国大使館 韓国文化院 ☎ 03-3357-5970

今こそ韓国のことを学ぶ必要がある

近年、日韓関係は悪化している。そんな中で、日本人は韓国の歴史をあまりにも知らなすぎると思う。定かな話ではないが、韓国の歴史の授業は、ほぼ「日本史」といっていいほど、日本のことについて細かく扱うということを聞いたことがある。それに対して日本の歴史の授業では朝鮮のことは他の「外国」と同じくらいしか扱わない。日韓の数千年に及ぶ深い繋がりを考えると余りにも少なすぎる。

もちろん逆もあるかもしれないが、日本人が韓国のことを知らなすぎる。そのために韓国人がどのような気持ちで反安倍デモを行っているのか、あまり理解できていない部分もあると思う。僕は日本人として、今こそ韓国の文化を学ぶ必要があると強く思う。

韓国文化院について

韓国文化院は日本人のために作られた、韓国文化や伝統を知ることができる施設だ。K-popから朝鮮の伝統作品まで、韓国関連の様々な企画展や、日本人なら無料で借りれる韓国関連の本が置かれた図書館など、韓国のことを知るためには欠かせない文化院だ。

近代建築と朝鮮の伝統が融合したデザインの韓国文化院


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