電話しているだけの映画『THE GUILTY ギルティ』で想像力の限界を超えろ!

ずっと電話しているだけの映画を見ました。おじさんがコールセンターにいて、かかってくる電話に対応するだけの映画。それが『THE GUILTY ギルティ』。ちなみにデンマークの映画です。ここまで読んで、逆に興味が湧いたならそれでいいんですけど、「ちょっと見るのしんどそう…」と思うのが普通かなと。

でも、この映画は普通じゃないので最後まで見れます。いや、見れるというか、映像はほとんど変化しないので「聴ける」と言った方が正しいかもしれない。(もちろん俳優さんはいい演技をしています)

聴こえてくる電話のやりとりを頼りに、自分の頭の中で映像を思い浮かべる。例えば、電話の相手に「暗い、何も見えない…」と言われて何を想像しますか? 外ですか? 室内ですか? 広いところ? 狭いところ?

ちなみに私は、室内で、それも身動きできないくらい狭い空間を想像しました。でもこれって人によって全然ちがうことを考えると思うのです。それぞれの想像があるからみんな違ってみんな面白い。つまり想像力があればあるほど楽しめる最高の作品とも言えます。

また、コールセンターにかかってくる電話は1本ではありません。いろんな人から次々と電話がかかってくる。ぜんぜん大したことない内容のものから、ちょっと緊急性のあるものまで。その1つ1つに主人公のおじさんが対応していく。そしてそのうちの1本が「ヤバイ電話」なんですけど、これ以上はネタバレになるのでやめておきますし、どうしても気になるなら予告編で確認してください。

あとあらすじはこんな感じです。

緊急通報指令室のオペレーターであるアスガー・ホルム(ヤコブ・セーダーグレン)は、ある事件をきっかけに警察官としての一線を退き、交通事故による緊急搬送を遠隔手配するなど、些細な事件に応対する日々が続いていた。そんなある日、一本の通報を受ける。それは今まさに誘拐されているという女性自身からの通報だった。彼に与えられた事件解決の手段は”電話”だけ。車の発車音、女性の怯える声、犯人の息遣い・・・。微かに聞こえる音だけを手がかりに、“見えない”事件を解決することはできるのか―。

ちなみに業界関係者がみんな悔しがったらしいです。「こんな手法があったのか」と。何度も言いますけど、電話しているだけですから。この映画。ワンシチュエーション、つまりひとつの場面だけで展開する映画は数あれど、本作は登場人物が圧倒的に少ないだけでなく、声だけ。どんな顔かもわからないし、体格も服装も、そして髪の色も何もかも想像するしかない。

自分以外の人はどんな顔を想像したのか、めちゃくちゃ気になるわけです。モンタージュ写真とかで作って統計とったりしたら面白そうだなとニヤニヤしてます。まあパンフとか見るとキャスト名が書いてあるので、このインターネットの時代であれば顔写真くらいは見つかると思いますが、あえて調べていません。

あと、主人公のおじさんがね、ちょっと訳ありなんですよ。ストーリーが進むにつれて、おじさんの「訳」が少しずつ明らかになっていくんですけど、それもじわじわと絡まってくる。また、このおじさん、仕事ができるタイプなんですけど、できるだけに自分のやり方が正義だと思いこんでいるところがある。

この手の、「自分のやり方がベストだ」と思い込んでいるタイプは、ミスを犯していることに気がつかないことが多い。効率を求めて突き進み、実はもっと最適な方法があることに気がつかないし、もっと言うと、気がついたとしても認めない。

「あ〜、こんなおじさん、うちの職場にもいるわ〜」

とか思って見てもらえると少し気持ちが楽になるかもですが、その余裕もなく最後までドキドキさせられると思います。ホラーとまでは言いませんが、サスペンス的な怖さ、恐ろしさは存分にありますから。

もはや、手放しで最高と言っていいです。ロッテン・トマトって映画レビューサイトでは、満足度100%らしいです。100%です。満点です。

ただ、何度も何度も言いますけど、電話しているシーンだけなので、グロい映像とかは一切でてきません。ぜんぶ自分の頭の中の想像、イメージです。だから余計に面白いんです。

気になり始めた方、予告編だけにしてあとは調べない方がいいです。だってネタバレでてくるかもしれないですし…。

だから、公開日の2/22になったら映画館に突っ走って見てください。そして、もしよかったら電話の相手、どんな顔を想像したのかを話し合いませんか? コメントとかで。

あと、面白すぎるのでハリウッドリメイクが決定してます。ジェイク・ギレンホールで。そっちも楽しみですが、まずオリジナル版をおさえておきましょう。

ではまた。映画カタリストのゆうせいでした。

映画『THE GUILTY/ギルティ』
公開日:2019年2月22日(金) 新宿武蔵野館/ヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国公開
(C)2018 NORDISK FILM PRODUCTION A/S

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ゆうせい(映画カタリスト,モデル)

映画と愛妻エッセイスト / モデル。学生時代はTSUTAYAでアルバイトし、ワーナー・マイカル・シネマズでマネジャー経験あり。登場人物の機微や心情、所作事から学べる要素を抜き出す映画紹介が得意。俳優・監督インタビュー実績多数。ご依頼は→yousay@campanio.tokyo

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