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受賞の向こうがわ⑨……ゲラが来た!

4月頭に第4稿を送ったあと、5月20日頃、ついにゲラが到着しました。

ゲラとはなにか。

簡単にいうと、本になったときと同じレイアウトで原稿を印刷した紙のことです。

出版前の校正用に刷るものなので、「校正刷り(ゲラ刷り)」と呼ぶこともあるとか(実際には皆さん、単純にゲラと呼んでいる印象ですが)。

書体や行間、ルビ、余白に入るページ数、章タイトルの表記などが実際に本になるときと同じ体裁になるため、著者としてはより書籍化のイメージが高まり、要するにテンションが上がります。

届いたゲラには編集と校閲の方のチェックが入っており、内容や表現上の誤りについて、注意書きが添えられています。このゲラの段階で、表記の揺れの統一とページ数の調整も行います。

ページ数については別途Nさんから、現状から3ページ減らしたいため、最終ページに数行はみ出している章を中心に文章を削り、加筆はなるべく控えてください、という指示がありました。

私の場合、事実関係や内容の確認よりは、表記の揺れに関する指摘が多かったです。

表記の揺れには自覚があって、今作は応募前約400枚あり、100枚ほど削っています。

その際、どうしても行数を減らすため、他は平仮名だけどここだけは漢字にしよう……などとごまかした箇所がいくつもあり、当然ながら漏れなくチェックされていました。

文章上の誤りに関する指摘もいくつかありました。恥を承知でひとつ晒すと、「×鉢合わせた」⇒「〇鉢合わせした」※鉢合わせる、は辞書になし……などなど。

自分でもあやしい言葉は辞書を引きつつ確認しているのですが、そもそも「あやしい」という感覚すらなく使っている(正しいと思いこんでいる)言葉は防ぎようがなく、校閲さんのありがたみを実感しました。

なにしろ以前、北日本児童文学賞をいただいたときは、一発目の主人公の名前をいきなり間違えるという失態をおかしましたからね……。うっかりミスとは本当におそろしいものです(ふつうまちがえない)。

今回の締め切りは約2週間後です。体感としては十分かな、という感じでしたが、ひとつだけ気になる点が。今回、表記関連のチェックとは別に、Nさんからある課題が出ていました。

発売前なので一応ぼかしておきますが、簡単にいうと「ある人物が主人公に誕生日のプレゼントを渡すシーンを入れてほしい」という指示です。

ただし、ページ数が増えるのは不可なので、ほんの数行で済む内容で、という条件がついていました。前提として、その時点の原稿に誕生日のシーンは一切ありません。

どうでしょう?
結構難しくないですか?
私はクイズみたいで、ちょっと面白いな、と思いました。

Nさんからは「この場面にこんな感じでどうでしょう?」とアドバイスを頂きましたが、実際に書こうとするとどうにも私のなかでアイディアが浮かばず(力不足……)、やむなく別の方法を模索することに。

プレゼントの内容については特に指定はなかったため、どうせならその人物がそのプレゼントを選んだことにも意味を持たせたいと思い、渡すシチュエーションを含め、さんざん考えました。

さて、実際に主人公はどんな状況で、何をプレゼントされたのか? ぜひぜひ、作品を読んでお確かめください!

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