その35 ええ~~~車いすに座ったまま今すぐ手術って・・・そんなに緊急事態だったの?
2021年 (令和3年) 44歳 5月下旬
これまでの経験から、まずは生検をして確定診断するんだろうと予測した僕。そうすれば最低でも2週間はシャンプーができなくなることから、行きつけの理髪店に行き丸坊主(一ミリ)にしてもらい、ヘルパー事業所には、消毒をお願いすることになるかもしれないことを伝えて、人員確保をしておいてほしいとお願いした。併せて、消毒に必要な滅菌済の綿棒などをドラックストアで購入。
そんな用意周到な僕だったんだけど…
今回は少し意外な展開が訪れることになっちゃう。
「辛島さん、中へどうぞ!」
「失礼しま…(あれ?)」
看護師さんに名前を呼ばれ診察室へ入ると、かかりつけ医からの紹介状を片手に持ちながら、先生(自身2回目の執刀医)が別の医師と何やら話し合っている様子…
別の医師というのは…
自身1回目の時に太ももの皮膚を採るために手術室にいた先生だ!
ということは、先生(自身2回目の執刀医)よりも経験豊富な上司に当たる立場なんだろう。
(それにしても、何を話しているのかな?)
気になってじっと眺めていたところ、僕がいるのに気が付いたのか?目で合図しあってから別の医師はいなくなり、先生は僕の後方に回ってパシャパシャと写真を数枚撮ってからこう言われた。
「今日採ってしまいましょう!」
「えっ、いきなりですか!これまでみたいに生検は…」
「本来であれば、まず組織を調べる生検を行ってからどうするかを決めるのですが、あなたが後頭部に皮膚癌が出来やすいこと・患部がかなり小さいことなどから、生検をしないで採り除くことにしたのです」
「そうなんですか…」
「ただし、皮膚癌ではない可能性も十分考えられますので、術式は皮膚癌摘出手術ではなく、ホクロの除去術のようなものになります。もちろん受けないという選択肢もあります」
「わかりました。手術はぜひ受けたいのですが…今日って言われましたけど、今から手術室でしょうか…」
「いえ、ここで(外来診察室)」
「えっ、ここで?」
「ええ、入院して行う手術とやることは大きく変わりませんが、患部がとても小さいので入院の必要もありませんし、手術室で採る必要もないのです」
「そこにある、診察用のベッドに寝てですか?」
「いえ、車いすに座ったままで十分可能です」
「ええ~~~車いすに座ったまま手術なんですか!大丈夫でしょうか…」
「心配いりません。ただ、今日は本当なら手術日ではないため、他の外来受診患者さんを診なければなりません。ですので、他の外来受診患者さんを診察し終えるまで待てますか?手術自体は10~20分です。待てないなら後日改めて手術になりますが、いつになるかは未定です」
「もちろん、今日お願いします!」
「わかりました。術後は生検後と同じで毎日自宅で消毒が必要になるのでヘルパーさんなどにお願いできますか?」
「一応その可能性があるかもしれないと言ってありますので、今から連絡してみます」
僕はそう言うと診察室を出て、予想通り消毒が必要になった事をヘルパー事業所へ連絡した。(これまで同様、臨時で毎日入ってもらえようになった)
さてさて…
時刻は14時を過ぎていたかな…ようやく外来診察室に呼ばれた僕は、言われていたように車いすに座ったまま15~20分くらいの摘出手術?を受けた。
「今回は生検をせずに採ってしまったので、現段階では皮膚癌ではなくてホクロの可能性もあります。詳しい検査の結果は消毒が終わった2週間後の再来日にお伝えします」
「わかりました」
ま〜今から詳しく調べてみるとは言っていわれていたけれど、もう採ってしまったからな~…今更僕には必要ない答えだったりして…
ー つづく ー
いかがでしたか?
今回送った「僕からの手紙」が、何らかの形で、みなさんのプラスになれたら、とても光栄です!
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できましたら、これからもたくさん手紙を送りますので、どうか目を通してほしいです。
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