国の最小単位としての「まちづくり」と地域の繋がりを通して社会を変える。

これまで3回に渡って、これまで僕が社会問題に関心を持った理由や、社会運動について関心を持ったきっかけなどを書いた。

今回はまちづくり・地域活性の新団体を僕が立ち上げようと思った理由、また、これからまちづくりの団体を通して実現していきたい社会の姿を書いていく。また、これはあくまで僕自身の個人的な見解であり、これから立ち上げる新団体の見解ではないことはご了承いただきたい。

これまで表での活動の多くは「政治」だった僕だが、「まちづくり」「地域活性」の新団体を立ち上げようと思った理由としては、以前からまちづくりに興味があったというのも理由の一つではある。しかしもう一つの理由として、これまで政治運動に参加してきた中で、このままでは日本の政治は絶対に変わらないと確信するようになったからである。

日本において国民が政治に関心がないのは当たり前

2017年の衆院選の投票率は53%と戦後二番目の低さを記録した。日本人は政治に無関心である。と言われているが、どこから日本人は政治に関心がなくなったのだろうか。

1946年に行われた、第22回衆議院議員総選挙では、女性に初の参政権が与えられ、全体の投票率は72%にも及んだ。また、政治運動が最もピークに達した1960年代、岸政権による安保条約改定に、戦争がもう一度繰り返されるとの危機感を覚えた当時の学生たちは、各地で反対運動を展開した。

しかし、その後一部の学生達が過激化し、内部で内ゲバが始まった。それが影響して一般学生の多くが運動から離れていき、運動は縮小していった。

それ以降、国民の間に「政治」には触れてはいけないという現在にまで通じる日本の悪い伝統が作られてしまったのかもしれない。

「政治」に触れてはいけないという空気を作った上で、政府は、国鉄民営化・郵政民営化などを通して労働組合を解体し、正社員の削減と非正規を作り出し、労働者を分断させた。今の日本における労働者の地位は、まるでマルクスが誕生する前、資本家が絶対的権力を握っていた時代に逆戻りしてしまったようだ。このようにして日本の政治は停滞してしまったのではないだろうか。

今の国会での論議を見ていると、国民が政治に関心を持たないのは当たり前だと思ってしまう。与野党共に自己の保身と政党支持率のことしか考えていない。政治家・国民共に自分の利益のことしか考えず、社会に無関心であるこのような日本の現状を考えると、選挙・国会だけで社会を変えることは無理なのかもしれないと思うようになった。

そもそも政治=国会 という考え方がおかしいのではないか

多くの人が「政治」というと国会や永田町の議員たちを想像するだろう。しかしそれ自体がおかしい。「政治」とは生活そのものであり、politicsの語源は古代ギリシア語のポリス(πόλις)からきている。「都市」「市民権」といった意味合いだ。しかし現状では、市民人口が当時のギリシアの都市国家とは比べ物にならない上、経済システムも根本的に違うため日本において古代ギリシアの「政治」は適用できない。そのため日本では「政治」が権力の象徴となってしまっている。ここを変えなければ日本に未来はないのではないだろうか。

まちづくりで社会を変革する時がきている

日本の人口は2055年に一億人を切ると予想されている。このことをあまりに悲観視している人が多いが、日本にとって悪いことではないと思う。そもそも国土の森林面積が約7割を占める日本において人口が1億3000万人、GDPが世界3位、それを維持し続けること自体に無理があるのではないか。原発問題をはじめとしたエネルギー政策や成田空港や羽田空港などの空港政策などを見ていると、これだけの経済力と人口を維持するのは困難であることは明白だ。バブル崩壊後、失われた20年と言われてきたが、このままでは日本そのものが失われかねない。要するに高度経済成長期以降の成長神話を日本人は捨てなければならないのだ。

その中でまさに日本の社会は新たな方向性を定め、変革を遂げなければならない時がきている。その新しいこの国のビジョンを作っていくためには、これから日本の巨額の負債を背負っていくことになる若い世代が中心となり、中央政府に頼らず、市民一人一人が独立した「都市国家」を作っていく必要があるだろう。そこで、そうした社会を作っていく上で最も大切なのが地域活性とまちづくりなのである。

まちづくり・地域活性を通し全国に都市国家を作る

このような経緯から僕は日本のビジョンをもう一度形作っていく手段として「まちづくり」の新団体を立ち上げることにした。戦後、いちから中央集権政治と資本主義によって生活を向上させ、世界を代表する大国となった日本。しかし「モノ」が中心の時代は終焉を迎えている。これからは「まち」が独自で循環する持続可能型なまちづくりを行い、全国のまち同士が連携していくことで社会を回していく。そういった脱中央の社会を構築していく必要がある。

そういった社会をすぐに実現することはできないだろう。ただこの新団体を通し、全国で自分のまちを盛り上げたいと考えている若い世代同士を中央政府を介さないで連携する一つの枠組みを作っていきたい。

政治の主役、当事者を「国会」から「まち」「地域」「市民」へ移すことで、国民の政治に対する意識は変わり、日本の政治は確実に変わるだろう。

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