法人営業_2

【マネジメントTips】人材育成における「内省」と「メタ認知の関係性」についてー成長が早い人の特徴ー

世の中の多くの会社では、4月から新入社員が入社している。

入社後は、人事部が集合研修を行い、早い企業だとGW開けから現場配属へ、という会社も少なくない。

研修中、または現場配属後には、毎日日報を書かせたり、帰る前にOJT担当と夕会を開くなど、「一日を振り返ること」を促すことがよく行われる。

これはなぜだろうか。

毎日を振り返ること。1日の中でやったことなんて覚えてるし、なんでわざわざ時間をとってまでやるのか。

これは人材育成の1つの施策として、リフレクション(内省)を促しているものであり、継続的に日々の業務を振り返ることを習慣づけることを狙ったものである。

このnoteでは、ビジネスマンとしての「成長」と「内省」がどのように関係があるのか、「内省」と「メタ認知」に関係があるのか整理したい。

そこで、是非以下のような人に読んでほしい。


・会社や上司から内省(日報を書く)を促されるが、納得感がない
・OJT担当として、部下の育成をする立場になったがどのように内省を促せばよいかわからない
・内省を活かして、同期に差を付けて成長したい。
・どんな内省が効果的なのかいまいちわからない。

▽リフレクション(内省)が、なぜ人材育成において重要なのか

経営コンサルタントであるマイケル・ロンバルドとロバート・アイチンガーによると、

学習の70%は「実際の仕事経験」によって、20%は「他者との社会的なかかわり」によって、10%は「公的な学習機会」によって起こるとする「70:20:10フレームワーク」がある。上記を踏まえると、学習の70%を占める仕事経験から上手に学べるかどうかが、成長の角度を大きく変えていく。

職場において、実際の仕事経験を「どのように振り返っていけるのか」という内省が非常に重要なのである。

▽リフレクション(内省)と経験学習理論

内省とは、「なにがあったかを単純に思い返すのではなく、なにがよかったか、なにが悪かったか、次はどうすれば良いかを深く振り返り、経験した事象を構造化し、次はどうすればよいかという自分なりの仮説を立てること」である。

組織行動学者のデービッド・コルブが生み出した「※コルブの経験学習サイクル」という経験学習論においても、成長サイクルの1つとして、非常に重要な役割を果たす。

※「経験」(具体的な経験をした上で)→「省察」(しっかりと内省をして)→「概念化」(内省から得た教訓や気づきを、異なる状況でも応用できる独自の理論に仕上げ)→「実践」(その理論を新たな経験で試す)の4段階のサイクルで、これを回すことで経験学習が加速していくという理論のこと

積極的にどれだけ多くの経験を積んでいったとしても、振り返りを行わず、ひたすら行動だけしていても成長はいまいち。
内省をしっかり行った上で、持論(仮説)を持ち、次の類似する事例で試してみる必要がある。

▽リフレクション(内省)が上手い人の特徴

メンバーと接する中で感じるリフレクション(内省)が上手い人の特徴を整理すると、以下の2点があるように感じている。

①内省を客観的に行えるメタ認知能力
行動する自分を一つの対象として、捉え直し傍観者として観察できる(メタ認知)できるか。メタ認知ができると、組織や個の相互作用をシステムとして捉える事ができる。事象の再発防止などを考える際に、人起因ではなく仕組みでの解決へと仮説が立てられるようになる。

②内省を促すうまい質問で自問自答ができる

・なぜ起こったか?
・なにが良かったか?なにが悪かったか?
・それぞれの原因はなにか?
・全く同じ状況のことが再度起こるとすると、改善できることはなにか?

業務工程ごとになるべく細かく、自責で捉えながら、自問自答できること。
他責が強すぎても、自責が強すぎてもダメ。なるべくフラットに分析し、
建設的で現実的な次回への学びを得る事ができる。

最初は他己と会話しながら深めていき、徐々に自己に内面化していけると、どんな分野に挑戦していっても、環境要因に左右されず、自走度が高い人材になっていくと感じる。

人材開発分野では有名な中原さんや松尾さんなどから以下のような書籍も出ているので、読むと面白いかもしれない。


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